Hatena::ブログ(Diary)

アクチュアリー試験数学の研究



 アクチュアリー試験
 (社団法人日本アクチュアリー会資格試験、アク試験)
 に関して、一定の基礎力を有する方を対象に、
 より合格を確実にするための
 効率的な解法
 の追究を主目的としたブログです。
 なお、メールアドレスは
 actuary_math@yahoo.co.jp(半角)
 です。
 また、質問のメール等を出される場合は、
 http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090510
 を御一読ください。
 詳細は
 プロフィール
 をご覧ください。

2010-02-11 アクチュアリー採用問題の解答案(9)

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100114

から始まった

アクチュアリー採用問題の解答案」

シリーズの9回目です。


今日は、日本生命

http://d.hatena.ne.jp/actuary2/20090412/1239550975

を取り上げます。

(なお、面接その他については

http://d.hatena.ne.jp/actuary2/20100130/1264850993

をご覧ください。)


問題の分量・難度とも標準的だと考えます。

問題2は(1)がなければ(2)単独で出すのは難しいと考えます。( http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100203 でも少し述べましたが、このような「誘導問題」の意図を読み取ることが求められると思います。「(1)は(2)のヒント」と書いてある数学参考書がありました。(今もあると思いますが) )

また、必要条件十分条件(kの値を出すだけではなく、それを実現できるのか)の論述も求められると思います。


その他の注意点は

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100114

のそれと同じです。


問題1

(1)

a=100とおくと

与式

=¥sqrt{a(a+1)(a+2)(a+3)+1}

=¥sqrt{¥{a(a+3)¥}¥{(a+1)(a+2)¥}+1}

=¥sqrt{b(b+2)+1}(ただし、b=a(a+3)

=¥sqrt{b^2+2b+1}

=b+1

=a(a+3)+1

=10301…(ア)の答

(2)

2つのSをS1,S2と区別したときの並べ方は6!=720通り。S1とS2の並べ方は2通りなので、

720÷2=360通り…(イ)の答

(a)頭がAで残り5文字の並べ方は5!÷2=60通り

(b)頭がIで残り5文字の並べ方も60通り

(c)頭がN、2番目がAで残り4文字の並べ方は4!÷2=12通り

(d)頭がN、2番目がI、3番目がAで残り3文字の並べ方は3!÷2=3通り

NISSAYはこれら(a)〜(d)の

60+60+12+3=135個の「単語」に続く「単語」なので、

136番目…(ウ)の答

(3)

3軒のどこかに傘を忘れる確率は

1-¥left(¥frac{4}{5}¥right)^3=¥frac{61}{125}

AまたはBに忘れる確率は

1-¥left(¥frac{4}{5}¥right)^2=¥frac{9}{25}

Aに忘れる確率は

¥frac{1}{5}

なので、

Bに忘れる確率は

¥frac{9}{25}-¥frac{1}{5}=¥frac{4}{25}

∴忘れてきたのがBである確率は

¥frac{4}{25}¥div¥frac{61}{125}=¥frac{20}{61}…(エ)の答

(ちなみに傘を忘れたときに忘れてきたのがAとCである確率は

¥frac{25}{61}¥frac{16}{61}

3つ合計するともちろん1になる)

(4)

学生数をxとするとパーティの費用は2300x+1700

さて、

2300x+1700 < 2400x-350…(a)

2300x+1700-5000 < (2400-250)x…(b)

(a)より

x>20.5

(b)より

x<22

x=21…(オ)の答

これよりパーティの費用は2300*21+1700=50,000円…(カ)の答


(5)

面積が最大になるのは1辺a正三角形のときでその面積は、

¥frac{1}{2}a^2¥sin60^{¥circ}=¥frac{¥sqrt{3}a^2}{4}…(キ)の答

(理由)

OP=p,OQ=qとおくと、

余弦定理により

a^2=p^2+q^2-2pq¥cos 60^{¥circ}=p^2+q^2-pq…(a)

一方面積T=pqとおくとS=¥frac{¥sqrt{3}T}{4}なので、

Sが最大⇔Tが最大

である。

さて(a)より

a^2=p^2+¥frac{T^2}{p^2}-T ¥ge 2¥sqrt{p^2 ¥cdot ¥frac{T^2}{p^2}}-T=T(∵相加相乗平均の関係)

(等号は、p^2=¥frac{T^2}{p^2}つまりp=qのとき成り立つ)

つまり、

T ¥le a^2

(等号は、p=q=aのとき成り立つ)

となる。(証終)

(6)

(キ)

I_1=¥int_0^{¥pi} ¥exp(-x) ¥cdot ¥sin x ¥, dx

=-¥[¥exp(-x) ¥cdot ¥sin x ¥]_0^{¥pi}+¥int_0^{¥pi} ¥exp(-x) ¥cdot ¥cos x ¥, dx

=-¥[¥exp(-x) ¥cdot (¥sin x+¥cos x) ¥]_0^{¥pi}-¥int_0^{¥pi} ¥exp(-x) ¥cdot ¥sin x ¥, dx

=¥exp(-¥pi)+1-I_1

I_1=¥frac{¥exp(-¥pi)+1}{2}=¥frac{1+¥exp(¥pi)}{2¥exp(¥pi)}…(キ)の答

(別解)

I_1=¥int_0^{¥pi} ¥exp(-x) ¥cdot ¥sin x ¥, dx

=Im ¥left( ¥int_0^{¥pi} ¥exp(-x+ix) dx ¥right)

=Im ¥left(¥frac{1}{-1+i} ¥[¥exp(-x+ix)¥]_0^{¥pi}  ¥right)

=Im ¥left(¥frac{¥exp(-¥pi+i¥pi)-1}{-1+i} ¥right)

=Im ¥left¥{¥frac{¥exp(-¥pi)+1}{2}(1+i) ¥right¥}

=¥frac{¥exp(-¥pi)+1}{2}=¥frac{1+¥exp(¥pi)}{2¥exp(¥pi)}

(ク)

I_{n+1}=¥int_{n¥pi}^{(n+1)¥pi} ¥exp(-x) |¥sin x|dx

=¥int_{(n-1)¥pi}^{n¥pi} ¥exp(-y-¥pi) |¥sin (y+¥pi)|dyy=x-¥piと置換)

=¥exp(-¥pi)¥int_{(n-1)¥pi}^{n¥pi} ¥exp(-y) |¥sin y|dy

=¥exp(-¥pi)I_n

つまり(ク)の値はe^{-¥pi}…(答)


(ケ)

¥int_{0}^{¥infty} ¥exp(-x) |¥sin x|dx

=¥sum_{n=1}^{¥infty}I_n

=¥sum_{n=1}^{¥infty}¥[I_1 ¥cdot ¥exp¥{-(n-1)¥pi¥}¥]

=¥frac{I_1}{1-¥exp(-¥pi)}

=¥frac{1+¥exp(¥pi)}{2¥exp(¥pi)}¥frac{¥exp(¥pi)}{¥exp(¥pi)-1}

=¥frac{1+¥exp(¥pi)}{2¥{¥exp(¥pi)-1¥}}…(答)


(7)

(コ)

X_nが3で割れないのはn回のサイコロの目が全部1,2,4,5のとき。

求める確率p_nは、

p_n=1-¥left(¥frac{2}{3}¥right)^n…(答)

(サ)

1-¥left(¥frac{2}{3}¥right)^n ¥ge 0.99…(A)

となるnを求める。

(A)より、

¥left(¥frac{2}{3}¥right)^n ¥le 0.01

常用対数(底を10とする対数)をとって、

n ¥log_{10}¥left(¥frac{2}{3}¥right) ¥le -2

n (¥log_{10}2-¥log_{10}3) ¥le -2

(0.1761)n ¥ge 2

n ¥ge 11.3 ¥cdots

なので、(サ)に入る数値は11…(答)


(8)

(シ)

APでジョルダン標準形

J=P^{-1}AP=¥left(¥begin{array} ¥lambda_1 && a ¥¥ 0 && ¥lambda_2 ¥end{array}¥right)

に変形(ただしa=0 ¥, or ¥, 1)したとする。

¥lambda_1+¥lambda_2=¥rm{tr}(J)=¥rm{tr}(A)=3+2=5…(答)*1

(ス)

上式で

¥lambda_1 ¥cdot ¥lambda_2=¥det{J}=¥det{A}=3*2-1*4=2…(答)

¥lambda_1^3+¥lambda_2^3

=(¥lambda_1+¥lambda_2)^3-3¥lambda_1¥cdot¥lambda_2(¥lambda_1+¥lambda_2)

=5^3-3*2*5

=95…(答)


問題2

(1)

2つの解とあるのでa ¥ne 0としてよい。

解と係数の関係により

¥alpha+¥beta=-¥frac{b}{a},¥alpha¥beta=¥frac{c}{a}

これより

a^2(¥alpha-¥beta)

=a^2¥{(¥alpha+¥beta)^2-4¥alpha¥beta¥}

=a^2¥left¥{¥left(-¥frac{b}{a}¥right)-4¥frac{c}{a}¥right¥}

=b^2-4ac…(証終)


(2)

f(x)=ax^2+bx+cを定数項が0でない2次式とし、D(f)=b^2-4acで判別式を表わす。

さて、

xの2次方程式f(x)=0の解を¥alpha,¥betaとする。

f(x)に(操作1)を施した結果の2次式をg(x)とすると、

g(x)=0の解は¥alpha-1,¥beta-1なので、

判別式D(g)は、

D(g)=a^2¥{(¥alpha-1)-(¥beta-1)¥}^2=a^2(¥alpha-¥beta)^2=D(f)

一方

f(x)=ax^2+bx+cに(操作2)を施した結果の2次式をh(x)=cx^2+bx+aとすると、

D(h)=b^2-4ca=D(f)

つまり(操作1)、(操作2)いずれを施しても判別式は変わらない。

さて、もとの式の判別式は1-4*1*1=-3

これより

61^2-4*7*k=-3

となり、

k=133

である。

次に

x^2+x+1から(操作1)、(操作2)を何回か施して実際に133x^2-61x+7になることをみる。

(i)x^2+x+1に(操作1)を3回施すと(x-3)^2+(x-3)+1=x^2-5x+7

(ii)x^2-5x+7に(操作2)を1回施すと7x^2-5x+1

(iii)7x^2-5x+1に(操作1)を4回施すと7(x-4)^2+5(x-4)+1=7x^2-61x+133

(iv)7x^2-61x+133に(操作2)を1回施すと133x^2-61x+7

k=133が確かに題意を満たすことが確認された…(答)


問題3

(1)

n人の手の出し方は3^n通り。

k (1 ¥le k ¥le n-1)人が勝つ手の出し方は*2

(a)k人の選び方が{}_nC_k通り

(b)勝つ手の選び方が3通り(k人がグーかつ(n-k)人がチョキ等)

の積で

3{}_nC_k通り((1 ¥le k ¥le n-1)

∴求める確率は

¥frac{3{}_nC_k}{3^n}=¥frac{{}_nC_k}{3^{n-1}}

…(答)

(2)

求める確率pは(1)の答えをk=1, ¥cdots, n-1まで合計したもの

p=¥frac{¥sum_{k=1}^{n-1}{}_nC_k}{3^{n-1}}=¥frac{-2+¥sum_{k=0}^{n}{}_nC_k}{3^{n-1}}

さて、二項定理

(a+b)^n=¥sum_{k=0}^{n}{}_nC_k ¥cdot a^k ¥cdot b^{n-k}

a=b=1を代入して

¥sum_{k=0}^{n}{}_nC_k =2^n

なので、

p=¥frac{2^n-2}{3^{n-1}}…(答)

(3)アイコ以外がでるまでじゃんけんを行う回数をXとする。

よって求める期待値E(X)

E(X)=p¥sum_{n=1}^{¥infty}nq^{n-1}(ただしq=1-p

とおける。

さて

¥sum_{n=1}^{¥infty}q^n=¥frac{q}{1-q}=-1+¥frac{1}{1-q}

の両辺をq微分0<q<1より左辺は項別微分可能)すると、

¥sum_{n=1}^{¥infty}nq^{n-1}=¥frac{1}{(1-q)^2}

E(X)=¥frac{p}{(1-q)^2}=¥frac{1}{p}=¥frac{3^{n-1}}{2^n-2}…(答)

(別解)

Y=X-1幾何分布G(p)に従う。

E(Y)=¥frac{1-p}{p}=¥frac{1}{p}-1

(参考

http://actuary.upthx.net/pukiwiki/index.php?1.1.1.2.4.%CE%A5%BB%B6%B7%BF%B3%CE%CE%A8%CA%D1%BF%F4%A4%CE%CE%E3#g92b35bf

よって求める期待値E(X)

E(X)=E(Y)+1=¥frac{1}{p}=¥frac{3^{n-1}}{2^n-2}…(答)

*1:trは行列のトレース

*2:「n人が勝つ」ということはありません。

katkat 2011/01/13 00:06 NISSAYの問題間違ってますよ.NISのあとに,ASY,AYS,SAYと続くはずなので,138番目です.

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100211