須永朝彦の埴科便り

2016-06-22

【新編日本幻想文学集成】刊行開始

 国書刊行会の【新編日本幻想文学集成】が愈々刊行開始を迎へ、明日第一巻「幻戯の時空」が配本されます。

  安部公房集☆編集解説:安藤礼二
  倉橋由美子集☆編集解説:山尾悠子
  中井英夫集☆編集解説:高原英理
  日影丈吉集☆編集解説:諏訪哲史

  裝畫:梅木英治  裝丁:柳川貴代

 *760頁の大冊、本巻に限り《刊行記念特別価格》5000円(税別)
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 ◇因みに私が擔當した作家の収録巻は下記の通りです。
   円地文子集:第三巻「幻花の物語」
   泉鏡花集:第四巻「語りの狂宴」
   佐藤春夫集:第五巻「大正夢幻派」
   森鴎外集:第九巻「鴎外の系譜」

2016-06-19

百合開花

 此の邊りでも田植ゑが始まりましたが、雨は餘り降りません。空梅雨ですね。
 山百合・鬼百合など野生の百合が咲き始めるのは、いま少し夏めいてからですが、園藝品種の透かし
百合には早咲きのものが多いやうで、私の露臺でも鉢植ゑの透かし百合が開花しました。
 カサブランカといふ白色大輪の人氣園藝品種がありますが、10年くらゐ前に臙脂色(赤紫色)咲きの
新品種が賣り出された時、此の系統の色に弱い私は早速球根を購入して培てましたが、年ごとに花附が
惡くなり、東京を離れる頃には球根が溶けてしまひました。

 透かし百合
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 築地明石町で培てゝゐた赤紫咲きカサブランカ
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2016-06-12

郭公飛來

  一昨日午前4時過ぎ、白々と明け初めた頃、今年初めて郭公(クワクコウ)の鳴聲を聞きました。
毎年今頃、南國から托卵の爲に遙々と渡つて來るのです。
 此の邊りで見かける鳥と申しても、私には青鷺・白鷺・鳶・鴉・尾長・鵯・椋鳥などの他は鶺鴒・目白
雀・四十雀・山雀などの小鳥ぐらゐしか認識出來ません。如何なる鳥の巣に卵を産み落とすのか、以前、
TVで葭切(ヨシキリ。大きさは郭公の半分以下でせうね)の巣に托卵する映像を見たことがありますが、
其の葭切が千曲川の河川敷の葭原にでも棲んでゐるのでせうか。
 梅雨入りといふのに、殆ど雨が降らず、毎日草花や植木に水を遣らねばなりません。それでも季節の花は
時をあやまたずに次々と咲き始めます。

 今日の冠着
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 紫陽花
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 蕨
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 名稱忘失
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 園芸種名は「ブラックなんとか」、全草が私の好む珈琲色(或は烏賊墨色)だと申すのに忘失するとは
情けなきかぎりであります。

2016-06-05

新国立劇場『ローエングリン』公演

先月下旬から今月初旬にかけて東京初臺の新国立劇場にて『ローエングリン』の公演が
催されました。依頼を受けてプログラムに「ルートヴィヒ2世とワーグナー」といふ一文を
寄せましたら、公演に招待されました。ワーグナー歌劇・樂劇は1980年代に歐州からの
來日公演を一通り聽きましたが、其の後ほとんど聽く機會も無く打ち過ぎたので、出かける
つもりでゐたところ、直前に體調を崩し4時間半の公演には到底耐え得ないと判斷、頂いた
チケットを無駄にする譯にはまゐらないので、オペラに精通してゐる友人菅原多喜夫さん
四谷シモンさんのアシスタントマネージャー)に行つていたゞきました。
 タイトルロールクラウス・フローリアン・フォークト(最近人氣のワーグナーテノール
でしたが、多喜夫さんの御感想は「力任せの一本調子の歌い方ではなく、弱音をきかせた抑制の
ある唱法ですばらしかった」とのこと、演出(映像の脚本家演出家・俳優としても知られる
ティアス・フォン・ノイマン)に就いては「大道具も書割も使わないシンプルなもので、
結局、白鳥はまったく出てきませんでした。ただ、シンプルな分だけ、台本の矛盾もそのまま
表面に浮き彫りにされる感じで、あれでは、男論理に振り回されるエルザが気の毒だと同情
してしまいました」云々。
 どうやら此の演出は私が苦手とする類のもののやうであります。ルートヴィヒがワーグナー
作品に望んだのは「聖杯の騎士やラインの英雄の世界を叶ふかぎり具體的に眼前に觀ること」で
「眞實味の濃い舞臺裝置の上に、神話や傳説の主人公に相應はしい容姿・裝束の人物が登場し、
言葉が發せられ、全體を莊巌する爲の音樂が奏でられねばならない」のでありましたが、私の
望むところも其れと大差はありません。此れでは迚ものことに眞摯なるワグネリアンのお仲間
には容れていたゞけないでせうね。
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2016-06-02

『ショートショートの缶詰』重版

5月10日發行でしたが、早くも重版が決定、今月中旬に第2刷が出るとのこと、
版元から連絡をいたゞきました。嬉しき事であります。
自分のかゝはつてゐる本の重版は、ちくま学芸文庫の『江戸奇談怪談集』以來ですね。

ショートショートの缶詰

ショートショートの缶詰