熊本県立大学にてレクチャー+天草の旅

報告がすっかり遅くなりましたが、2015年11月6日、熊本県立大学の辻原万規彦先生に呼んでいただきレクチャーをさせていただいた。神戸芸工大出身で有明高専で教えている鎌田誠史さんも聞きに来てくれて感激。先日、辻原先生が学生さんのアンケートを送ってくださったのだが、皆さん熱心に書いてくださり、なかには極めて的確に要点をまとめながら自分の驚きを綴ったものもあって、心から嬉しい。
辻原先生は、奥様の今村仁美さん(→atelier image)とともに、つづく11月7〜8日の両日にわたり天草をご案内くださった。これがまた大変興味深い場所ばかりで目を見張った。素敵な人たちにも出会わせて下さった。辻原さん、今村さん、ありがとうございました。

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三角港世界遺産)。この景観は地形と土木と建物群(ティシュー)が凝縮されてクオリティが高い。

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↑崎津天主堂(世界遺産)。天主堂と集落とが一体になって水面に浮かぶかのよう。

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↑加世浦集落(牛深)。辻原先生はこの集落の(建物の、ではなく集落の)環境工学的調査を行ったのだそう。興味深い。超高密かつ迷宮的なこの集落にもきっと組織構成の原理がある。いつか調査してみたいな。

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↑旧梶原産婦人科病院(本渡古川町、1927竣工)の小屋組。これは面白い。マンサール的な腰折屋根を構成する、一風変わった解釈のトラスと和小屋のハイブリッド。近代建築技術史の無名の一局面というべきか。

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↑御領集落。御領石(凝灰岩)の重厚な石垣が魅力的な景観をつくる。ステレオトミクス!

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鬼池港より島原を望む。天草と島原はたった4〜5キロメートルほどの距離で向き合う。17世紀前半の、あの事件の舞台となる地理的環境。長崎・熊本・鹿児島、というと南北に相当の距離があるように思えるが、西に突き出した島々や半島部は実に近い、もちろん海を介して。