WCS2018ルール構築〜メガサーナイト+威嚇ガオガエン〜

サーナイト ひかえめ トレース
175-×-105-160-143-105 H.252 B.156 C.4 D.60 S.36
(175-×-105-204-163-125)
ハイパーボイスサイコショックトリックルーム、まもる@サーナイトナイト


ガオガエン いじっぱり いかく
189-165-112-×-130-90 H.148 A.116 B.12 D.156 S.76
フレアドライブ、はたきおとす、けたぐり、ねこだましとつげきチョッキ


○サンダー おくびょう プレッシャー
169-×-106-172-112-167 H.28 B.4 C.212 D.12 S.252
10まんボルト、ねっぷう、おいかぜ、みきり@いのちのたま


○FCランドロス ひかえめ いかく
165-149-111-171-101-143 H.4 B.4 C.244 D.4 S.252
だいちのちから、ヘドロばくだんいわなだれ、とんぼがえり@こだわりスカーフ


カプ・レヒレ ひかえめ ミストメイカ
172-×-136-146-156-119 H.212 B.4 C.140 D.44 S.108
だくりゅう、ムーンフォース、めいそう、まもる@ウイのみ


カミツルギ ようき ビーストブースト
151-202-153-×-65-177 H.132 A.4 B.12 D.108 S.252
リーフブレードせいなるつるぎつるぎのまい、みきり@クサZ


シーズン9のWCSレートで23-7でR1750越え(暫定20位程度)。
wi-fi大会「International Challenge March」で26-10で最終レート1701。



【構築概要】
メガサーナイトを採用して追い風とトリックルームを相手によって使い分けながら戦うパーティ。威嚇と猫騙しを持つガオガエンで展開を補佐しつつ範囲攻撃で削り、終盤はランドロスカミツルギといった素早いポケモンで締めていく立ち回りを狙います。


【構築経緯】
威嚇ガオガエン+メガサーナイトからスタート。ガオガエンサーナイトが苦手な鋼・ゴーストタイプに強く、猫騙しでハイパーボイストリックルームを安全に通す動きができます。そこに更に、威嚇が加わったことによりサーナイトの心許ない物理耐久まで補えます。このようにサーナイトを使う上で威嚇ガオガエンはとても相性が良いです。
威嚇ガオガエン自体のスペックは明らかに高いので、弱点やタイプが被っていても補完で採用しやすい強さを持っています。そう考えるとわざわざサーナイトを選ぶ理由はないのですが、「とりあえずガオガエンを使ってみたい」というのがテーマだったので、組みやすさ・分かりやすさを重視したことが理由になります。


サーナイトの強みは「ある程度火力の高いトリックルーム要員」であることだと考えていて、追い風・トリックルームの2つの素早さ操作技を用意して柔軟に選択することで、中速である欠点をカバーしていきます。
追い風要員としてはサンダーを採用。サーナイトと同時選出をすることが多くなる以上、鋼タイプに打点のあるポケモンであることが望ましく、テッカグヤカミツルギも苦にならないサンダーが相性が良いと考えました。
ここまでで地面タイプや炎タイプの処理が遅いことから水タイプのカプ・レヒレを採用。また、電気・地面の一貫を切るためにランドロスを採用。最後に水タイプの処理速度が遅いことからカミツルギを採用。以前はカミツルギの枠をナットレイで使ったこともありましたが、ガオガエン増加に伴ってカミツルギの方がまだ動きやすいと感じました。


【個別解説】
サーナイト
<持ち物:サーナイトナイト>
メガシンカのため必須。
<技構成:ハイパーボイスサイコショックトリックルーム、守る>
メインウエポンのハイパーボイス。大事に扱うための守る。相手の高速や追い風に対する切り返しとしてトリックルーム。最後の技は防音ジャラランガやフェアリーを半減する毒タイプへの打点としてエスパー技のサイコショックを採用。
耐久の高いポケモンに悠長な行動をされることも多いのでアンコールは技スペースがあれば欲しいと思いましたが、上記を優先する関係で不採用。凍える風を合わせたハイパーボイスでカプ・コケコを倒す動きも面白そうですが、CSベースの配分にする必要があり、今回は考えませんでした。
<実数値:175-×-105-204-163-125 H.252 B.156 C.4 D.60 S.36>
最速バンギラス抜き。A197メガメタグロスのランク-1アイアンヘッド耐え(15/16)。C182ゲンガーの命の珠ヘドロ爆弾耐え(15/16)、C156ルンパッパの雨Zハイドロポンプ耐え(15/16)。
まず攻撃を耐えないと行動ができないので耐久を最優先に配分。メガメタグロスの攻撃を耐えるのはややおまけではあるものの、メガラグラージの雨滝登りを耐える程度の物理耐久は確保したいです。攻撃面で明確に確定数が変わる相手を見つけられなかったので特攻は4振り。これでもある程度火力は高いので雑に削る動きはこなせそうです。


ガオガエン
<持ち物:突撃チョッキ>
威嚇と猫騙しのために繰り出し性能を上げたいので、特殊耐久を高める突撃チョッキを持たせます。半分回復する木の実も強力ですが、カプ・レヒレの隣のポケモンに干渉したい場面が多いと思ったので特殊ダメージを抑える突撃チョッキを選びました。
<技構成:フレアドライブ、叩き落とす、けたぐり、猫騙し>
トリックルームや瞑想のサポートに優れる猫騙し、メインウエポンのフレアドライブ。残る2つは汎用性の高い叩き落とす、サーナイトが苦手なヒードランへの打点にもなるけたぐりを採用。サーナイトトリックルーム返しも合わせるとクレセリア+カビゴンのような並びにとても強くなります。
蜻蛉帰りは耐久が低いポケモンを安全に繰り出すのに優れますが、この構築には繰り出しから強い圧力を掛けられるポケモンカミツルギくらいしかいないため不採用。バークアウトも強力ですが、後攻で打つ動きで機能する構築ではないため不採用。守るについては強い使い方をあまり想像できていなかったので、攻撃範囲を広げる方が優先度が高いと判断しました。
<実数値:189-165-112-×-130-90 H.148 A.116 B.12 D.156 S.76>
追い風で最速メガメタグロス抜き。A216ランドロスの75%地震耐え(15/16)。C161カプ・レヒレのZ濁流耐え(14/16)。フレアドライブでH157-B145メガクチート1発(15/16)。
サンダーの追い風展開を考えると素早さをもっと上げたいですが、並べて繰り出すことが多くないので、猫騙しと威嚇でのサポート役として一撃死しづらくすることを重視しました。また、意図的に素早さを下げていないカプ・ブルルトリックルーム下で先制できるようにしておきたかったことも理由にあります。
配分は勝海さんが良い感じのものを考えていたので、それを参考にしました。


★サンダー
<持ち物:命の珠>
追い風下で攻めるために火力を増強する命の珠。Z技に頼らずメガリザードンYを縛れる点が強みですが、追い風後に命の珠反動で倒れて隣に攻撃が集中するような場面も見受けられるので、デンキZの方が良かったかもしれません。
雨パーティに対してはサンダーが刺さっている印象があまりなく、選出しないことが多いのでミストシードや回復木の実を持たせることはしませんでした。
<技構成:10万ボルト、熱風、追い風、見切り>
採用理由の追い風、メインウエポンの10万ボルト。サブウエポンは構築で打点が薄めなカミツルギナットレイに強い熱風を選択。最後の技は見切りを採用して、集中攻撃やZ技で倒す相手の目論みを防いだり、倒されるターンを調整できるようにしました。
ガオガエンと並べて追い風を展開する動きを考えると、めざめるパワー氷を採用しても良かったのかもしれませんが、サンダーが積極的に選出したいポケモンでなかったためか、その並びで選出すること自体ほとんどありませんでした。
<実数値:169-×-106-172-112-167 H.28 B.4 C.212 D.12 S.252>
素早さ最速。C211メガリザードンYの晴れ火炎放射耐え(15/16)、C161カプ・コケコのZ10万ボルト耐え。A177メガガルーラの捨て身タックル耐え。残り特攻。
火力のないサンダーを上手く使えた試しがなかったのでCSベース。命の珠を持たせていますが、まず追い風を決めることが重要なので耐久に按分しています。


★FCランドロス
<持ち物:拘りスカーフ>
カプ・コケコを縛るために拘りスカーフ。スカーフランドロス自体扱いにくさのあるポケモンですが、威嚇ガオガエンを採用したことで役割を絞った使い方ができるようになりました。
<技構成:大地の力、ヘドロ爆弾、岩雪崩、蜻蛉帰り>
カプ・コケコを一撃で倒せてメガメタグロスに致命傷を与えられる大地の力。本来苦手なカプ・ブルルを一撃で葬ることができるヘドロ爆弾。メガリザードンYに対する打点として高速で打つだけで弱くない岩雪崩。威嚇を有効に回すための蜻蛉帰り。
特殊ランドロスに採用されることの多いめざめるパワー氷ですが、構築全体を見渡すとカプ・ブルルリザードンへの打点を増やす方が重要なので不採用。攻撃に性格下降補正をかけているのでリザードンを岩雪崩で1発で倒せるわけではないのですが、ストーンエッジより汎用性が高いことから岩雪崩を選択。蜻蛉帰りは特にガオガエンに繋ぐことでメタグロスメガシンカを見てから威嚇を入れる動きができることが多いのが強みです。
<実数値:165-149-111-171-101-143 H.4 B.4 C.244 D.4 S.252>
素早さ振り切り。ヘドロ爆弾でH177-D135カプ・ブルル(C161ペリッパーの暴風耐え)1発(14/16)。蜻蛉帰り+大地の力でH156-B171-D131メガメタグロス1発。C182カプ・テテフのフィールドサイコキネシス耐え(15/16)。A183ガオガエン猫騙し+フレアドライブ耐え。
メガライボルトやスカーフ持ちカプ・ブルルを抜くためにはほとんどの努力値を素早さに割く必要があるので、ミラーで一方的に不利にならないようにそのまま全振り。火力が低い特殊スカーフは使いづらいと感じたので、残りはほぼ特攻に振りました。威嚇役として選出するなら耐久を重視したいところですが、ガオガエンとの使い分けができるようになったので、それを気にせずに使えるようになりました。


カプ・レヒレ
<持ち物:ウイの実>
瞑想型で採用すると決めたので相性の良いウイの実。自らミストフィールドを敷くので虫食いなどでの混乱は狙いにくいですが、泥棒やトリックに対しては後々働く可能性があります。
このポケモンにもZ技を持たせても良かったかもしれませんが、カミツルギと同時選出することも多くそちらを優先する形になりました。
<技構成:濁流、ムーンフォース、瞑想、守る>
強い単体攻撃のムーンフォース、強い範囲攻撃の濁流、大事に扱うための守る。瞑想型で採用する場合の最も基本的な構成です。
ガオガエンカミツルギとの相性補完を活かしたサイクルを回す上で守るが欲しく、守るを持たせながら火力を出すために瞑想を採用する形に落ち着きました。サーナイトが選出しづらい場合はカプ・レヒレで削りを入れていく展開が多い上に、そうせざるを得ないほど余裕がない状態なので、濁流の命中率を考えるとあまり好ましい採用ではありません。。
<実数値:172-×-136-146-156-119 H.212 B.4 C.140 D.44 S.108>
素早さは追い風で最速スカーフランドロス抜き+1。A197ランドロスのZ地震耐え(15/16)。C222メガゲンガーのヘドロ爆弾耐え。残り特攻。
ミラーを意識してなるべく素早さを高めた型。サーナイトと同時に出すとトレースの方が後に発動して相手のフィールドを奪ってしまう可能性があるので、注意が必要です。


カミツルギ
<持ち物:クサZ>
高速から縛れる射程を広げるためのクサZ。相手を倒せばビーストブーストで攻撃を上げて更に圧力を掛けられるのでZ技との相性は良いです。
サンダー+メタグロスの構築に対して、事前にサンダーを半分程度削ってカミツルギで縛る展開を考えてZ技をこのポケモンに持たせました。
<技構成:リーフブレード、聖なる剣、剣の舞、見切り>
メインウエポンのリーフブレード、草技を半減するガオガエンへの打点となる聖なる剣、大事に扱うための見切り。最後の技は剣の舞を採用しました。剣の舞の採用意図としては「聖なる剣でラッキーを倒す」「ガオガエンランドロスで威嚇をかけて誤魔化す動きに強くする」「少し削れたメガメタグロスを無理やり倒せるようにする」の3つです。
スマートホーンを打ちたい相手はクサZで代用できることも多いので不採用。耐久に振ったメガリザードンすら大きく削れるZギガインパクトも面白そうですが、汎用性の低さから不採用としました。
<実数値:151-202-153-×-65-177 H.132 A.4 B.12 D.108 S.252>
素早さ最速。A216ランドロスの馬鹿力耐え(15/16)。C147カプ・コケコの拘り眼鏡フィールド10万ボルト耐え(15/16)。地球投げ3発耐え。
ラッキー構築を聖なる剣で突破することを考えているのでHPは151以上必要です。また、拘り眼鏡10万ボルトを耐えるように設定していると、フィールドZ10万ボルトを守るで受けた後のフィールド10万ボルトを耐えることができるので、攻撃に4しか振れないものの有用な調整だと思います。


【構築総評】
誰もが一度は考えるような並びではありますが、サーナイト構築としては感触は悪くありませんでした。全体的にガオガエン採用による恩恵は大きく、具体的には3つ良い点がありました。
まず1つ目ははサーナイトの運用。猫騙しと威嚇を両立しているおかげで、初手からサーナイトをスムーズに動かすことができます。これまでは「ランドロスを投げてサーナイトを守らせながら蜻蛉帰りで…」みたいな展開が多かったので、それを一手でこなせるようになりました。
2つ目はランドロスを拘りスカーフで採用できたこと。トリックルーム中に威嚇を掛けたい要請のためにスカーフランドロスを交代で繰り出すのは憚られるため、これまではランドロスもトリル下で動けるような型で採用することが多かったです。しかし、ガオガエンがその役割をこなしてくれるため、ランドロスには拘りスカーフを持たせることができて、カプ・コケコやメタグロスといった構築で重たい相手を上から殴れるようになります。
3つ目はカミツルギの採用です。WCS2017ではAFK(ウインディカプ・レヒレカミツルギの組み合わせの略称)の相性補完が優秀でしたが、ウインディを威嚇ガオガエンに置き換えることで似たような運用をすることができます。これによりカミツルギの選出のしやすさが上がり、サーナイトカプ・レヒレの範囲技で削った後にカミツルギで締めるAFKでもよく見られた展開に持ち込みやすく感じました。ただ、サーナイトカミツルギは苦手なポケモンが被っているので「有利な相手にプランを立てやすいが不利な相手にとことん弱い」組み合わせであり、ここは構築の悪い部分と言えるでしょう。
勝ち切れなかったのは「メガサーナイトを主軸に」という構築方針が良くなかったと思います。最初に消極的な理由でメガサーナイトを選んだ通り、このポケモンが明確に強い仮想敵というのがほとんど思い浮かばず。頻出メガシンカのメガリザードンY・メガメタグロスの両者に弱いこともあり、ほとんどの試合で不利を強いられていたように感じました。
そもそも昨今のダブルバトルメガシンカを中心に構築を考える方針は得策でないことも多く、メガサーナイトの強みを「ある程度火力の高いトリックルーム要員」と感じているのだから、もっとトリックルームに寄せた構築で採用を検討するのが良いと思いました。


【INCの感想】
直前にあまりポケモンをしていなかったので、元々INCをやるつもりはありませんでした。しかし、少しだけ使っていたサナガエン構築の供養(前提)にちょうど良いと思ったので3日目から参加しました。
レートが1790を越えるか10敗したらやめようと思っていましたが、レート1700前後を抜け出せず何とか7割を維持しただけで終わりました。1月に比べると対戦相手も強い印象を受けましたし、自分のプレイングミスで負けた試合もいくつかあるなど、怠惰が現れる結果でした。全国大会やその先を見据えるなら強さが足りていないと感じたので、ジャパンカップでは上位を狙っていけるように精進したいです。
因みに言い訳っぽいですが、最終日に一気に消化するやり方ですが、少なくとも私には向いてないと思ったので、やっぱり真面目に参加する大会は余裕を持って消化しようと思いました。自分のやりやすいスタイルでやるのが一番だと思います。


【INCのKP(36戦)】
20…ガオガエン
17…FCランドロス
15…カプ・レヒレ
10…カプ・コケコ
8…バンギラスメタグロスクレセリア
7…サンダー
6…カプ・ブルル
5…リザードン、ゲンガー、ニョロトノモロバレル
4…カビゴンラグラージサーナイトギルガルド
3…ルンパッパ、ペリッパークチートミロカロスジャラランガカプ・テテフテッカグヤカミツルギ
2…ボーマンダエルフーンナットレイゴチルゼルミミッキュウツロイドツンデツンデ
1…その他


【INCでの負け試合】