TRPGシステムごとの典型的なシナリオ作成パターン

最近は現実逃避にマギカロギアのシナリオについて考えています。

この記事では、その目的の前段階として、今までのTRPGのシナリオはどういう風に作られていたかを整理してみることにします。具体的なTRPGのシステムの名前がいくつか登場しますが、その特性の認識は今までの僕の経験に大きく依存したものになっているので人によっては違和感を感じるかもしれません。あと、あんまり最近のものはフォローしてないですね。そのあたりはあんまり細かいことに拘らず、大意を汲み取っていただければ幸いです。

ミッション型

D&Dとかソード・ワールドとかアリアンロッドとかシャドウランとか、そういったシステムのシナリオを考えるときってPCに何をさせるのか、そうしたミッションから考えて行く事が多いのではないでしょうか。そういったシナリオの作り方は下のリンク先などによくまとまっています。下のリンクへの補足としては、上記のシステムでも戦闘の比重が高い場合には、どこかに戦闘が入るように気をつけたほうが良いということを挙げておきます。

普通はルルブにいろんな障害の例が載っていますので、それを参考にそのままつかったりちょっとアレンジすれば良いです。障害以外の要素としてPC達がやる気になるような導入も重要になりますが、こういうシナリオを作るのときにはアイデアそのものに悩むことはあっても、作り方に悩むことはあんまりないんじゃないでしょうか。

だいたい形になったシナリオをどう記述するのかという問題はソードワールドリプレイxS 猫の手冒険隊シリーズ 清松みゆき, グループSNE - ブレーキをかけながらアクセルを踏み込むなんかが参考になりそうです。

ストーリー展開型

ダブルクロスとか天羅万象とか、そういったシステムのシナリオの作り方です。これに関しては昔考えたことがあって、F.E.A.R.の良さ - ブレーキをかけながらアクセルを踏み込むに書きましたが、もう少しわかりやすく書きなおしてみたいと思います。
こういったシステムでは、最終的にはボスとの戦いが待っていて、そこに至るまでの人間関係の変遷過程とボスを倒した時の達成感を楽しむものだと理解しています。最初から立場が決まっているよりも、変化したほうがドラマティックです。

このときキャラクターの相関図とそれがどう変化していくのかを幾つかのパターンで理解して、それに具体的な肉付けをしていくと良いのではないかと僕は考えました。以下に例を挙げます。イメージがわかりやすいように名前をつけました。ただ、名前に引きづられ過ぎて、応用を忘れると、ありがちなシナリオになってしまうかもしれないので注意です。重要なのはPCとNPCと対立関係、協調関係のパターン付けですので、イメージを掴んだあとは名前は忘れて相互関係を抽象化して理解すると良いと思います。

勇者と魔王パターン

勇者がPC、ボスが魔王と思っていただいて勇者と魔王が戦うというシンプルなパターンです。最初から敵対関係ですとドラマが生まれませんので、どうして敵対関係になるのかをセッション中に描けば良いのではないかとおもいます。二者しか登場しない分シンプルですが、戦う理由が私怨になる分、正義っぽさに欠け、使い勝手としては下の勇者、ドラゴン、姫パターンの方が良いようです。
また、もともと協調だった関係が対立に変わる”親しい友人の変転”パターンは比較的よく見られるかもしれません。

勇者 <=対立=> 魔王
勇者、ドラゴン、姫パターン

勇者がPC、ドラゴンがボス、姫はNPCもしくはPCが担当します。勇者と姫が仲良くするシーンと姫とドラゴンが敵対するシーンがあれば、自然と勇者とドラゴンが敵対することになりますので、非常に使いやすいパターンです。まずはこのパターンでシナリオを作ってから他のパターンを試してみれば良いのではないでしょうか。

勇者 <=協調=> 姫   
姫  <=対立=> ドラゴン
勇者 <=対立=> ドラゴン
天使と悪魔の誘惑パターン

対立する2つの陣営が存在して、PCがどちらの陣営につくのか決めるというパターンです。片方と決定的に仲良くなった時点でもう片方との敵対が決定し仲良くなったほうの陣営が姫、もう片方の陣営がボスの勇者、ドラゴン、姫パターンに変化します。ただし、このパターンは最初は仲良くしていた陣営と敵対することになり、後味が悪い可能性もあります。それを避けるために敵対した陣営のなかで、こちらと仲良くしていた人物が失脚し、戦いの過程でその人物を助けるとしても良いかもしれません。または仲違いの原因を取り除く方向に進むというのも面白いかもしれません。その場合、後述の異星人が来たら地球内で争っている場合じゃないパターンに近くなりそうです。

天使  <=対立=> 悪魔
主人公 <=協調=> 天使
主人公 <=協調=> 悪魔
マッドサイエンティストに作られた娘パターン

ボスであるマッド・サイエンティストとPCは対立関係にあり、マッド・サイエンティストに作られた娘はPCと仲良くしたいと思っているというパターンです。その娘が最終的にはPC側につくのかボス側につくのかが争点となります。

主人公 <=対立=> マッドサイエンティスト
主人公 <=協調=> 人工娘
人工娘 <=協調=> マッドサイエンティスト
探そうぜ!ドラゴンボールパターン

幾つかの勢力がお宝を求めて競合するパターンです。競合しているだけで相手に強い恨みがあるわけではないので、場合によっては協調したりすると熱い展開になるような気がします。また命までは取らない展開が多いでしょうから、何度も戦ううちにリベンジしたりするのも良いですね。次に出てくるバトルロイヤル型と似ていますが、PCは全員同じ陣営にいることを想定しています。お宝を集め終えたら何かボスが出てくるか、もしくは他のグループが決定的に対立してしまいボスになるというのが典型的な展開でしょう。

主人公のグループ <=競合=> 他のグループ
異星人が来たら地球内で争っている場合じゃないパターン

競合関係にある陣営がより強力な陣営と戦うために協調するパターンです。この場合はPCが最初は仲の悪い2つの陣営に分かれていても、最終的には協調してボスに挑むことになります。

陣営A <=競合=> 陣営B
陣営A <=対立=> 異星人
陣営B <=対立=> 異星人

バトルロイヤル型

シノビガミでよく見られる型です。上で書いた探そうぜ!ドラゴンボールパターンなのですが、PC同士で競合するという違いがあります。僕はこの型のシナリオを作ったことがないのですが、下に紹介する記事が参考になりそうです。

シノビガミはPC単体でそれなりに戦闘ができるので、PCが違う陣営に属して何かをめぐって競ったり、実際に対立したりできるようです。

結び

僕は数年前はこうした記事を熱心に書いていたのですが、それはその時の興味で書いていたので、一般論としてまとまりにかけるところがあります。そうした記事を掘り起こしてわかりやすく書きなおしておくと、僕自身にとっても役に立つかなと書いてみました。皆さんのお役にも立てば良いのですが。