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授業研究AL&AL RSSフィード

現場の人たちでつながりましょう!

 メールアドレスを変えました。→akikb2@hotmail.com へ連絡下さい。 「アクティブラーニング(能動的学習)型授業」を日本に広めることをミッションとして活動しています。2013年3月に埼玉県公立高校教諭を定年退職しました。最後に6年間勤務した埼玉県立越ヶ谷高校で物理の授業を「アクティブラーニング型」に切り替え成果を上げることができました。この成果を基に多くの先生たちが実践できるように活動しています。情報収集や理論研究と共に啓発活動も重視しています。学校、教育委員会、各種団体主催の研修会講師を積極的に務めています。お気軽にお声をかけてください。 尚、AL&ALはActivelearning(能動的な学習)とActionlearnig(質問会議)の意味です。私の授業研究の2つの大きな柱です。ご質問、ご意見などお寄せください。大歓迎です。

産業能率大学経営学部教授(2014年4月〜)

河合塾教育研究開発機構研究員(2013年4月〜)

日本教育大学院大学講師(2013年4月〜)/河合塾コスモ名古屋講師(2013年4月〜)

日本アクションラーニング協会認定シニアコーチ

元埼玉県立越ヶ谷高校教諭(2013年3月定年退職)

小林昭文akikb2@hotmail.com

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アクティブラーニング(能動的学習) アクションラーニング(質問会議) キャリア教育 カウンセリング 選択理論 メンタリング 弁証法 物理  

2017-02-24 報酬が少ないから育たない!

【授業研究】「ニュースをネットで読むと『バカ』になる(上杉隆/KKベストセラーズ)」を読みました。「(日本では)一国の首相ですらジャーナリストは何かを理解していない」などと手厳しい、辛口の本です。彼によると、ジャーナリストとは「自ら取材して発表する人」ということのようです。米国ではジャーナリストの報酬は評論家などより圧倒的に高いのに、日本では逆転しているとのこと。これが、日本独特の報道の質の低さを作っていると彼は批判します。
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 その中で、次の一文が印象的でした。「日本ではジャーナリストの報酬が低いから、ジャーナリストが育たない」。私はこれを読んで、授業改善の指導者の報酬が低いから、「授業改善研修会の講師が育たない」のと同じだと強く感じました。
 私は授業改善の指導者の条件は、(1)ある程度の授業者としての経験がある、(2)ある程度の「新しい授業」の実践経験がある、(3)一定の成果を上げたことがある、だと思っています。しかし、この条件に当てはまるのは、現役の先生たちか、定年退職した先生たちの中にわずかにいるだけです。現役の先生たちは仕事が忙しいし、報酬を得ることに制限がついているのでなかなか出かけることが困難です。定年退職した先生たちは比較的自由なのですが、報酬が低いので専門の研修会講師として活動することは困難です。
 だから、どんな人が研修会講師をしているかというと‥‥教育関連の会社や組織の人たちです。その大半の人たちは授業者でありません。書籍やネットの情報を基に「上手にプレゼンする人たち」です。これでは、聞いている授業者たちよりも授業の難しさを知らないのですから、聞いている人たちにしっくりくることは難しいのは当然です。
 これが多くの先生たちの「研修会疲れ」を招いていると思います。残念なことです。何とかならないものでしょうかね〜。

2017-02-23

学校教育がつくった「熟読の呪縛」?

【授業研究】何となく気になって読んだ本に凄いことが書いてありました。本は「遅読家のための読書術〜情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣〜(印南敦著/ダイアモンド社)」。1ページ読むのに5分かかっていた著者が、仕事で書評を書くためにたくさんの本を読まなくてはならなくなり、現在では年間700冊を読むとのこと。その体験から得た読書術を解説しています。その中には以下のようなことが書いてありました。
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「いくら熟読しても実際には忘れていることの方が多い」
「遅読家というのは読書に対する真面目さを捨てきれない人」
「『熟読の呪縛』の発端はおそらく学校教育にある」
「『本を読むという行為は、著者の意図を一字一句正しく理解し、それらを頭の中に写し取ることである』という不文律を植え付けられているのです」
「‥‥熟読の呪縛にとらわれている人は、まるで教師の解説や板書を逐一ノートに書き写す生徒のように本の内容をせっせと頭にコピーしようとしている」
 私の物理授業は15分間で他の物理の先生がふたコマくらいかかる内容を説明しています。その効果は「生徒が全体像をとらえやすい」ということにあると言えそうです。いくら丁寧に説明しても生徒たちは「忘れてしまうことの方が多い」のですから。むしろ、長時間にわたって説明すればするほど「忘れることが多くなる」とも言えるかもしれません。
それでも、全部を説明しないと生徒は理解しないはずだと考えている先生たちは「熟読の呪縛」と似たような不文律を植え付けられているということなのでしょうか?
 世界中の大人たちが持っている性質は「学校教育という共通する体験の中で身に付けたものだ」というピーター・センゲの主張(「学習する組織」)にも共通するものがあります。

2017-02-22

新しい本が出ます!

【授業研究】明日、新しい本が発売されます。「図解 実践! アクティブラーニングができる本 (小林昭文監修、講談社)」です。「図解 アクティブラーニングがよくわかる本(小林昭文監修、講談社)」の続巻です。
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 私は全国を回って各地で次のような声をたくさん聞いてきました。
「本を読んだけどなかなか始めることができません」
「やり始めたけど行き詰まりを感じています」
「しばらくやっていたのですが、やめてしまいました」
 それらの声に答えています。これまでに研修会講師としていただいた質問や懇親会等で伺った悩み事などに答えてきたことを基にしています。更には、この本のために都内で「質問会」も開きました。多くの先生たちにご協力をいただいて出来上がった本です。ご協力いただいたみなさんに改めてお礼申し上げます。
 そして何よりすばらしいのは「かわいいイラスト」です。私の意図を実に見事に絵にしてくれています。きっと、みなさんもその絵を楽しみながら読んでいただけることだと思います。すでにあちこちのオンラインショップで予約できます。ぜひぜひ、お読みください。アマゾンはこちら↓
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2017-02-21

「半分以上が質問でよかった!」

【授業研究】少し前に研修会で伺った高校からリフレクションカードが届きました。その中にうれしいコメントがありました。
「時間の半分以上を質問の時間にあてていただき、多くの先生たちのモヤモヤが解消されたのではないかと思います。今までの研修会の後ではあまりなかったのですが、授業の在り方についての話が職員室のあちこちから聞こえるようになりました。小林先生の研修会が良い起爆剤になったと思います」
 2つのことがうれしいことです。1つは時間がない時は「質疑応答中心が良い」という仮説は正しそうだということです。以前は「時間がないから質疑応答の時間を削って説明中心でも仕方ない」と思っていました。最近は授業改善について多くの人はなんとなくは知っているから、説明は短くして質疑応答を中心にしようと考えています。そのことが裏付けられた気がしてうれしいのです。
 ついでにいうと授業も同じです。時間がない時こそ、短い説明と長いワークやQ&Aが効果的なのです。
 もう1つは「研修会の後で」「職員室で」、「授業が話題の会話が増えた」ということです。つまり、研修会中の先生たちと私の対話が、その後の先生たち同士の「対話的な学び」を促進したということです。私の授業改善の体験から感じているところでは「対話的な学びが主体的な学びを促進」します。これから、みなさんの「主体的な学び」が起きていくのだろうと思います。
 私は常々、「研修会の終わり(リフレクション)」=「実践(アクション)の始まり」であるべきだと思っています。この学校ではそれが起きているようです。うれしいことです。

2017-02-20

「私語がとまらなくなったりしませんか?」

【授業研究】研修会でいただいた質問に対する回答です。
〈質問〉「こういうグループ活動は小中学校で応用はできますか?私語が止まらなくなったりしませんか?」
〈回答〉グループワークを入れると、とたんにみんながリラックスしてワイワイ話し合います。テーマからはみ出した話題になってしまったり、時間が来たので次の指示をしている時もおしゃべりが続いているグループや個人が出てしまったりすることもしばしばです。これをどうコントロールしていくかも大事なことです。問題は、ここで先生がイライラして怒鳴ったり、叱ったりしてしまうと、「安全安心の場」が崩れてしまうことです。
 そこで私は次のようにしていました。
(1)まずワークの内容と時間設定は適切になるように工夫しておく。
  (みんなで協力しなくてはできない、ちょっと急がないと終わらない)
(2)特に時間制限は明確にします。途中で各チームに対して残り時間を案内します。
  (各チームにタイムキーパーを置く、タイマーを表示する、「あと〇分」と声をかけて回る、など)
(3)時間が来たら、「終了です」と宣言し、「じゃ、次の指示をします」と話し始めます。
  (この時、ワイワイ話しているグループや個人がいてもかまわず説明をし、次の行動へ行かせます)
(4)全ての指示に際して基本的には繰り返さない。

 するとどうなるか?次の指示がわからない生徒がいます。チーム全体が他のチームの動きがわからなくなる場合もあります。個人が「先生、次は何をするの?」と聞いてきます。私は「どうすれば良いと思いますか?」「友だちに聞いてみましたか?」などと質問して、チームで協力することを促します。
 チーム全体がわからなくなっている時は「私たちはみんなわかりません。どうすればいいですか?」と言ってくることもあります。私は「そんなときはどうすればいいですか?」「他のチームに聞きましたか?」などと質問で対応します。いずれにしても、友だちや他のチームに質問して、あわてて次の行動に移ります。
 他の人たちや、他のチームが次の行動に移っているのに気が付かない個人やチームが出現する場合もあります。これに対しては「今、何をしていますか?」「今、みんなは何をやっているかわかっていますか?」などと質問します。すると「何をやればよいですか?」と私に質問してきますから、上記で述べたように友だちや他のチームに質問するように促します。
 要するに「小さな失敗」をあえてさせています。しかし、叱りません。「この先生は、どんどん進めていくんだ。よく聞いていないと遅れてしまう」「わからなくなったら友だちや他のチームに聞かなくては」「この先生は、同じ説明を二度とはしないんだ」などと理解してもらうことを狙っています。
 そのために、私は「繰り返しの説明をしない」ことも原則としていました。もうひとつ、誰か、或いはどこかのチームが大幅に遅れることがないように全員を細かく観察し続けていました。「小さな失敗」=「急げば追いつく、回復できる程度の失敗」にするにはきめ細かな観察が大事です。
 この方法は大人相手のワークでも私は多用しています。先生たちもグループワークをやると楽しくなって、次の指示を聞いていない個人やチームは出てきます。そんなときに「聞いていなかったんですか。駄目じゃないですか。生徒と一緒ですね」などと言うのは失礼だと思っています。そして、大人に対するのと同じように生徒・子どもにも対しています。子どもだから雑な対応をすることは「子供だまし」だと思っています。私は誰とでも同じように、対等な関係を維持していきたいと思っています。
 上記の対応は、「一人ぼっちの生徒」「ハンディキャップを持っている生徒」に対しては異なります。遅れたら、すぐに指示をします。振り返りと気づきを促す質問が苦手な生徒もいます。
【私が書いているのは全て私の実践を見たり聞いたりした方からの質問に対する回答です。私の授業実践が「唯一の正解」というわけではありません。私の授業が成功していた背景には、科目特性、生徒・学校の特性、小林の得意(生徒指導、カウンセリング、教育相談等)、などがあります。ただ、一般論だけを論じても伝わりにくいので私が何をしているのか、私が何を考えているのかを具体的に書いています。この通りにやるべきだといいたいのではなく、この実践を「ヒント」にして、みんなさんの実践を変えるきっかけになったり、議論を始めるきっかけになったりすることを期待しています。】