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授業研究AL&AL RSSフィード

現場の人たちでつながりましょう!

 メールアドレスを変えました。→akikb2@hotmail.com へ連絡下さい。 「アクティブラーニング(能動的学習)型授業」を日本に広めることをミッションとして活動しています。2013年3月に埼玉県公立高校教諭を定年退職しました。最後に6年間勤務した埼玉県立越ヶ谷高校で物理の授業を「アクティブラーニング型」に切り替え成果を上げることができました。この成果を基に多くの先生たちが実践できるように活動しています。情報収集や理論研究と共に啓発活動も重視しています。学校、教育委員会、各種団体主催の研修会講師を積極的に務めています。お気軽にお声をかけてください。 尚、AL&ALはActivelearning(能動的な学習)とActionlearnig(質問会議)の意味です。私の授業研究の2つの大きな柱です。ご質問、ご意見などお寄せください。大歓迎です。

産業能率大学経営学部教授(2014年4月〜)

河合塾教育研究開発機構研究員(2013年4月〜)

日本教育大学院大学講師(2013年4月〜)/河合塾コスモ名古屋講師(2013年4月〜)

日本アクションラーニング協会認定シニアコーチ

元埼玉県立越ヶ谷高校教諭(2013年3月定年退職)

小林昭文akikb2@hotmail.com

[キーワード]

アクティブラーニング(能動的学習) アクションラーニング(質問会議) キャリア教育 カウンセリング 選択理論 メンタリング 弁証法 物理  

2017-01-18

「パワーポイントpptを作るときに気を付けていることは?」

【授業研究】研修会でいただいた質問への回答です。
〈質問〉「パワーポイントのデータ(ppt)を作るときに気を付けていることは何ですか?」
〈回答〉
 私は以下のことを気を付けていました。(1)なるべく短時間で作成できるような方法にする。(2)配色やアニメーションはできるだけシンプルにする。(3)説明する部分とそうでない部分を意識して作る。(4)ページ割を意識して作る。(5)生徒の意見を大事にする。
(1)なるべく短時間で作成できるような方法にする。
 1年目に新しく作成するときに気を付けていたのは「練習問題」「解答解説」「確認テスト」などのデータ作成も含めて1時間以内にすることでした。理由は「仕事量を減らして、この授業を継続するため」ためでした。どんなに良い授業を作ったとしても、準備に忙殺されるような授業づくりをすれば、何年間も続けることは不可能だと思っていたからです。そのために具体的には次の原則を設定しました。
  (a)図やグラフは全て教科書から取り出す。
    (インターネットで延々探したり、自分で作成したりしない) 
  (b)順番・小見出しなどは全て教科書に合わせる。
(生徒はこの方が安心する。教科書との対応が理解しやすい)
(2)配色やアニメーションはできるだけシンプルにする。
 アニメーションを生徒が喜ぶのは最初の数回だけでした。「先生、ぐるぐる回したりしなくていいよ」と何回か言われました。「労力をかけて生徒に嫌がられる」より、「労力を減らして生徒が喜ぶ」方が良いと思っていました。また、色についても生徒から「色々な色があると目が疲れる」「どぎつい色はインパクトが強すぎてイヤ」など言われました。背景は白、教科書要約のコメントの吹き出しの背景は薄い水色、注釈をする吹き出しの背景は薄い黄色などのパターンを決めていました。これが時間短縮にも役立ちます。複数の先生たちで分担作成の時にも役立つと思います。
(3)説明する部分とそうでない部分を意識して作る。
 説明を短時間で終わらせ、生徒の主体的な学びを促進するには「読めばわかることは説明しない」ことにしていました。これはppt作成の段階で考えていました。そうしておかないと「練習問題」を選ぶ方針もたたないからです。逆に言えば、こうやってつくると出来上がったときには説明のシナリオもアタマの中には出来上がっています。pptを作った後に説明の仕方を考えるという無駄な時間はなくなりました。
(4)ページ割を意識して作る。
 4スライドをB4用紙1ページに印刷して資料を作成していましたから、スライド数は4の倍数にすることを意識していました。紙の無駄遣いを避けることができます。8の倍数だと両面印刷でぴったりになります。毎回この授業をやっていると1回に1枚の無駄をすると年間で膨大な無駄になります。(1枚×30人×3コマ(1週間の時間数)×30週=2,700枚)。お金や時間に関するこういうコスト意識が大事だと思っています。
(5)生徒の意見を大事にする。
 毎回生徒にリフレクションカードを書かせました。授業終了後、生徒が全員物理室を出て行くまで私は物理室にいました。安全安心を提供するために怒ったり批判したりしないようにしていました。その結果、生徒たちは色々な意見や気づき、要望を率直に伝えてくれるようになりました。それらが授業改善の大きなヒントでした。ppt作成についてもそれらが役に立ちました。お試しください。

2017-01-17

アクティブラーニング研修疲れ??

【授業研究】活動状況の報告と新しく気になり始めたことです。今年は年明けに福島県ふたば未来学園に伺ったのち、先週は群馬県立吉井高校、昨日は山口県立厚狭(あさ)高校に伺いました。
 群馬県立吉井高校には昨年に引き続きの訪問です。心理学的なアプローチに興味を持つ先生たちがいらっしゃったので、金曜日に伺って校内研修会+懇親会のあと泊り、土曜の朝に有志で勉強会をやってきました。数人でじっくり語り合うのは、とても楽しい学習会です。
 そして、昨日は中国地方のあちこちが大雪で交通機関に支障が出ていたにも関わらず、羽田空港→山口宇部空港は何の問題もなく移動して、厚狭高校に伺いました。3時間の研修の後、なんと日帰り。さすがに少々疲れました。
 そんな活動の中で昨年末あたりから、感じているのが、先生たちの「研修会疲れ」です。1年前までは、まだ「アクティブラーニングなんて初めて聞きました」という方がしばしばいらっしゃいました。最近は、そんな声は聴かなくなりましたが、変わって聞こえてくるのが、「何度も研修会を受けたのですが、よくわかりません‥」「また、アクティブラーニングの研修会かあ‥と、ちょっとうんざりです‥」「何回聴いてもよくわからないのですよね〜」という声です。どうやら、文科省の報告書の伝達ばかり、理論的な話ばかり‥で、具体的にどんな授業をやればよいのか少しもわからない‥ということのようです。
 そんな思いを持っている先生たちは私のワークショップ型の研修会を喜んでくれます。「これならできそうな気がした」という感想もたくさんあります。それはうれしいのですが、一方で広がりつつある「アクティブラーニング研修疲れ」が気になり始めました。

2017-01-16

「結果が出るのは3年後?」

【授業研究】研修会でいただいた質問への回答です。
〈質問〉「結果がでるのは3年後といわれますが教員は結果が待てずに方法を変更してしまう。先生はいつよいと気付きましたか?」
〈回答〉
この「結果が出るのは〇年後」という話はよく聞きます。私はそれが不思議です。私は、結果は「すぐに出さなくてはならない」と思っていますし、「すぐに出る」と思っています。
 なぜ「結果はすぐに出さなくてはならないか」と言えば、今教えている生徒のためです。「始めたばかりだから、今年の生徒では成果がでなくても仕方がない」と先生がとらえているとしたら、今目の前にいる生徒たちは単なる実験材料になってしまうのでしょうか?私はそんな無責任なことをやってはいけないと思っています。
 私がこの授業が良いと確信したのは最初の時間です。少し経過を述べる必要があります。私は教員になってからカウンセリング、コーチング、構成的グループ・エンカウンター、非構成的エンカウンターグループ、メンタリング、アクションラーニングなどを学び、協同学習、『学びあい』、学びの共同体などの色々な手法についても調べてきました。また、キャリア教育をテーマとした「総合的な学習の時間」のプログラム開発も続けてきて成果を上げてきていました。更に、物理の授業では伝統的な授業形式ではあったものの、3校の勤務先で大学進学実績を飛躍的に向上させ、物理選択者数を倍増させてきました。
 つまり、授業で成績を上げるためのノウハウと実績はかなりの程度に持っていたといってよいと思っています。その上で、この授業を始めましたから、最初の1時間目から「これはうまく行く」と確信しました。その理由は(1)誰も寝ない、(2)大半の生徒が一生懸命に話し合っている、(3)リフレクションカードの大半は好評だった、の3点でした。もちろん、不具合はありました。それは(1)説明時間が予定より長くなったこと、(2)問題数が不足した感じがしたこと、(3)一部の生徒はほとんど話し合いができなかったこと、などでした。
しかし、これらの不具合は、すぐに次の時間から調整ができることでした。つまり「説明→問題演習→振り返り」の大枠は変えることなく継続しましたが、説明時間を予定通りに収めるための練習、問題の選び方と並べ方の試行錯誤、話し合いができない生徒に対する働きかけ方の創意工夫などは次々に取り組んでいったということです。
 更に何より大きかったのは「リフレクションカード」でした。これによって毎回、生徒たちの気づきを読み取ることができました。それが私にとっては毎回の微調整のヒントでした。前回のリフレクションカードで生徒が不満を持ったことを修正した授業をやれば、生徒たちは「満足した」と書いてくることはしばしば起きました。これらは、ますます私を「この授業はうまく行く」と確信することになってきました。
 要は毎時間の生徒たちの様子を丁寧に観察し、確認テストの内容とリフレクションカードの内容をもとに生徒たちの学びの中身を確認していけば、「今日の授業で何が起きていたか」はすぐに把握できるということです。Plan→Do→Check(See)→Actionのサイクルは半年、1年かけて回すものではなく毎回の授業ごとに回すものです。もっと言えば、授業中に回すものです。このような考え方をリアルタイム・リフレクションというようですが、このように取り組んでいけば、少々の不具合や予定通りに進まないことは授業中にしばしば起きますが、次の時間にはおおむね改善できます。この取り組みを年間30〜150回も同じクラスで行えるのが私たち実践的授業者の強みです。
 こうした取り組みが「毎年成功して」、「毎年向上していく」ことになるのだと思っています。ぜひ、「今、目の前にいる生徒たちを大切に」していただきたいと思います。

2017-01-15

「確認テストがターゲット?」

【授業研究】研修会でいただいた質問への回答です。
〈質問〉「確認テストがターゲットになっているのですか?しっかり押さえておきたいということですか?」
〈回答〉
「確認テストがターゲットになっている」ということはできます。ただ、それは「100点取りさえすればよい」ではありませんでした。「みんなで100点を取る」と「みんな」を入れたことで「対話的な学び」の促進を意図していました。更に、態度目標「しゃべる、質問する、説明する、動く(席を立って立ち歩く)、チームで協力する、チームに貢献する」を入れ、これに沿って「質問で介入する」ことで、演習途中の対話の質を上げるしくみをつくっていました。
 出題内容はまさにその単元で「しっかり押さえておきたいこと」を出題していました。そうすれば、生徒たちの対話は「しっかり押さえておきたいこと」に留まる時間が増えます。その結果、出題した以上のことにまで話し合いが展開することもしばしばでした。
この「留まる」という考え方は、カウンセリング、コーチング、エンカウンターグループなどで、ファシリテーター(カウンセラー、コーチ、リーダー)が質問するのは、その質問にかかわるテーマにグループの話題が「留まる」ことを目的にしているのと同じ考え方です。

2017-01-14

「確認テストはどうやって作っているのですか?」

【授業研究】研修会でいただいた質問への回答です。
〈質問〉「確認テストはどんな方針で、どんな風につくっているのですか?」
〈回答〉
 「確認テスト」作成の方針は以下の3点でした。(1)安全安心の場をつくる。(2)内容理解について振り返りと気づきを促して内容定着の向上を図る。(3)私の作業負担を軽減する。それぞれについて述べます。
 まず「安全安心の場をつくる」ために、練習問題の中から2題を選び同じ問題を出題しました。ほとんどの問題が記述式の問題だったので、同じ問題でも図や説明を書き、計算過程を示し、答えを吟味する過程は物理の内容理解に効果があるという科目特性を活かしていました。ごくまれに穴埋め式の問題を出す場合だけ類似の別問題に差し替えていました。
 この理由は新しい問題だと「解けないかもしれない」と生徒が不安になると予想したからです。更にあちこちで説明しているように採点方法も工夫して安全安心の維持に心掛けました。(採点方法:(a)おおむねあっていたら丸、(b)間違いに気づいたら直してあげて丸、(c)途中までで終わっていたらそこまでが正しければ丸、(d)最後に大きな100点と可愛い花丸を付けて返す)
 「振り返りと気づきを促して内容定着の向上」を図るのも上記の構造からお分かりいただけると思います。仮に「100点、花丸」でも間違えた個所は友だちが直してくれていますから、「どこが間違い」で、「どうすれば良かったか」を理解することができます。×を付けたり、零点を付ける価値は何もないと思っていました。極端な言い方をすれば、×や零点を付けるのは生徒たち同士で傷つけあうのに近く、そういうことを繰り返していたら「安全安心の場」は損なわれ、対等な関係を基にした対話的な学びなど絶対に起きないと感じています。
 最後は私(教員)の負担軽減です。某出版社の問題集データベースソフトを使っていました。その出版社が出している物理の全問題集の問題・解答・解説がデータ化されていて検索できるようになっているソフトです。これを使うと簡単に問題を選びレイアウトできます。確認テストに練習問題と同じ問題を出せばPCの作業は実に簡単です。練習問題から2題削除するだけですから。
 私は授業改善で不可欠な要素は「授業準備の時間と負担を軽くする」ことだと思っています。そのうえで授業の質を上げる授業改善でなければ長続きしません。この視点に立つときにICT機器はとても有効です。準備の負担を軽くすれば対面の授業をやっている時の授業者の集中力・感情制御力が高まります。授業中の授業者のコンティションを最高にしておくことこそ、最も重要な授業準備だと思っています。徹夜で授業準備をする/させるのは良くない文化だと思っています。