システム選択の障害

鏡さんの自由な遊び方論に対して、システム選択の自由さえあれば、鏡さんからみて不自由に見えるものも合意の上で理性的な選択の結果であるという反論をしてみた*1。でもシステム選択って、そんなに次々いろいろ試すわけにはいかないよなぁってのが今日の話。

例えばローズトゥロードがやりたいとか深淵がやりたいとか思っても、GMがみつけられない。自分でやってもいいけど、PLもしたことないシステムでいきなりGMって参入コストが高い。ルルブを読むのもけっこう大変だし。あと参加者にも一応ルルブを買ってもらおうかと思うと経済的に出費を迫ることになるから言いにくい。

その点F.E.A.R.のSRSで作られたものなんて参入コストが安いですね。ルールに共通部分が多いので新しいのが出ても覚えることが少ないし、文庫で出れば金銭的にも安くすむ。SRSは戦略的にはここがすごいところだ。喩え話としては、インターネットのブラウザって企業が違ってもどれも似たようなインターフェイスにしてる。よく考えられた全く別のデザインにしても全然使ってもらえないからだろう。デザインのいい悪いじゃなくて、似てるか似てないかが大きな要素になってる。実はゲヘナにしろSW2にしろアリアンロッドに似せてる*2のは、似せないと逆にF.E.A.R.のシステムで遊んでいる層を取り込めないってこともあるのかも。

脇道に逸れた話を元に戻すと、単に好奇心でちょっとやってみたい程度の意欲で古いシステムをやるのは難しくなってる*3。古いシステムで遊ぶ自由はあるけど、鏡さんのいうように草野球みたいに気軽に遊びたい時に*4ルルブが高くて、世界観を理解する大変っていうのはなんだか本末転倒ですね。

正直気軽にやりたいなら、”まじしゃんず・あかでみい”とかAの魔法陣とか選んじゃうなぁ。CLAMP学園が手に入るならそれもいいかも。

システム選択にはルルブの値段、手に入りやすさ、知っているものに似ているかって要素などが必ず入ってきてしまって、必ずしも遊びかただけで選択できない。これが問題なのかどうなのか微妙なところだけど、システム選択の自由さえあれば…って議論するときはこのあたりのことも考慮にいれないとなぁと思う。

*1:ストーリーに関する合意と自由は関係ない - ブレーキをかけながらアクセルを踏み込む

*2:メジャーアクションとかマイナーアクション的な意味で

*3:さっき挙げたなかで深淵は新しいけどw

*4:RPGへの接し方、野球風 - 卓上RPGを考える