Hatena::ブログ(Diary)

アセトアミノフェンの気ままな日常

2016-06-28

新しい pLaTeX がアレすぎて嘆息してみる

コミュニティ版 pLaTeX にトラブルが続いている。


いまのところ「アクセント文字」パッチに対するものだけなのだが、Forum に既に 3 回もレポートされている。

上記のトラブル続きの「アクセント文字パッチ」が入った理由は、過去記事に出した「縦組で Å の合成がおかしくなる」という現象に対処するためであった。こんなバグレポートしなければ新しく余計なバグも入らなかったろうに…というのは置いておいて*1、では今後どうやって pLaTeX を維持開発したらよいのだろうか、ということを少しずつ真面目に考えてみる。

以下はいまの私の反省を踏まえて、敢えてオープンにした。オープンにすべきではないという批判もあるかもしれないし、言い訳をしているようで汚いという批判を受けるかもしれないが、反面教師にでもしていただければと思う。

遡って… コミュニティ版 pLaTeX の初期

諸事情あって*2、コミュニティ版 pLaTeX の誕生に関する雑多な決定は、クローズドな場で議論してきた。そういうこともあって、GitHub の pLaTeX リポジトリは実際には公開状態にあったにもかかわらず、数ヶ月にわたりほぼ texjporg の中の人(それもごく一部の参加者のみ)で commit されてきた。したがって、肝心の「どういう場合に変更するか」という方針決定もままならないまま、「ここが変かもしれない」というだけでとりあえず改変を入れてしまった。


全く決まっていなかった、というのが答え。

時は流れて… pretest の始まり

たいしてテストできないまま TeX Live 2016 pretest が迫り、そこにとりあえず形になった「コミュニティ版 pLaTeX」を入れることになった。もちろん、pretest に「コミュニティ版」を入れることは目標だったと思う。pretest 期間は 2 ヶ月近くもあるので、余裕をもってバグ出しできると踏んでいたからだ。ところが、実際には pretest の最終更新の直前にまでインストールがずれ込んでしまい、十分なテスト時間を取れなくなってしまった。これは引き継ぎの難しさや、日本語用マクロの特殊性*3を考慮すれば十分想定できたことだといまは思う。

不完全燃焼な pretest の終わり

先述のとおり pretest が実質 2 週間たらずで終わってしまった(この pretest 期間に修正は一切なし)ので、コミュニティ版 pLaTeX はそのまま TeX Live 2016 正式リリースに自動的に入った。これが最終目的だったはずなのだが、個人的にはむしろ「入ってしまった」感のほうが強かった。どこがバグるかも知れないコワイ状態である。




誰もなにも言わないということは、誰も疑問を感じていないのだろう、ということで安心するしかない。コワイ。

そして、TeX Live 2016 リリース

さすがにコワイので、フォーラムに告知することにした。

とりあえず「新しくなっていますよ」「こういう意図でここを変えましたよ」だけは書いたつもりだ。バグが入っていないことを祈っているので、「新しいバグがあるかも」とは当然言わない。

怒涛のバグレポート

冒頭に書いたとおり、途端にバグレポートが相次いでしまった。幸い、コミュニティ版には地道に実装しておいた「platexrelease パッケージ」が入っているので、とりあえず quick fix として昔の pLaTeX をエミュレートしていただくことができた。もしこれが無かったら、と考えると、相当ゾッとする話である。

続く

*1:責任は当然感じているわけですが、過ぎたことを悔やむより先のことを考えさせてください。

*2アスキーからの引き継ぎ・CTAN へのアップロード・TeX Live への自動インストールなど、直接「pLaTeX の挙動変更」に関わること以外のデリケートな議論を含んだため、そもそも実現可能かどうかすら不透明だったと思う。

*3:通常 TeX Live のすべてのパッケージは UTF-8 で収録されるが、日本語関係のパッケージに限り、pTeX の歴史的経緯により最も扱いやすい ISO-2022-JP (JIS) エンコードで収録されるように特別扱いしてある。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証

Connection: close