トムソーヤ 高橋しん

トムソーヤ (ジェッツコミックス)

トムソーヤ (ジェッツコミックス)

子供のころを思い出す瑞々しい作品。

トムソーヤ (ジェッツコミックス) [ 高橋しん ]
高橋しんはすげぇ。僕は実はトムソーヤを読んだことはないんですが、本作はむちゃくちゃ楽しめましたね。こんだけぶあつい本で760円とは、非常にお買い得です。またもやアマゾンに書影がないので、楽天もはろう(右絵)。

高橋しんは、綺麗なシーン、一生懸命なシーン、ギャグこの三つの描き方がうまくて、笑ったり泣いたり不安になったり、そしてまた心強くなって笑ったりと、主人公たちと一緒に一喜一憂してしまいました。

本作は、母の危篤を聞いて田舎に帰ってきた”魔女”と少年の物語です。ここで起こった事件の謎を心の隅に残しながら、少年や少女や魔女が村を狭しと大騒ぎします。僕は昔は男の子だったんで、こういう冒険ものに憧れる気持ちがよくわかります。近くの公園に道からは見えないくらい木の生い茂った場所があったんですが、なんかそこを秘密基地にしてました。鬼ごっこやらかくれんぼやら、水風船のぶつけ合いやらをする時に、そこを拠点にするんですね。まぁ秘密基地っていっても子供はみんな知っていましたが。

原作を知らないので分かりませんが、漫画化にあたって難しいシーンもあったかと思います。たとえば声だけ聞こえてくるシーンとかです。そういうシーンをうまく処理していて感心しましたね。ほんとうまいですよ。

クライマックスでの少年の心情の吐露もものすごく印象的で、心に残る作品でした。さすが高橋しん。新しい、おもしろい作品を次々と生み出し続けてますね。