血の妖石は宿命の道標―Replay:ゲヘナ~アナスタシス 友野詳, グループSNE

おもしろいのに、あんまり読まれてない?もったいないリプレイです(笑)

このリプレイの感想が少ないので、自分で書くことにしました(笑)。あんまり読まれてないのでしょうか…まぁ気持ちは分かります。だってこの本、ゲヘナ・アナスタシスの上級ルールを使っているのですが、上級ルール獄王顕現が品薄で手に入らないんですよね。この本を読んで上級ルールが欲しくなっても買えないんですよ。

まぁ、感想が少ない理由は読まれてないだけではないと思いますけどね。実はSNEのリプレイの感想をブログに書いてくれる人が少ないんです。ソードワールドならけっこう見つかるのですがそれ以外となるとなかなか…。

ノリが良い

とはいえ、このリプレイはなかなかおもしろかったですよ。僕はもともとガープス妖魔夜行とか、友野詳の書くリプレイは好きでした。文章がうまくて読みやすいですよね。
また本リプレイはプレイヤーのノリがよくて、すぐ寸劇が始まって話が逸れてしまうほどです(笑)。楽しい雰囲気がよく伝わってきます。

PCが激強

ゲーム的なところを紹介すると、PCの総ランク(レベルみたいなもん)は45からはじまります。僕が遊んだことがあるのは、せいぜい総ランク10です。10でもいろいろできてけっこう強いんですが…。45となると雲の上のレベルですね〜。黒沙術でダメージ80点とかいく世界ですよ…信じられません(低レベル帯ではHPが30くらい)。恐ろしい…。それにしても、PC達が強いですね。通常ものすごく危険で覚悟して臨むはずの獄を歩くのにも、全然緊張感がないぐらいです。低レベル帯とは世界が違いますね。

遊び方の工夫

高レベル帯ではやれることがものすごく増えてくるのですが、本リプレイでは少々工夫がしてあります。ゲヘナは妖霊使いがけっこう大変です。支援系で、味方のできることをよく把握する必要があるし、育て方によっては妖霊自体に戦わせることもできます。そしてさらに自分も魔術系のスキルをとるのが普通でしょうから一人やることが多いんですね。今回は妖霊使いと妖霊のプレイヤーを分けて処理を分担しています。妖霊使いのプレイヤーがそんなにゲヘナに慣れていないことも理由として挙っていましたが、なかなか適切な処理だと思いました。

マスタリング

ゲヘナを遊ぶ際、マーリク(冒険者ギルドみたいなもの。複数ある)間の争いなど、”大人の事情”をうまく表現するのを個人的には難しく感じていますが、さすがシステムの監修者です。そのあたりもうまくシナリオに組み込んでいます。また、高レベルの享受者(冒険者)に適した世界の危機に直結したようなシナリオは、通常GMの負担も大きいものですが、それを感じさせない滑らかなシナリオでした。プレイヤーの提案も良くひろっていて素晴らしいですね。それになんでしょうね。なんかノリが好きです。この関西っぽいSNEのノリ…妙に懐かしさがあります。

世界観

ちょっとリプレイの感想から離れるんですが、ゲヘナの世界観をとっつきにくいと思っている方へ。このまえ萌え萌え天使事典を見ていて思ったのですが、イスラム教はキリスト教の兄弟宗教だけあって、構造が良く似ています。アラビア的な雰囲気にまどわされず、キリスト教的な世界だと思うととっときやすいと思いますよ。一神教で、イブリスはサタン。邪霊は悪魔と思いましょう。悪魔の目的は人間を滅ぼすことではなく、人間を堕落させ、地上の支配者にふさわしくないと神に認めさせることなのです。獄もキリスト教的に考えて問題ないんじゃないでしょうかね。

イラスト

イラストは萌え…からはちと離れて独特ですが、このリプレイの雰囲気に良く合っているように思いましたね。挿絵から楽しげな雰囲気が伝わってきます。

まとめ

なんだか感想を書いたブログが少ないので、そんなに期待せずに読んだのですが、非常におもしろいりプレイで驚かされました。まぁ僕はまだ低レベル帯のゲヘナに飽きてないですし、上級ルールで遊ぶ機会は今のところありませんが、友野詳のリプレイのファンとして次作にも期待しています。