木の花、草の花

 數日來の暖かさで、寒さに縮こまつてゐた草木の莟が綻び始めました。近邊の開花のさまを撮りましたので、御覽に供します。

 山茱萸サンシュユ

 滿作(マンサク、金縷梅)

 膨らみ始めた杏の莟

 梅は八分咲き

 椿

 福壽草

 誰も採らないので薹(たう)が立つてしまつた蕗の薹

 蕗の薹の群落

 蕗の薹/椿・姫立金花

 姫立金花(ヒメリフキンクワ)

 3月4日の記事に、名前が判らないと註して載せたものと同じ花です。數日前、近所の老婦人に質ねたら「リュウキンカですよ」との答、私の知るリフキンクワは濕地や川・池などに生える水性植物で丈もかなり高いものと記憶してゐたので、『広辞苑』を引いてみると「【立金花】キンポウゲ科多年草。高山の湿地に生え、高さ50cm内外。葉柄は長くフキに似る。春から初夏に黄色の花を開く。茎が直立せず四方へ拡がったものを猿猴草といい、共に観賞用」云々、花瓣と見えるのは萼片であるといふやうな重要な事が幾つか洩れてゐますが、まあいゝでせう。問題は花梗の丈です。此處に載せた草本の花丈は15cm以下、あらあら。そこで安直にネットにて検索してみたところ、姫金立花といふ近似種があることが判りました。よく似てゐますが、萼片の數が8枚以上あり(八重咲きもあるらしい)、金立花(5枚)よりも多いですね。開花期にも少しずれがあります。錯綜するネットの情報から怪しきものを排除して判つたのは、同科異屬で姫の方は渡來種(歐州原産、シベリア經由で園藝用として入つてきたものが野生化)だといふことです。
 音が似てゐるせゐでせう、姿の似てゐない夾竹桃科の金龍花(キンリユウクワ)と混同する人も少なくないやうで、金龍花の畫像を検索すると立金花の方がより多く見られますね。