このところずっと読んでいた松本清張さんの「昭和史発掘5 2.26事件1」を読み終わりました。昭和史発掘は全8巻。このうちこの5巻〜8巻が2.26事件という、まさに2.26事件のための作品といっても過言ではない。類書を読んでいても、この作品が秀逸であることは、多くの本に触れられている。ということで、最近トライしている訳ですが、花粉症の薬の影響と慣れない文語体の文章は正直苦戦しています。が、しっかり読むと確かに読み応えがある。史料をもって語らしめる松本清張流のアプローチが鮮やかです。その最初の1巻は相沢事件に始まり、相沢公判まで。ですが、相沢公判は当然終わっていません。皇道派のシナリオ通りに展開してきた相沢公判に橋本虎之助が承認として登場し、裁判が非公開になっていくところでこの巻は終わります。清張さんの推理も鮮やかですが、綿密な調査に基づき、真実に迫るところがさすがな感じがしています。残り3巻が楽しみです。
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: 文庫
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