須永朝彦の埴科便り

2016-09-29

エンジェルストランペット二番花

 外氣温が25〜28度ぐらゐに下がつたせゐか、追肥が効いたのか、エンジェルス
トランペットが勢ひを盛り返して澤山の二番花を咲かせてゐます。一週間前後で
落ちてしまふのですが、それを仰向けにして空瓶に挿してみました。
 夏の名殘の薔薇や匂ひ始めた金木犀も並べましたが、ピントをトランペット
合せたので、こんな寫眞となりました。
 此のところ雨天が續いて氣温は上がらないのですが、湿氣が強いので、動くと
汗ばむといふ、ちよつと厭な天候であります。

 冠着山(姨捨山)を背景に
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 落花を仰向けに挿す
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2016-09-16

エンジェルストランペット開花

 六月以降、空梅雨から猛暑と天候が乾き氣味だつたせゐでせうか、暑氣に弱い
木立朝鮮朝顔(茄子科木立朝鮮朝顔屬。茄子科朝鮮朝顔屬のダチュラとしばしば
混同される。木立朝鮮朝顔は花が下向き、朝鮮朝顔は上向きに咲くので一見して
違ひが判る。エンジェルストランペットは園藝品種としての通稱)の開花が遲れ
てゐましたが、今週はじめに漸く開花、數日を經て白かつた花が淡い橙黄色に變
じてきました。四半世紀前までは入手方法が種苗會社の通販などに限られてゐた
のですが、追々人氣が出て、今では何處でもホームセンターやJAなどで入手が
可能となつてゐるやうです。歴(れつき)とした毒草ゆゑ、取り扱ひには注意が
肝要であります。
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 此の邊では一見ギョッとするやうな肉厚の鷄頭を見かけます。見るたびに私は
七面鳥(♂)の肉垂れを聯想します。
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2016-09-12

遠來の客:劉靈均さん

 過ぐる9月4日、關東に滯在中の劉靈均さんがお仕事の合間を縫つて千曲まで
お越しになりました。劉さんは臺灣の方で神戸大學に在籍中。專攻は【文化構造:
國文學】の由ですが、日本語を流暢に話されるので他に日本文學の研究・飜譯、
中國關係の講演やシンポジウムでの通譯など、多岐に亙り活躍してをられます。
 私の仕事にも關心をお持ちで、益岡和郎さん(嘗て朝日カルチャーセンターの
私の講座を長いこと受講して下さつた方)を通じて對面の打診があり、昨年の春、
東京で一度お目にかゝりました。私の掌編・短篇を臺灣語(福■語:■は人偏に
老)に譯したいとのことにて其の許可を求められたので、私は即座に「どうぞ」と
應へました。
 其の後、劉さんは【如何「世紀末」「少年愛」「讀本」:編輯家、小説家、翻
譯家須永朝彦與呉繼文(いかに「世紀末」「少年愛」「讀本」になるのか:編輯
家、小説家、翻譯家須永朝彦と呉繼文について)】と題して、私と臺灣の作家呉
繼文氏とに就いての論文をお書きになりました。コピーを頂戴したものゝ殘念な
がら私には臺灣語を讀み解く素養が缺けてゐます。孰れ日本語に譯されるさうな
ので、其の日を待ちたいと思ひます。

 扨(さて)4日のこと、10時40分過ぎに千曲驛に到着されました。此の時間に
着くには凡そ2時間前に東京驛で北陸新幹線に乘らなければなりません。上田驛
には1時間30分餘で着きますが、しなの鉄道(舊JR信越本線)に乘り繼がねばな
らず、どうしても2時間餘かゝつてしまふのです(最速新幹線なら、もう金澤に
着いてますね)。
 自轉車で迎へに行つたのですが、もう列車は着いてゐました。改札口には誰も
をらず、如何(どう)なすつたのかとホームを見遣ると、劉さんは悠然とスマホ
で邊りの景色を寫してをられました。驛から徒歩にて15分ほど、住宅と水田・畑
地が入り混じる景色が珍しいのか、垂れ下がる稻穗や咲き誇る凌霄花(ノウゼン
カヅラ)など、頻りにシャッターを切られます。姥捨山の山容もくつきりと眺め
られる生憎の好天(勿論30度超え)、熱帶夜こそありませんが盆地(善光寺平
南端)ゆゑ晝間は暑いのです。
 まことに手狹な住居ですが、「父の書齋を思ひ出します」とのこと、何はともあ
れ冷茶と氷菓を勸めたのですが、書架が氣になる御樣子にて暫くは立つたり坐つ
たり……。よく喋られる方なので、無言による氣まづい時間などは皆無、助かり
ました。晝食を挾んで6時間餘、樂しく過すことが出來ました。
 劉さんの日本語は中華訛りが殆ど無く見事なのですが、私が「凍頂烏龍茶」と言
つた時、〈ウン?〉といふ表情をなさいました。臺灣の銘茶を御存じない筈はな
いので、「トウチョウ」といふ日本式の發音に惑はされたやうです。「〈こおる〉に
〈いたゞき〉ですよ」と申したら、「嗚呼(あゝ)現地の發音と違つたので」と苦
笑、こんなことも起るのかと面白く感じた次第であります。
 『台湾を知るための60章』といふ御本を頂戴しました。臺灣人と日本人と合は
せて29名の方による共著で、歴史地理政治経済・社会・文化芸術・対外関係・
人物など寔(まこと)に解りやすく紹介されてをり、私なども教へられることが
多いですね。劉さんも一章を擔當、「性的マイノリティ運動――戒厳令解除以後の
道のり」を執筆寄稿していらつしやいます。
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 夕刻から天氣が崩れるといふ豫報が出てをり、此の邊りの夕立は土砂降りとな
ることも少なくないので、お歸りを少し早めるやう勸めたのですが、結局一粒も
降らず、申譯なきこととなりました。驛までの歸途、劉さんがスマホで撮られた
二人の影法師(右が劉さん、左側の私は自轉車を引き摺つてゐます)がちよつと
素敵なので載せておきます。
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台湾を知るための60章 (エリア・スタディーズ147)

台湾を知るための60章 (エリア・スタディーズ147)



 翌日は午過ぎから豪雨となつたものの2時間ほどで止みました。夕刻、日頃お
世話になつてゐる地元のA-Nさんを招き、石堂藍さんが送つて下さつた冷藏タイ
プの甲州ワイン(かういふものがあるとは知りませんでした)の栓を抜きました
が、此れが赤も白も滅法吃驚物の美味しさ、呀といふ間に頂いてしまひました。
Aさん曰く「毎月、小淵澤に行きなさいよ」云々。

2016-09-03

晩夏なれど暑し

 窓前の駐車場の敷地では、熟れた無花果に早朝から椋鳥が群がり、梨や柿の實も
膨らんできました。其の邊りの叢では今年生まれの雨蛙(自在に體色を變ずる)が
飛び跳ね、お隣の水田では稻穗が頭(かうべ)を垂れ始めました。颱風が過ぎて再
(ま)た暑熱がぶり返してゐますが、熱帶夜にならぬのが取柄でせうね。

 臺灣の若き日文學者で、私の作品を讀まれて論文などお書きになる劉靈均さん
(現在神戸大學の大學院〈人文学研究科〉に在籍中)が先月末から東京に滯在して
をられます。幾つものお仕事の合間を縫つて明日は態々(わざわざ)信州までお越
し下さるので、暑熱が少しでも収まるといゝのですが……。

 露臺の朝顔
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 お隣の水田
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2016-08-31

MY FAVORITE SONGS 「風雲黒潮丸」主題歌(1956)

 氣分が優れぬ時など、此の歌を口遊(くちずさ)みたくなります。
 此れは民放ラジオドラマの主題歌でした。原作は小澤不二夫の少年向け時代冒險小説。
直に東映で映畫化されて、そつちの方がより強く記憶に殘つてゐます。關ケ原の戰さに
破れて處刑された小西行長の遺兒夢若丸が外国(とつくに)に雄飛せんと九州の海から
出帆するといふ筋でした。主役は東映ジャリ向け時代劇の人氣スター伏見扇太郎です。
 三部作をすべて見ました。女兵士を率ゐる不知火(しらぬひ)姫といふ海賊の将軍が
お氣に入りでしたが、後にワーグナーの『ニーベルングの指環』のヴァルキューレ
接した時、「呀、不知火姫みたい」と思つたりしましたよ。不知火姫は三笠博子。
 映畫が始まりクレジットタイトル(昔は延々と流れるエンドロールなど無かつた)に
被せて主題歌が流れ始めると、觀客の《よい子》たちも一齊に歌ひ出すのでありました。
私が10歳の時のことであります。歌詞はだいたい覺えてゐたのですが、二番に不確かな
箇所があります。YouTubeに音聲があつたので繰り返し聽いてみましたが判りません。
歌詞は以下の通りです。音聲も貼り附けておきますので、聽かれてお判りになつた方は
御教示のほどを願ひ上げます。

1)黒潮さわぐ海越えて
  風にはためく三角帆
  目指すは遠い夢の國
  呂宋、安南、柬埔寨(カンボジア
  はるか和蘭陀、エスパニア
  面舵いっぱい オーオ オー オー

2)きたれ荒波何のその
  ゆくぞわれらの黒潮
  ■の■を乗り切れば
  大揺れ小揺れは母さまが
  揺籃(ゆりかご)押してる夢の如(ごと)
  面舵いっぱい オーオ オー オー

3)水平線に沈み行く
  夕日いっぱい身に受けて
  明日は紅顔前髪に
  そよ風そよろ夢若と
  黒髪みどりの小夜姫(さよひめ)が
  面舵いっぱい オーオ オー オー

https://www.youtube.com/watch?v=lG6TK2YyCXQ&nohtml5=False

「続風雲黒潮丸 まだら狼」
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「風雲黒潮丸 南海の若武者」夢若と小夜姫(丘さとみ)、二人は兄妹。
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