蛸壺屋のけいおん!2次創作誌。

今日の時点で「けいおん!」といえば蛸壺屋
今年の夏コミで領布されたいわゆる同人屋さんのアニパロなのだが、なぜかそこら中に張られている。


50ページちょっとの同人誌の前半部分はよくあるエロパロで(いや、エロ漫画としての出来はそこらのエロパロ同人誌よりは相当に上手いし、前半部分にもエピローグに向けた複線はちゃんと張ってあるのだが)、この漫画の"本編"はエピローグとして語られている部分だ。


最後の数ページ、それは、主人公である唯たちが桜高校を卒業した後のお話。芸能界で流行歌手となった平沢唯の"死"を各キャラクターが受け取る物語だ。



ここでは"律"が狂言回し役で言わばアントニオ・サリエリといったところ。主役であるはず唯の死はテレビに映るただのニュース情報でしかない。しかし、このほんの数ページの漫画の中には原作を大きく超える内容が詰め込まれている。行間に語られる情報が多いのに省かれている部分も多く、それが受け手の想像力をかき立てる。

この同人誌の内容は、esu-keiさんのページに詳しい。
http://d.hatena.ne.jp/esu-kei/20090818/p2



何故かネット中にこの漫画の断片が張られているのは、この後日談が"音楽"を志す彼女らにとって原作のストーリーが進行すれば絡んでくるかもしれない"芸能界"を舞台にしており、唯の最期がつい最近起きた某のり塩事件と重なって見えるところがとしあきvipperの心を掴んだのだろう。(入稿時にはもうのり塩は逮捕されてたのかねえ・・・)


2次創作、一言で言ってもその手法は無限にある。古くはTOS同人のように実際の世界観を壊さない範囲内での日常を描く方法が主流だったのだろうが、今はキャラの人格を入れ替えて安易にエロシーンに結びつけるやり方や、他の漫画のキャラを借りてきたりキャラの立ち位置を変化させその落差を描くやり方が目立つ。

その手法の中でも、原作の世界観に対し、現実の世界であれば発生しうる事象を加え(いわゆるリアル補正")、そこで発生した問題に"絶望"のスパイスをかけて描く、本編のような2次創作作品が私は大好きだ。この手法で有名なのは「スタジオKIMIGABUCHI」のケロロパロや「GA・FAKE」のドラえもん最終回パロが有名だろうか?(どちらも正確にはリアル補正ではなく、別のSF補正だが)


個人的には、2次創作をやるんであればむしろこれぐらい、大胆にいくべきではないかと思う。


原作の漫画に足りない要素、といっても、そこは原作を原作たらしめるには不要な要素で原作者的にはわざわざ描写してない部分なのではあるが、そこを見つけ出し、うまく調理しパロディで(2次創作者にとって)原作よりおもしろいお話を描く。

これこそが2次創作でしか出来ない、いや2次創作ならではの醍醐味であり、原作への恩返しのうちの一つとしては粋な手段ではないかと思うがどうだろうか。



この同人誌、おそらく今なら虎の穴とかにあるだろうから興味を持たれた方は覗かれてはいかがか?(誌名とかはググってください。すみません。)

ももいろシンドローム 4

桃色シンドローム (4) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

桃色シンドローム (4) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

エロいことばっかりやってた(やらされてた)キャラがいきなりレゾンデートルとか求め始めるとか。
しかも「この展開は最初から予定調和だった。キリッ」って感じw。まあいいんですけど、単なる萌え漫画と思ってついてきていた読者さんは完全に置いてきぼりですなあ。


正直なところ、「設定自体にはじめから無理があった設定を演じる設定」の漫画ってどうなのか?と。主人公を取り巻く世界(といっても殆どのストーリーはマンションの1室だけで展開する密室劇で、その「世界」もマンションの周りだけなのだが)は3巻を境に綻びを見せ始め、4巻で崩壊。あと1巻で完結のようだが、結局なんだかんだで「みんな仲良く暮らしましたとさ」といったハッピーエンドでなくて、思いっきり後味の悪い結末を迎えるべき。

いや、マジで。

まじかるストロベリィ10

まじかるストロベリィ 10 (ジェッツコミックス)

まじかるストロベリィ 10 (ジェッツコミックス)

完結。もう少し短くてもいいかと思ったがまあいいか、と。終了どころを間違えなかった希有な作品。

ハヤテのごとく!20

ハヤテのごとく! 20 (少年サンデーコミックス)

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連載が長いのにおもしろいw。すごいなあw。