一ヶ月ぶりの更新

 四月半ばを過ぎた頃から體調を崩し、鼻炎か、花粉症(これまで罹つたことなし)か判然とせぬ症状が續いたのですが、連休明け締切の仕事があつたので此れに從事、何とか仕上げることを得ました。其の後も脳内に靄がかゝつたやうな不快さが續き、鼻孔から流れ出るさらさらした水も止まりません。鼻炎・花粉症に對應する藥を服用すれば一時的には症状が治まるのですが、此の種の藥には別の幾つかの病氣に障る成分が含まれてをり、私にも其れに當てはまる持病がありまして、連用が利きません。かゝる次第にて、仰臥して過ごす時間が多く、ブログの更新も怠つてゐたのですが、數日前から恢復の兆しが見られ、據ん處なく外出する際や誰れかと話す時などは症状が熄むやうになりました。
 斯く過ごすうちに春も闌け、四圍の山々は新緑に彩られ、其處彼處でジャーマンアイリスや薔薇、二輪草など初夏を彩る花々が咲き始め、道端や草ッ原ではアスパラガスが一夜にして莖を伸ばし、また麥畑では穗が風に靡いてゐます。

 新緑の東山と冠着山(姨捨山)

 玄關生花:ジャーマンアイリス

 ジャーマンアイリス濃淡







 黄・白の牡丹

 白花一重の芍薬

 栃の木(橡)

 薔薇濃淡

 二輪草

 青い花:グランドカヴァー

 麥畑

 書いておきたい事も少なからずあります。松山俊太郎さん(癌にて療養中)の訃報に接した時は、既に覺悟の前とは申せ、暗澹たる想ひに囚はれましたが、今はたゞ瞑目して在りし日のお姿を偲ぶのみ、お話を伺ふやうになつてから40年の餘が經ちますので、其の間(かん)の思ひ出なども近いうちに……。生きてゐるうちに邦譯が讀めるだらうかと半ば諦めかけてゐた、ハンス・へニー・ヤーンの大河小説『岸辺なき流れ』が今月、国書刊行会より刊行されたので、此れも紹介したいですね。他にも佳い受贈本が幾つも溜まつてゐますので、順次取り擧げてゆくつもりです。