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2012/10/09(火)

[]『SIエンジニアの自分戦略 -急がば回れ、選ぶなら近道-』に参加してきた #devlove 00:09 『SIエンジニアの自分戦略 -急がば回れ、選ぶなら近道-』に参加してきた #devloveを含むブックマーク 『SIエンジニアの自分戦略 -急がば回れ、選ぶなら近道-』に参加してきた #devloveのブックマークコメント

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講師及びその講師の方が話されるテーマも相俟って、募集後即定員が埋まる盛況振り。自分もタイミングを逸しキャンセル待ちで登録していたのですが、晴れてキャンセル待ち繰り上がりで参加資格を得る事が出来たのでこの日参加して来ました。


会場はマイクロソフト品川本社セミナールーム。今回はいつにもまして参加者も著名な方が多数参加。注目度の高さがここでも伺えます。


papandaさんの今回のイベント開催に至る経緯として以下の様なコメントが最初にあり、間髪入れずに本編へGOです。

  • ブログを読んでいて、書かれている事が仕事に対して危機感を持つ内容だった。
  • こういった内容を書かれる方のお話を聞いてみたい。

業務系SEの今後について 〜消費税増税年金問題が与える影響〜

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  • キャリアの中で共通点として
    • 『今後ふくらむ人件費どうします?』にいつも直面。
    • 『働いている人たちのキャリアパスってどう思っています?』とか考えないと行けない立場の連続。
      • 難しい問題。上に立つと手を動かさなくなる。
    • 会社を立ち上げたのは、その辺りの問題を解決すべく立ち上げた部分もある。

現在の社会状況〜マクロ
  • 年寄りは増える
    • 圧倒的に一人あたりの清算価値が減少する
      • 体力が減れば生産できる価値はどうしても減る 
  • 社会的コストの増大
    • 社会インフラの維持コストの問題
    • 全体のパイの縮小傾向
      • 人口減
      • 売上の減少→よって利益フォーカスの操業
      • コスト削減の圧力

現在の社会状況〜個人(特に20〜30代)
  • 消費税の増額
    • 5%〜8%〜10%... どんどん逝きます。直接税が「減額されないので、実施所得減少
    • 要するに実質所得は(体感的に)減少する

SIの現状をマクロから
  • 産業別人口〜最近話題のIPAの調査結果(IT全般の資料)
  • 日本のIT業界は
    • まず『人が多すぎる』
    • 次に『給料が多い』
    • 人が多すぎて、給料が多い。

よく言われる格言『出来るやつの給料をあげなさい』について

  • プログラマー生産性は低い人と高い人と比べると10倍以上の開きがある、という事が良くある。
    • 割と現実に見る。
  • 本当にそうなのか?
    • 他の業界で言われる事は、実は少ない。あっても3倍程度
    • 普通はそんなに1人辺りの出力がズレたら商売にならない。しかし業界的には散見されている。
        • (氏も)COBOLをやってたが、COBOLでもさすがに10倍は無かった。
    • 同じ労働集約的な産業に於いても、10倍も変わるということが日常茶飯事である、という事は無い。ITだけ。
  • なぜ、10倍の生産性が出るのか?
    • 能力が高いほど生産性が上がる
    • 他方、そもそもばらつきが酷くないか?(というか言葉が無い位、ひどい!)
    • 優秀な人の生産性が高い、というよりも低い人が多すぎるのではないか?
      • 設計とかコードとか普通におかしいだろということがままある
      • 普通に5秒で気付く事に気づかない。
  • 経営者層はどう考えるか?
    • 出来ない奴の給料を上げないついでに、できるやつの給料も適当に据え置く。
    • 現実問題として、人員が多い組織では人件費を上げると言うことは至難の業。
      • 給料でモチベーションが上がる、という訳でもない。むしろ落ちる。
      • 上げるときは一斉に上げるということが必要。
      • ※人が多く、給料が安い→能力のばらつきがヒドイ→まず当面の対策としては人件費の据え置きに走り、それが恒常化する

  • そこで、ITのあり方について
    • SI自体が成り立たないという現実
      • 人力での大規模SIに頼る現実
      • 若年層人口の減少
      • 社会的なコストの増大
      • 一般的に労働集約的産業の行き詰まり
  • かつ、前述の『特に人件費の扱い』を考えると、1人辺りの賃金が上がる要素はゼロに近い。  
    • ※ノーチラスで少数人数でやってるのは、給料を上げやすいから。

SIの現実
  • SI屋
    • 単純な売上増を安易なSIで稼ごうとする経営スタイル
    • 特に上場会社で右肩成長圧力がある所に顕著
  • ユーザ層
    • ITのリソースを外部から調達すれば良いというユーザー層の考え方
    • 特にITは本業ではない、と公言するユーザー様に顕著
    • この【需要と供給】というパーフェクトな図式の中で成立してきたSI事業は当然の背景として、明確な『市場としてのビジョン』は皆無。というか絶無。
    • 需要者と供給者で市場を維持しようというモチベーションが薄い
    • IT業界特有の問題
    • 結果として成立しているだけ
    • 要するに『なくなるときは、簡単に無くなる』ということ。

業務系SEの現実
  • 認識すべき背景
    • SIがマーケットとして非常に厳しい
    • 企業環境として給与は上がり辛い
    • 年金消費税で実質所得は間違いなく下がる
  • なのでどうすべきか?という問題を真剣に考えるべきである。
    • 考えるべきこと
      • マーケットがどう変化するか?
      • 変化するマーケットにどう自分自身をビッドするのか?
      • 賭けるチップ(自分の能力)は手元にあるか?
    • この辺を間違えて、ビッドすると大負けする。例)安易なゲーム会社への転職とか
  • ※いいエンジニアの受け皿を作る、という目的でノーチラスを作った。
  • ※手持ちの札をどう増やすか、という戦略はより必要に。

マーケットがどう変化するのか?
  • まずSIビジネスが縮小していく
    • 縮小とゼロになる、という事は違う。ゼロにはならない。縮小してどうバランスさせるのか、と言う問題
  • 中規模・小規模SIの増加
    • 投資余力の減少から規模の縮小が始まる
  • SI自体の数の減少
変化するマーケットにどうビッドするのか?
  • 少ない人員で回せる仕組みが必要になる
  • ある程度マルチで出来る事が必要になる
    • 能力のある人間が1.5役位をやっていく感じになる
    • 単一能力ではなく、複数の領域でのノウハウが必要
  • 業務系にニッチな仕事はむしろ増える
    • SI屋を抜きに直接発注が来る事も増える
    • 間違って拡大するとすぐに死ぬ

手持ちのチップは十分か?
  • 手持ちの武器は何が必要か?
    • カードは多ければ多いほどよい
    • 最強のカードは、複数の『最強-1』のカードには勝てない
    • 最強のカードになるにはかなりコストはかかるが、最強-1であれば実は真面目にやればいけてしまう。
  • スーパースターになる必要はない

エンジニアとしてのキャリアパス
  • 単一の道で最強を目指す
    • おすすめしない。
    • 日本で最強は無い。
  • 複数の道で最強-1を目指す
    • おすすめ!
    • 90点を100点にするのではなく、30点を90点にする
    • 50点では妥協しないが、100点は目指さない
  • それ以外
    • 別の業界への転職をおすすめします
    • オススメは…(30分程考えてみたが)思い浮かばなかったw
  • 経験知として
    • そもそもITの流れを理解しておくこと
      • 歴史は繰り返している
      • その都度、車輪の作りなおしになっている
        • 特にミドル系
      • 車輪の作り方を知っておく必要はある
        • 実際に作るべきかどうか?という時には必ず再考すること
      • 流行に飲まれるな
        • HTML5. hadoop, 関数
        • 1回退いた上で、自分なりに咀嚼してから、『目的を持って』取り組むこと
  • 何もしないとどうなるか
    • まず実質所得は下がる
      • これは決定的。しかも5年後に確定
    • SIビジネスは縮小する
      • 予算が無いので、スケジュールが短縮され、デスマが増える
    • つまりモチベーションとか、生きがいとか、そういた精神的な充実の以前に、そもそも食べていく事が辛くなる。
  • いままで何が違うのか?
    • 座っていても大丈夫、という時代が本当になくなりつつある
    • SNS等のつながりで情報の流れが速い
      • 選択しの幅が広がる、また逆に競争激化。
    • 企業の壁が薄くなる
      • 個人を守ってくれない
      • 自力救済
    • 『勉強するモチベーション』と『自分の能力をどう評価するのか』という事が、非常に重要になる

...つまり夢も希望もない。自分で作らないといけない。


何をカードにしておくか
  • 設計
    • 普通の設計が出来るようにしておく
    • 例外処理を拾える事(でもやり過ぎると死ぬ)
    • 設計時点でパフォーマンスボトルネックを想定する
      • 『適度に行う』という適度感を身につける
  • アーキテクチャ
    • 全ての基本はI/O
    • 障害設計から考える:トラブル中心で考える
      • 『何が何をするのか』が分かるようにしておく:過度に複雑になってはいけない。フレームワークの役割の理解
  • アプリ
    • 基本はプロジェクト・マネージメント
      • 普通にWFが出来る事
      • WBS,課題管理...
    • 要素技術の共通点を抑える
    • 書き過ぎない事
      • 作らない技術を持つこと。リファクタリングなんてする暇ないだろう?
      • 少ない人数でどうするのか?
      • 手をどう放すか、ということも常に意識すること
  • 運用(継続開発)
    • 設計が命
      • 運用設計は絶対一度は経験すること。今まで見えなかったものが見える
    • 継続的なインテグレーションのマスター
      • システムは使われてなんぼ
      • 生きているシステムは変更される〜どんどん変わる
      • 割と常識になっているのでマスター
    • コスト意識を持つこと

  

  • 基礎技術
    • 『計算』についての基本知識
      • 計算量、確率統計(高校生〜大学学部程度で充分)、計算とは何か
    • 『品質』についての基本知識
      • 品質は作りこむもの。手法は様々だが、完璧なものはない
      • 予見可能性が高い=品質が高い(氏の見解)
    • 論文が読める様になっておくこと』  
      • 我々は巨人の肩に乗るべき
      • TX、分散、並列…
  • 業務系ノウハウ
    • 1.考える
      • なぜ、こういう仕組みになっているのか?
      • 書籍を読む・基礎知識を読む
    • 2.聞く
      • なぜなのか?聞いて聞いて聞きまくる(自分の考えをぶつけた上で)
      • 嫌がられるけど、めげない
    • 3.応用する
      • 大事なのは個々の仕様ではない
      • 考え方を学ぶこと
      • 考え方を常識にとらわれずに転用すること
        • 転用する事で、オリジナルへの理解が深まる

@okachimachiorzさんの核心を突く熱い語りは初っ端から熱を帯び、至る箇所で警鐘を鳴らし続けておりました。私を含めて参加者の皆さんからも、時折放たれる(斬りつけられる?)言葉の数々に笑いが起きたりもしましたがその笑いは心からの笑いでは無かったように思えます...(^_^;)


しばし休憩の後、参加者間でここまでの講演を踏まえ、自己紹介がてら各自の思い、疑問等をディスカッション。私達の場では『90%はどこまで行けば90%とみなせるのか』『90%の軸を複数作る事についての雑感』等についてトークが広がってました。100%でなくても、90%を作ると言いつつもそれはそれで決して容易い道のりでは無いですよね…でもやらなきゃ生き残っていけない。@papandaさんも今回の企画発足に当たり@okachimachiorzさんと打ち合わせをした際にも『早く帰ってやることやらなければ』と思ったそうです。確かに皆そう思ったはず。


Q&A

最後には@okachimachiorzさんへの質疑応答タイム。

  • [Q].SIが淘汰されていく事=ユーザ企業の視点からすると、依頼するところがどんどん減っていくイメージ。小さい規模の会社として、ユーザ企業からの仕事を受け入れていけるように、少数精鋭が受けれられない規模の案件を受け入れていけるように、何か対策はあるか。
    • [A].ーザ企業自体、その辺りの考え方を考えなおして行く必要がある。
      • そもそも大規模の開発をユーザ企業が発注するのか、というのも。
      • どういう形態であれば受け入れられるのか、というスタンスを明確にする必要がある(対ユーザ企業)。無理なら『じゃあ好きにすれば?』というスタンス。
      • 受け入れられる範囲を示す。そこに対して譲歩してくれるところとやる。 
  • [Q].大企業から出た人です。(出た後に改めて)エンジニアとして出来る事はあったのかな、と思うところはある。大企業に居てもキャリアを積める部分はあると思う。配属によってはアレだが。そんな時に要らないと言われたら本当死ぬしかない。今大企業に居るひとはどうやって頑張っていけばいいんでしょう?
    • [A].良い上司、仲間と合わせて提案する。喧嘩別れは簡単。
      • 中で経験出来るというのであれば、経営者と話をする。提案する。
      • いざとなったら全員で辞める位の覚悟で!

  • [Q].私自身SIに居た経験は無いのですが、マクロで見れば日本でSIベンダやるのはきつい、という印象。2割生き残り、8割死ぬ。多くの人は8割に。そうすると8割の会社にいる人はどうすべきか。一つの作戦はエンドユーザに行ってITを軸としたイノベーションを起こす。と思うのだがどうか。
    • [A].ユーザ企業からするとそういう人のモチベーションを保つのは難しい。
      • ユーザ企業からするとIT部門はまっさきに切られてしまう。それでも保てるか?
      • それでも行けるならそういうのもありだと思う。
      • エンドユーザ系IT部門に行くという手はあるかもしれないが、『まずは経験積んでこい』と言われる。
      • 入ってからじゃないと分からない事もある。中の人とコンタクトした上で行く位じゃないと厳しい。
      • ヤル気がある取締役が居る、それをオーナーなりトップが見ているというのが前提。
      • 表向き、エージェント経由ではない情報収集を。

  • [Q].国別雇用形態の図の話。アメリカは実は『解雇が簡単』という裏事情。日本もユーザ企業からすると開発フェーズ毎に変わる人材のバッファリングをSI屋に委託している。今後ユーザ企業はその辺どうやって対応していくのか。
    • [A].USは流動性が非常に高い。日本でそれが無い前提でどうしていくのか...別の業務をさせる。店行け、現場出ろ。
      • ITで優秀な人は企画系であれば力を発揮できると思う。
      • プロジェクトマネージメントをどんなプロジェクトでも例外的にやっているのはIT業界の非常にいいところ(製造業はこの辺やってる)。
      • 店舗を作るというので当てはめるだけでも良いのに…
  • [Q].ユーザ企業、基本的にはお金がない。大手SI・企業に頼んでもSI屋が非常にシュリンクしてきたときにユーザ企業は困る。そういう時にどういう(代替)手段を用意していくのか?その状況を考えてシステム開発をしてほしいな、と。新規開発は減っているのでは、という印象。
    • [A].取引先が潰れる、という状況に直面:コアの人間を引き抜きに掛かる。これからそういう話も増えていくのかなと。
      • 本当はそうなる前に手を打たないと行けないんだけど。
      • SI屋は辛いけど、エンドユーザも辛い。
      • システムで倒産するというケースも有り得る。
  • [Q].レベルの低い人が多い:入ってくる人材の質が多すぎる。そこに対する策は?
    • [A].まずは低い人を採らない。テストをする。だいたい書けない。
      • 論理的に物が書けて…という人を取る。教育に放り込む。それ以外手はない。
      • それで居ないのなら、採る必要はない。採るな!

 

  • [Q].ユーザさん自体お金がありません。でもシステム構築はしたい。お金がないからこれだけにして…結果的にダンピングされてしまう。プロジェクトも赤字に。『お金がないけどやってほしい』に対する解があれば。
    • [A].直接的に言えば、『やらない』。やっているのがSIの問題点。赤字を責任取れるのならやってもいいけど…
      • お客さんとの付き合いでやらざるを得ない場合、投資として考える。
      • 赤字でも受け続けているというのが問題点。経営層が考えるべき問題。そこを考える為に経営層は給料もらってんでしょ?

質疑応答も核心を抉られるフレーズてんこ盛り。


今回のこの話を聞くまでも無く、SI業界またはIT業界全体が『どうやれば生き延びて行けるのか』と言った答えの出づらい疑問を持ち続けているでしょうし、参加者の皆さんも同じような思いで居たと思われます。自分自身も『この先どうやってこの世界で生き延びて行くか』という視点から何か得るモノがあれば、という思いで今回参加した訳なんですけども、やらなければ行けない事を見つけたという点以上に、『今以上にやれるべき事をやっておかないと本当にヤバい』という状況をこれでもかと見せつけられて、途方に暮れてしまった部分があったのは確かです。


しかし逆に考えると、今回参加してお話を聞けたことでより危機感と言うか物事に取り組む姿勢を強化する事が出来、兜の緒を締め直す事が出来たのは良かったのかなとも思います。世の中的にはこういった状況に不安や危機感を抱いたり、ましてや率先して日々研鑽を重ねたりという人すら割合としては少ないのですから。


どれだけ生き延びる為に藻掻けるかは正直分かりませんが、少しでもその確率を高められるように明日からまた頑張って行こうと思ったのでありました…。

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楽天よしおかさんのつぶやきが今回のイベント総括を端的につぶやきで表現して頂けていたのでそちらを引用して今回のレポートは締めたいと思います。@okachimachiorzさん、並びにスタッフの皆様、ありがとうございました!


DevLOVEからのお知らせ

会の最後には@papandaさんから『100回目のDevLOVE』に関するお知らせが。2021/12/15(土)〜2012/12/16(日)、超豪華登壇者による計2日間のイベントになる模様です。詳細は以下ページを御参照下さい。受け付け開始は2012/11/01からだそうです。