竹宮ゆゆこの魅力、とらドラの褒め方

紅茶さんのところで話題になった話です。

竹宮ゆゆことらドララノベには珍しく、あんまりファンタジー要素がないんですよね。それでそこが褒められることが多いと思うんですが、その褒め方は合理的で現状に則したものでしょうか?

リアルVSファンタジーの軸でリアルなものが好きな人もいれば、ファンタジーが好きな人もいるとか好みの問題でしょうか?

僕はファンタジー要素がない世界のほうが、登場人物の失敗に共感できるんじゃないか説を唱えました。でも、これって裏を返せばファンタジーでは共感しにくいということを言っていて、必ずしもそうじゃない気もしますねぇ。

逆にファンタジー要素は現実で慣れ親しみのない要素なので好奇心を刺激する説も唱えてみましたが、それだと加点方式ではファンタジーは好奇心を刺激して良いが、リアル作品は好奇心を刺激しないので悪いということになってしまう。

ぶっちーさんから、ジャンルよりキャラ造形に着目したほうが良いかもという説が出てきました。共感できるのも好奇心を誘われるのもキャラ造形次第であり、ファンタジーはファンタジーでリアルはリアルの縛りの中でキャラ造形がなされるというものです。つまり、リアルとかファンタジーとかは、探偵物だとか、戦隊ヒーローものだとかのジャンルに近いものであって、加点ポイントや減点ポイントではないということですね。なかなか納得できる説な気がします。

あとTRPG者として、僕がちょっと思ったのは、解決手段が力技か否か?ってのもポイントだと思いました。ドラゴンボールみたいに最終的には強ければなんとかなるような世界と、個人の強さや能力が問題解決に直結しない世界とがあって、前者はわかりやすいけど深みがない、後者は深みがあるけど、小難しいって特徴があるのかも。

そんなことをつらつら考えてました。

まとめると、「とらドラってファンタジー要素がないから良いよね」って褒め方は問題があって、ファンタジー要素がないっていうのは、SFとか探偵物とか恋愛物とかそういうジャンルしか表してないと思ったほうが良さそうということ。「とらドラってファンタジー要素がない設定だから○○だよね。〇〇だから良いよね」のように一旦形容詞を挟まないといけないだろうけど、その形容詞がなんなのかははっきりとわからなかったという現状だと思います。