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2017-06-02 異世界系のノベル

[]転生したらスライムだった件 伏瀬, みっつばー

有名な作品ですね。そろそろまとめを考える時期でしょうか?

[]ありふれた職業で世界最強 白米良 たかやKi

可愛い女の子と強くなっていく主人公というのは王道ですね。

[]エリィ・ゴールデンと悪戯な転換 ブスでデブでもイケメンエリート 四葉夕卜, ミユキルリア

なんか、ブス・デブはダメ、イケメンとエリートは良いという価値観が前面に出ていて驚きました。それはそれで常識的ではあるんですが、オタク的ではないわけじゃないですか。やや違和感を覚えましたが、面白いとも言えます。今後も見守りたいですね。

[]世直し暗黒神の奔走―人間好きすぎて人間に転生した― 岡沢六十四

世直し暗黒神の奔走―人間好きすぎて人間に転生した― (HJ NOVELS)世直し暗黒神の奔走2―人間好きすぎて人間に転生した― (HJ NOVELS)

人間好きの暗黒神の性格が良いです。圧倒的な力でもって鎮圧って感じだけでもなく、言ってることが誠に正しいってのがこの小説の良いところかと。

[]治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ くろかた, KeG

治癒魔法で体を鍛えて強くなるというアイデアです。なんか気功ってぽいかなって思いました。

[]セーブ&ロードのできる宿屋さん カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです 稲荷竜, 加藤いつわ

1,2巻は紹介で3巻から本編がスタートしているような感じです。1、2巻で飽きた人も3巻を読んでみると良いかと。

[]アリの巣ダンジョンへようこそ テラン, いちやん

アリの巣ダンジョンへようこそ(1) (モンスター文庫)アリの巣ダンジョンへようこそ! : 2 (モンスター文庫)

アリのモンスターでダンジョン経営する話です。表紙でアリが前面にでてないのが不憫……と思ったらちゃんといた!

[]ライブダンジョン! dy冷凍

ライブダンジョン! 支援回復のススメ (カドカワBOOKS)ライブダンジョン! 2 神竜人のギルド長 (カドカワBOOKS)

支援魔法等を良いタイミングでかけて連携するのが大事という話。ややログ・ホライゾンを思わせるか。

[]ガチャを回して仲間を増やす 最強の美少女軍団を作り上げろ ちんくるり, イセ川ヤスタカ

ガチャを回して仲間を増やす 最強の美少女軍団を作り上げろ 1 (GCノベルズ)ガチャを回して仲間を増やす 最強の美少女軍団を作り上げろ 2 (GCノベルズ)

ガチャの悲喜こもごもが表現されています。ガチャをしたことがある人なら楽しめるかと。

[]はぐれ魔導教士の無限英雄方程式 たった二人の門下生 原雷火

はぐれ魔導教士の無限英雄方程式 たった二人の門下生 (ファミ通文庫)

主人公は最強なんですが、それでなんでもなんとかするというよりは、弟子を育てるってのが良い感じかと。

[]ドラゴンは寂しいと死んじゃいます 藤原ゴンザレス, エナミカツミ

ドラゴンは寂しいと死んじゃいます ~レベッカたんのにいたんは人類最強の傭兵~ 1 (アース・スターノベル)ドラゴンは寂しいと死んじゃいます ~レベッカたんのにいたんは人類最強の傭兵~ 2 (アース・スターノベル)

なかなかアホなノリで良いかと思います。

[]失格紋の最強賢者 進行諸島

失格紋の最強賢者 ?世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました? (GAノベル)

設定の筋は通ってると思います。話の筋はよくある感じですが、設定は面白いかも。

[]チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。森田季節

森田季節って普通にデビューしているラノベ作家なのに、なろうで書いてるんだって驚きました。

[]スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 森田季節

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました (GAノベル)スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました2 (GAノベル)

こちらも森田季節の作品。面白いと思います。

[]転生吸血鬼さんはお昼寝がしたいちょきんぎょ

読んでいてひっかかりを覚えなくもないのですが、まぁそれなりに楽しい作品ではあるかと。

[]即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。藤孝剛志 成瀬ちさと

即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。 1 (アース・スターノベル)即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。2 (アース・スターノベル)

アレなタイトルですが、意外と面白かった作品です。主人公は裏の魔王的なポジションだと思えばよいかと。

[]ギルドチートな受付嬢 夏にコタツ

ギルドのチートな受付嬢(1) (モンスター文庫)ギルドのチートな受付嬢(2) (モンスター文庫)ギルドのチートな受付嬢 : 3 (モンスター文庫)
ギルドのチートな受付嬢(4) (モンスター文庫)ギルドのチートな受付嬢(5) (モンスター文庫)

チートな受付嬢さんがなるべく裏方に留まろうとするのが面白いです。

[]異世界薬局 高山理図

実際のお医者さんが書いているとのこと。面白いです。

2017-03-28

[]古市くん、社会学を学び直しなさい!!  古市憲寿

最近、掲示板である理論が本当に予言性を持つのか、単に解釈なのかが話題にあがりました。

物理学で理論が成功するのは、大まかに以下のような理由によると思います。

  1. 現象が人為に左右されない
  2. 定量的な観測が容易
  3. 還元主義的な考え方でうまくいくことが多い。つまり、簡単化された理想的な状況で考えた理論をその組み合わせとして複雑なシステムに適応してもあまり外れない。

で、一方人間の社会は以下のような特性があるので、人間の考えた理論が予言性を持つのは一般に難しそうです。

  1. 現象が人為に左右され
  2. 定量的な観測は容易でなく
  3. ミクロ的な理論とマクロ的な現象につなげないことが多い。

1、2は比較的明らかですが、3は非自明ですね。これはどういうことかと言えば、相互作用の仕方が物質より複雑だということかもしれません。二人だと好きと嫌いしかなくて、近づくか離れるかだけだけど、三人になると三角関係が生じるとか……。まぁ実は物理でも一般に三体間力があると理論予測は難しくなる事情は同じなんですが。

最近、「古市くん、社会学を学び直しなさい」という本を読みまして、そこではいろんな社会学者がこうした理論の限界について語っていて面白かったです。

特に、一番ハッキリと限界を語っているのは、上野千鶴子でした。彼女はこうしたものの予言性なぞほとんどないと言い切っています。こうしたものは人間にとって分かりやすいかどうかが、一番の関心事で真実かどうかは二の次だということです。本当か嘘かじゃなくて、納得しやすいかどうかが第一基準だから、予言力はないと切り捨てます。

他の人はもう少し穏やかな態度ではありますが、だいたい似たような考えではあるようで、社会学の文脈では、理論の予言力を信じている人はいないようです。これはマルクス主義の失敗を見ているからかもしれません。(僕は詳しくはありませんが)あんなに強固に思えた理論の予測(アメリカは滅びてソ連が台頭)が完全に外れています。

ただ、こうした理論には別の役割があると指摘する人もいます。大澤真幸です。彼によると、物事を体系的に深く考えると、逆にその体系から逃れることができるということを指摘していました。つまりマルクスを共産主義を肯定する文脈ではなく、資本主義を批判する文脈でみると非常に良いことを言っているということです。

物語論でいうと、神話に構造が似てることを言うより、似てないものを探すツールとして使う感じでしょうかね。そうすることで何か新しいものを生み出す手助けができるかもしれない。

2年後に発売される商品を、今のマーケティングを元に行う話では、今のマーケティングを使って、逆に今流行ってるものを避けるという使い方もできるのかもしれません。今流行ってるものが2年後も流行っていることはほとんどないとすれば、それはそれで一つの指針を与えるかも。

関連することを「古市くん、社会学を学び直しなさい」の中で宮台真司がロバート マートンという人の言説を引用する形で話していました。社会学ではよくアンケートをとって統計的に分析して結論を出すのですが、比較的自明なことを証明するために、アンケートを使うなというんですね。その自明な仮説では説明できないことを探すためにアンケートを用いて、それで新たな仮説を作るのが、アンケートの良い使い方だ、と言うんです。これには僕もなるほどと思いました。

こういう風に理論を肯定的に使うのではなく、新たな見識を得るためのたたき台として使うというのは、なかなかおもしろいですね。


(上記、紅茶さんとこの掲示板に書いたことの転載)

2017-02-25

[]蜘蛛ですが、なにか? 馬場翁, 輝竜司

蜘蛛ですが、なにか? (カドカワBOOKS)蜘蛛ですが、なにか? (2) (カドカワBOOKS)蜘蛛ですが、なにか? (3) (カドカワBOOKS)蜘蛛ですが、なにか? 4 (カドカワBOOKS)蜘蛛ですが、なにか? 5 (カドカワBOOKS)

蜘蛛ですが、なにか? は2015年12月カドカワBOOKSの非常に初期に発売された作品で、最近5巻がでました。この小説からなろう系では味わえないと思っていた小説の面白みを感じましたので共有したいと思います。

軽いネタバレは許していただいて説明します。この話はダンジョンと人間の王国と二つの舞台をいったりきたりするんですが、わりと初期から時間軸がずれてるような気配がありまして、実際片方は10数年未来の話なんですね。それで過去のほうに主人公の蜘蛛がいるんですけど、その蜘蛛が未来でどういう立場になっているのかが、謎としてずっとひっかかるんです。その長ーい伏線が5巻でやっと回収されて、僕は非常に感心しました。こういう長い伏線を引っ張るのって最近は難しいと思うんですよ。なろう系でこれをやってのけるのはただものじゃないなって思いました。あと、小説って一人称だと主人公の主観が全面にでるし三人称だと、すこし俯瞰的な視点になるじゃないですか。この小説だと主人公の一人称での語りが罠になっていて、その未来で主人公がどうなってるのか悟らせにくくなってるんです。こういう小説でしかできない(他ではやりにくいだけでできるかも)仕組みのもの、僕は好きです。

(上記、紅茶さんとこの掲示板に書いたことの転載)

[]ゲンロン

ゲンロン2 慰霊の空間ゲンロン4 現代日本の批評? 上

そういやゲンロンを買いました。なかなかおもしろかったですね。

批評という病

ゲンロン4の「批評という病」がまず面白いですね。紅茶さんがよくやっている批評っぽい活動(っぽいの部分は揶揄ではなく本人の弁)ですが、僕にはその動機が理解できなくてしばしば「なんで?なんでそんなことやってるの?」と質問攻めにしてしまうのですが、そのあたりの答えの一端があるような。

「批評という病」では批評活動を以下のように整理してます。

(1)物事の是非、善悪、正邪などを指摘して自分の評価を述べること。これは辞書的な定義ですね。

(2)見知らぬ作品をどう読むべきか、新しい事件をどう理解するべきかといった課題に対し、新しい情報を提供したり判断の指針を示したりする行為。この行為の価値は分かりやすく、この活動の場合、特に動機を問う必要はないと思います。

問題なのは(3)なにか特定の題材を設定しては、それについてただひたすらに思考を展開し、そしてこれといった結論もなく終わる、奇妙に思弁的な散文(おそらく日本以外では哲学エッセイと呼ばれ、哲学に分類される)、というやつです。この(3)的な行為は何が目的なんでしょうね。特に僕はアカデミズムの中にいる人なので、まとめて論文として発表すること、引用を正確にすること、査読をうけることなどの作法にも則ってないこうした散文は何なのか?よくわからんなと思ってました。

ひとつ安心したのは、この手の散文の価値がよくわからないということは今の時代ではむしろ普通のことで、ゲンロンという雑誌の使命の一つとして、その価値を取り戻すことと宣言されていることでした。

で、その価値とはずばり何なのかといいますと、言葉と現実が一致しない状況の気持ち悪さを解消し、言葉と現実を一致させること、とあります。この気持ち悪さを解決するというのは、自分の気持ち悪さですので、動機として切実です。

ただ、まぁ動機は分かったとしても、実際の評価(その散文を周りの人が読んで、良いと思うか)はまた別の問題ですね。この点、やはり(2)みたいな側面があれば、話は簡単になるわけですが。まぁ少なくとも、この(3)に類することの動機も評価も簡単ではない、といいうことを確認できたのは良かったです。

神は偶然にやって来る―思弁的実在論の展開について

さて、もう一点、ゲンロン2の「神は偶然にやって来る―思弁的実在論の展開について」も面白かったですね。

ただ、物理学的な観点から、今のこの世界とは違う物理定数の世界が確率的に生まれうるということは認めるんですが、今のこの世界の物理定数等が変わらないのは偶然であるというのはおかしい。物理定数というのは冷えてガラスが固まるようなもんで、固まらないうちは違う形になり得ますが、一回固まったらもうそのままです。メイヤスーの考え方そのものは面白くても、物理とか宇宙の知識がちゃんとある人にはちょっとボタンを掛け違えた議論に映りますね。

(上記、紅茶さんとこの掲示板に書いたことの転載)

2017-01-10

[][]幼女戦記 カルロ・ゼン, 篠月しのぶ

幼女戦記 1 Deus lo vult幼女戦記 2 Plus Ultra幼女戦記 3 The Finest Hour

これって、特にすごい面白いってわけでもないし、ラノベのわりには文が詰まってて読むの疲れるし、主人公も中身はオッサンで見かけはよいけど萌えはしないし……。なんで読み続けてるのかよく分からないところがあります。

ただ、一つには日本人は大きな戦略を立てるのに弱いっていうことを度たび指摘されているので、それに対する劣等感からつい軍事もので勉強になりそうなものは読んでしまうってのがあるのかもなぁと思ってます。実はこれってまおゆうから続く流れではあって、個々の戦いの戦術レベルではどうにもならないことをもっと大きな視点で解決したいっていう物語の潮流ではあるんですよね。

意外とこれってTRPGにもなってなくて、まよきんでもグランクレストでも良いですが、国家を扱えるようになっても戦術にちょっとした影響を与えるぐらいで、戦略的に大事な決断ができるようになるわけでもない気がします(というかその部分がうまくゲーム化できない)。グランクレストのリプレイでは誰と同盟を組むのかプレイヤーに決めさせるのがあったんですが、それも結局どんな国と同盟を組もうと最終的にはプレイヤーの英雄的なダイス目とかには及ばない補正にすぎないような気もします。このあたりはTRPGもまだ改善の余地ありですね。もしかしたらそういう国家としての決断よりも英雄的なRPのほうが面白いのでTRPGでやるべきではないだけかもしれませんが。

(上記、紅茶さんとこの掲示板に書いたことの転載)