SR-E10000買いました

お恥ずかしい話だが、これまで辞書と言えば学生時代に買ったボロボロのリーダーズ初版か、でなければオンラインの翻訳とかしか使っていなかった。そろそろ電子辞書でも買ってみようかと思い、SIISR-E10000を購入。最初はSR-E8000か、電車の中でも使えそうなポケット・サイズのSR-M7000を買おうかと思っていたのだが、SR-M7000はやはりキーが押しにくそうだし、どうせなら一番いい奴にしちゃえ、と思ってオンライン通販で約40,000円で購入。収録辞書の(紙の)価格を合計すると12,3万円くらいなので、ちょっと嬉しい。紙の辞書と電子辞書の価格を比較しても意味ないが、そもそも紙の「新和英大辞典」なんて持ち歩き不可能だし、たとえ欲しくても買うとは思えないしね。

一週間程度使ってみたところ、なかなか快適。辞書に関しては言うことないし、キータッチも良好、検索も高速かつ柔軟でストレスを感じない。このあたりは掲示板とかでも言われているが、自分では他の電子辞書を使ったことはないので、比較はできない。これも言われていることだけども、欠点と言えば起動時間がやや遅め(約3秒)なのと、液晶画面がやや見辛いくらい。3秒が長いか短いかは微妙なところだけども、実際に使用する状況では、数分おきくらいに辞書を引くことが多いので、オートパワーオフ時間の設定がちょっと微妙。

最近の英語重視系上位機種では定番となっている研究社「リーダーズ」「リーダーズ・プラス」大修館書店「ジーニアス大辞典」に加え、380,000用例の研究社「新編英和活用大辞典」と480,000語の研究社「新和英大辞典(第五版)」とかが収録されている。英英辞書はコリンズ系とオックスフォード系。自分は英文を書くことが結構多いので、「英活」「新和英」まで入っているのは有難い。というかこれまでまともに和英を引かずに英文を書いていたのが恥ずかしい。

ここまであれば辞書的には文句ないだろうと思っていたら、キヤノンから12月に発売されるwordtank G70では上記各辞書に加えて講談社「類語大辞典」も搭載されているらしい。ちょっとだけ悔しいが、まあそんなことを言っていてはきりがないが。キーはSR-E10000の方がはるかに良さげだからいいか。

人生、宇宙、すべての答え

Googleの電卓機能では「人生、宇宙、すべての答え」と入力すると "42" との答えが返ってくる(英語では "answer to life the universe and everything")。電卓機能では主要通貨の換算や物理定数もサポートしているので、「100円 掛ける 人生、宇宙、すべての答え をユーロで」とか「光速 割る 人生、宇宙、すべての答え の平方根 掛ける 重力加速度」とかも計算できる。

ダクラス・アダムス作「銀河ヒッチハイク・ガイド」(安原和見訳、河出文庫版)の226ページで、ディープ・ソートは、「ダングラバッド座ベータ星の五週間の砂嵐で飛ぶ砂の軌道を、ひと粒残らず計算できる」「第七銀河 "光と独創" のGoogleplex Star Thinker」のことを「電卓レベル」と馬鹿にしているが、「人生、宇宙、すべての答え」を一瞬で計算できるGoogle電卓機能は、750万年かかったディープ・ソートよりもはるかに優秀ということか

Soldier/Latroシリーズの第三作

Nick Gevers氏によるUrth mailing listへの投稿によると、ジーン・ウルフは "Soldier of the Mist" (1986), "Soldier of Arete" (1989)に続くSoldier/Latroシリーズの第三作、"Soldier of Sidon" を脱稿、既にエージェントに渡したとのこと。2006年後半頃に出版の予定。また同シリーズ完結篇となる第四作も執筆の予定とのこと。

"Soldier of Sidon" の後には、"Pirate Freedom" という題名の歴史ファンタジーを出版予定で、こちらは最終稿も前の稿まで完成済。

書物としての新約聖書

田川建三著の有名な本。前から読みたいとは思っていたものの、なにぶん高価で分厚い本なので、オンライン通販ではなく現物を見てから、と思っていたところ、会社の近くの本屋にあるのを見かけて衝動買い。

内容は著者いわく「そもそも新約聖書とは何なのか」という問いのうち、外面的な部分に答えるための「新約聖書概論序説」というようなもので、内容は以下の通り。

  • 第1章は新約聖書正典化の問題、つまりどのような文書がどのようにして、どのような意図のもとに「聖書」「正典」とされるにいたったのか。
  • 第2章は言語、つまり新約聖書はどういう言語で書かれているか。
  • 第3章は新約聖書の写本について。
  • 第4章は新約聖書の翻訳について、翻訳の歴史とかどの翻訳を読むべきかとか。

さすが田川建三で、内容的にはきわめて専門的で難しい内容であるにもかかわらず、文章はとても読みやすい。新約聖書ってそもそも何?という疑問を持つ読者にとっては良い「入門書」だと思う。それにしても税込み8,400円は高いが、索引・補遺まで含めると745ページもあるからしかたがない。745ページもある「入門書」もないもんだとは思うが、著者が「入門書」だと言っているんだからしょうがない。最初から読み進めても面白いが、適当なページを開いて拾い読みしても面白い。ただし田川建三を最初に読むのなら「イエスという男」の方がお勧め。

自分は読書は通勤電車の中での読書が中心なので、右手でつり革につかまって左手でこの分厚い本を支えていると、小指がつりそうになってくる。多少高くなっても良いから二分冊の方がありがたかった。そう言えばちょっと前にも小指がつりそうな本を読んだっけと考えたら、クリストフ・ヴォルフの「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ 学識ある音楽家」だった。

比較してみたところ「書物としての新約聖書」は8,400円で745ページ、さらに重さは1,100gで厚さ4.5cmなのに対して、ヴォルフの方は税込み7,875円で929ページ、重さ1,130gで厚さ5.5cmと、こちらの方が重量級だった。田川建三が1ページあたり11.3円、1gあたり7.6円、1cmあたり1,866.7円なのに対し、ヴォルフは1ページあたり8.5円、1gあたり7.0円、1cmあたり1,431.8円。

ちなみにアレステア・レナルズの「啓示空間」は1,470円、1,039ページ、530g、4.2cmといったところ。

ガーディナーのJ.S.バッハ・カンタータ巡礼第10巻など

最近購入したCD。

  • リチェルカール・コンソートの初期カンタータ集「哀悼行事」
    • BWV 18, BWV 106, BWV 150収録。
    • OVPPでの演奏。数えてみたらBWV 106はこれで15枚目だった。

先日新発見されたBWV 1127 "Alles mit Gott und nichts ohn Ihn" はコープマンの第20巻にも収録されるらしい。

銀河ヒッチハイク・ガイド

昨晩やっと「銀河ヒッチハイク・ガイド」を観てきた。実は一週間前に見ようと思って六本木ヒルズの指定券をネットで買ってあったのだが、仕事がどうしても終わらなくて1,800円無駄にしたので、今回は二度目の挑戦。金曜夜8:30の回だったが、客の入りは6割くらい。若い男性が多いのはまあ当たり前だが、自分も含めネクタイを締めた中年男性がそれなりにいた。オールドSFファンか?

50前くらいの男性と、わりと若めの女性のカップルというのが結構いた。ひょっとして中年のSFファンというのはもてるのか? そうなのか? 職場でカミングアウトすべきなのか? ちなみにこのおじさんは終了後にヴォゴン人の人形をデジカメで撮っていました(ちなみに自分は開演前に携帯で撮った)。

そんなことはどうでも良いので「銀河ヒッチハイク・ガイド」だが、ちょっと判断に迷う内容。面白くなくもないんだけども、爆笑するところまで自分をハイに持っていけない、ちょっともどかしい感覚を最後までぬぐいきれなかった。もっと若ければ笑えたのかも。原作の方も、先日河出版を読み直してみたものの、20年前に新潮版を読んだ時に比べると、どうしても素直に楽しめない。ひょっとしてモンティ・パイソンとかも今観ると面白くないのかも。

昔読んですごく面白かったSFとかを数十年ぶりに読んでみると結構がっかりするもので、そういう時は年をとるのがちょっとさみしいと感じたりする。でも中には何回読み返しても面白く思える作品も当然あり、そういった意味でも「新しい太陽の書」というのは自分にとって貴重な作品だ。

映画の話に戻ると、ヴォゴン星とかのオリジナル・エピソードは別として比較的に原作に忠実に作られてはいるものの、小説ならではの(もともとはラジオドラマなわけだが)枝葉末節にこだわったジョークというのは、なかなか映画というフォーマットでは出しにくい。例えば最初にアーサーの家が壊されるシーンでも、小説で(少なくとも自分が)面白いと感じるのは、ミスター・プロッサーの先祖の記憶とか、組合との関係とかいった微妙な細部なわけで、そういったものを2時間弱の映画で描けるわけもない。

もちろん、地球を造る場面とか、最初のイルカの場面とか映像的に表現して面白い場面はあるけども、原作を知らずにこの映画を観た人が楽しめるかというと疑問だし、原作のファンにとっても(まあしょうがないけれども)あまり満足のいく出来栄えでもないように思う。まあ「指輪物語」の映画化というほどのものでもないんだから、そこそこ楽しめれば良い作品だとは言える。ところでマーヴィンは駄目、かわいらしすぎる。もっと人をうんざりさせるようなキャラにしないと。

テオ・アンゲロプロス特集

10/29から11/11まで吉祥寺バウスシアターテオ・アンゲロプロス特集をやるらしい。上演作品は「旅芸人の記録」「狩人」「アレクサンダー大王」「シテール島への船出」「蜂の旅人」「霧の中の風景」「こうのとり、たちずさんで」「ユリシーズの瞳」「永遠と一日」「エレニの旅」の10本で、初期作品の「再現」と「1936年の日々」以外の全ての長編作品が含まれる。

せめて一本でも二本でもスクリーンで観ておきたいけれども、吉祥寺はちょっと遠いな。ちなみにこれまでスクリーンで観たのは「旅芸人の記録」「アレクサンダー大王」「シテール島への船出」「ユリシーズの瞳」「エレニの旅」の5作品、DVDは近日発売の「エレニの旅」以外は全部持ってます(が買っただけで安心して全部は観ていない)。