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アクチュアリー試験数学の研究



 アクチュアリー試験
 (社団法人日本アクチュアリー会資格試験、アク試験)
 に関して、一定の基礎力を有する方を対象に、
 より合格を確実にするための
 効率的な解法
 の追究を主目的としたブログです。
 なお、メールアドレスは
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 また、質問のメール等を出される場合は、
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2010-05-31 (損保の)アクチュアリー2次試験について

しばらくぶりのエントリーですが、今日はいわき@s_iwk)さんのブログのエントリー

http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/2-8042.html

を受けて私の方でも2次試験についてエントリーを立ててみることにしました。


ブログは主に1次試験特に数学の受験者を対象とするもので、以下、既に全科目受かった方、あるいは今2次試験に挑戦されている方には当たり前のことになってしまうのかも知れないのですが、まだ2次試験の問題を見られたことのない方などには、何がしかの参考になれば幸いです。

なお、

(a)(私も)試験委員はやったことがないこと

(b)損保で2次試験を受けたので、以下損保に関する記述が中心となり、生保年金には当てはまらない部分もあること

は御了解ください。

1.論述までの準備(知識面) 20:24

2次試験は上腕三頭筋が痛くなったりした記憶がある*1ほどの記述量があるのは確かで、どうしても「論述」に光があたってしまいがちですが、実は

論述以前に知識面を充実すべき

と考えます。


例えば、受験要領

(去年のものは

http://www.actuaries.jp/examin/H21exam/H21-all.pdf

です)

をご覧になると分かりますが、

昨年から

全体の6割程度が『アクチュアリーとしての実務を行う上で必要な専門的知識を有するかどうかを判定する問題(第I部)』

全体の4割程度が『アクチュアリーとしての実務を行う上で必要な専門的知識に加え問題解決能力を有するかどうかを判定する問題(第II部)』

で構成されていて、

第I部、第II部のいずれかでも最低ライン(第I部・第II部ごとの満点の40%を基準として試験委員会が相当と認めた得点)に達していない場合は、不合格

とされます。


このように第I部(知識問題)と第II部(論述問題)に分かれた出題は、少なくとも損保では前から行われていて*2、それが明文化されたに過ぎないと理解しています。(ただし、生保年金はそうはなっていなかったと思います)


つまり、いくら論述問題ができても知識問題ができなければアウトということになります。もっとも、これはほとんどナンセンスな話で、以下で述べるように、知識の裏付けがあってはじめていい論述ができると考えます。


したがって、問題は

知識をどう身につけるのか

ということになります。


もちろん1次試験と同様に

過去問題をみて出題されやすいところを探り、該当箇所を教科書で押さえる

ことが基本になるのですが、2次試験ではそれだけでは必ずしも十分でありません


それは、2次試験で必要とされる知識は日々進化・拡大しており(近年進化のスピードが更に加速)、過去問・教科書の記述が文字通り過去のものになり、ときには間違いにすらなる可能性もあるからです。

そのような意味で、日々の知識のアップデートが必要になってきます。当然(損害)保険会社に所属していればいろいろな情報が流れてくる(回覧等)のですが、それだけでは必ずしも十分とはいえず、例えば以下のようなサイトや書籍を能動的に訪問・購読することが望ましいと考えます。


(1)金融庁のサイト

金融庁のサイトで掲載されている、法規の情報及び次の法規集全般に言えることですが、

可能な限り「原典」に当たる

ようにされるとよいと考えます。

つまり、教科書に「○○法第△条」と書かれていてもそれで満足せず、以下のサイト等で都度ご自身で確かめることが望ましいと考えます。当然手間はかかりますが、そうした方が頭に残りやすいです。

(a)トップページ

http://www.fsa.go.jp/index.html

(b)報道発表資料

http://www.fsa.go.jp/news/index.html

(c)パブリックコメント

http://www.fsa.go.jp/public/index.html

(d)所管の法令

http://www.fsa.go.jp/common/law/index.html

(e)告示一覧

http://www.fsa.go.jp/common/law/kokuji.xls

エクセル内で各告示のPDFにリンク)

(f)保険会社に係る検査マニュアル

http://www.fsa.go.jp/manual/manualj/hoken.pdf

(g)同項目別

http://www.fsa.go.jp/manual/manualj/hoken.html

(h)保険会社向けの総合的な監督指針

http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ins/index.html

(i)同PDF版

http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ins.pdf

(j)同別紙様式集(PDF)

http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ins_b.pdf

(k)新着情報配信サービス

http://www.fsa.go.jp/haishin/service_top.htm

(2)法規集

(a)保険関係法規集(byいわきさん)

http://www.nn.em-net.ne.jp/~s-iwk/

法律で参照される府令がリンクで示されていたり、複雑な多重括弧が色分けされていたりと、至れり尽くせりです。告示がまとまっているのも貴重です。(今は上記の金融庁の「所管の法令等」で告示が見られるようになりましたが、その昔はそれもなくここが唯一のよりどころでした)

(b)法令データ提供システム(電子政府:e−gov)(上記(a)「保険関係法規集」にもある例)

保険業法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H07/H07HO105.html

保険業法施行令

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H07/H07SE425.html

保険業法施行規則

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H08/H08F03401000005.html

(c)法令データ提供システム(電子政府:e−gov)(上記(a)「保険関係法規集」にない例)

地震保険に関する法律

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S41/S41HO073.html

地震保険に関する法律施行令

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S41/S41SE164.html

地震保険に関する法律施行規則

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S41/S41F03401000035.html

租税特別措置法(第57条の5:保険会社等の異常危険準備金)*3

http://is.gd/cwMNg

租税特別措置法施行令(第33条の5:保険会社等の異常危険準備金)*4

http://is.gd/cwMOm

(d)国税庁長官通達法令解釈通達 法人税関係 個別通達

平成15年12月19日付課法2-24

損害保険会社の所得計算等に関する法人税の取扱いについて (法令解釈通達)」

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/031219/01.htm

(3)ニュース

余談ですが、官報以外の記載内容(特に記者の「私見」が入っている部分)は必ずしも正確ではないので要注意です。

(a)官報(過去30日分閲覧・ダウンロード可能です)

http://kanpou.npb.go.jp/

(b)日本経済新聞経済ニュース)

http://release.nikkei.co.jp/isclassList.cfm?lindID=3&sindID=60

(c)Yahoo!ニュース 保険業

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/insurance_companies/

(d)保険毎日新聞

(見出しとトップ1記事だけですが…)

http://www.homai.co.jp/

(e)フジサンケイビジネスアイ金融

http://www.sankeibiz.jp/business/lists/financials-n.htm

(f)日経プレスリリース

http://release.nikkei.co.jp/isclassList.cfm?lindID=3&sindID=60

(4)書籍

(a)「損害保険会計と決算」(損保総研

http://www.sonposoken.or.jp/content/view/full/3064

損保2(損保会計)受験者必携の書籍のみならず合格後も役立つ書籍*5です。

(毎年更新されるため、教科書の"outdatedness"を補完してくれます)

(5)海外の情報

余裕があれば、海外の関連サイト

(例えばソルベンシーIIなら

CEIOPS(Committee of European Insurance and Occupational Pensions Supervisors)

http://www.ceiops.org/

なども適宜当たるとより効果的です。

ただし、当然ながら膨大な英文と格闘しなければならないですし、これまで述べた国内の関連サイト・書籍だけでも十分に「おなかいっぱい」になると思います。

費用対効果の大きい方法として、まずは、Twitter上で、Yosuke Fujisawa(@actuaryjp)さんをフォローされることをお勧めします。


(6)昔との比較

前記のとおり、必要とされる知識量は、昔と比べてどんどん増しているのですが、

(a)インターネットの発達によって昔より楽に情報を得られるようになったこと

(b)人目にほとんど触れることのない「文献」からの出題がほとんどなくなったこと

は昔より有利な点として挙げられます。*6

2.論述問題について 20:24

まず、いわきさんも述べられていますが

アクチュアリージャーナル第66号(2008年8月)の

「第2次試験に向けた勉強を進める上での留意事項」(以下「留意事項」)

は必読です。*7

(2010/5/31 21:13 JST 追記

まいすさんから

(1)当該留意事項がアクチュアリー会のサイトに残っている

http://www.actuaries.jp/examin/guide.pdf

こと

(2)説明会の資料が会員限定サイトに残っている

(事務局からのお知らせ→お知らせ一覧→第2次試験受験者向け説明会資料(2008年11月12日))

とのご指摘

http://twitter.com/maisudai/status/15102456389

がありましたので記しておきます。)


以下、留意事項といわきさんのブログで触れられていない点について主に述べます。

(1)論述の時間と得点について

しばしば忘れがちなこととして論述にかけられる時間の問題があります。

御存じのとおり、試験時間は3時間ですが、上記のとおり知識問題(といっても単なる語句の穴埋めだけではなく、計算や短文記述などバラエティーに富む)もあるので、論述にかけられる時間はせいぜい70〜80分がいいところです。

この時間内で

題意の把握→論理の構成→実際の書き込み→推敲

まで行わなければならず、実際に鉛筆シャープペンシル含む。以下同じ)をつかって書ける時間はせいぜい1時間がいいところです。


一旦書き始めたら大きく構成を変更できないのはもちろんですが、そもそも、

これだけの短時間で真に斬新なアイデアを生み出すことが極めて困難

です。

つまり、ごく穏当な論述になってしまうことが少なくありません(あまりに独自のものをと考え過ぎると、独りよがりの論述になり試験官の心証を大いに損ねる危険性が極めて高いです)。


よくできる方は別として、論述では穏当な内容でせいぜい5割(20点/40点)程度で、そのかわり知識問題では7割(42点/60点)以上得点し、合計で60点を少し上回るというのが、合格者の平均的な姿ではないかと考えます。(もちろん「普通」といってもそれほど簡単ではないのですが…)


(2)「論」を述べる前に

論述問題は、

「評論」が求められているわけではない

ことに注意する必要があります。

ブログ(書籍も?)ではときどき、保険に関してあまり造詣が深くないと思しき方が、十分な知識の裏付けのない「評論」を展開されているのを見かけます。

これと同じことをアクチュアリー試験でやるのはまずいと考えます。

つまり、正確でできれば豊富な*8な知識の裏付けを試験官に示してから論を進めるべきだし、当事者としてその問題に取り組むつもりで(実現可能な)「解」を提示する必要があると考えます。


いわきさんが上記のブログエントリーで述べられている

「ソルベンシーについての所見を問う問題」

を例にとると、もちろん「現行ソルベンシー・マージン比率の計算方法について長々と書かれ」るのは論外ですが、かといってそういう知識を飛ばして、いきなり「(日本の)ソルベンシー・マージンについてはかくあるべし…」といった実現性の乏しい「評論」を並びたてられても試験官は困惑すると考えます。

この問題だと、例えば

(a)知識面

○ソルベンシーとは何か

○日本におけるソルベンシー・マージン規制制定(平成8年の保険業法改正)の経緯

○現行ソルベンシー・マージン基準の概要と課題

○ソルベンシー・マージン規制の改正の概要

欧州のソルベンシーIIの概要

等を踏まえた(書いた)上で、

(b)論述

◎保険計理人の関与(上記の改正により平成24年3月期より保険計理人の確認対象)

◎自然災害リスクの管理

経済価値(時価)ベースの評価

◎内部モデルの使用

等について

○それぞれの(簡単な)説明

○必要性やメリット

○実現にあたっての課題

アクチュアリーとして何ができるか何をすべきか

を述べる

といった流れになるのではないかと思います。

(3)論述の具体的な対策

(a)論述テーマの予想と論点の整理

知識の習得の過程において、最近の法令の改正動向その他については自ずとキャッチしているはずなので、論述テーマについては、ある程度予想がつくと思います。

それら予想されたテーマについて自分で論点を考えてみて実際に論述してみることをお勧めします。

もちろん上記のように前提となる知識を踏まえなければならないため、それなりに準備が必要になります。

例えば上記のソルベンシーについては本番でも出題が予測される内容の一つで、それぞれの項目を列挙するのは簡単ですが、細かい中身については、いろいろと調べる必要が出てくると思います。

(これについては、例えば

いわきさんのブログの別のエントリー

http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-ad08.html

とそこで示されている各リンクの記事等が参考になると思います。

(b)論点の複数人での検討

以上のような項目の検討については、可能であれば複数の受験生で行うとよいと思います。私も他社の人とそういう論点検討を行い、自分の思ってもみなかった論点を気づかされたことが多々ありました。

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100414

でも述べましたが、受験者同士のネットワーク形成が大事になってくると思います。

(c)実際に書いてみる練習

以上の個人(&グループでの)論点整理を踏まえ、答案を自分の手で書いてみる(PCのキーボードを打鍵するのではなく)必要があります。

上記のようにいくら出題内容が予測でき、論点が整理できたとしても70〜80分で書ける量は限られている(模範解答を「そのまま」書くと絶対に時間が足りない!)ので、どこまでの内容が書けるのかを自分の手で把握することが必要だと考えます。

また、(自分も含めてですが…)普段鉛筆で文字を書く機会はほとんどなくなっていると思うので、忘れている漢字等を思い出すいい機会でもあります。

(d)その他

表記面についてはいわきさんのブログでも述べられていますが、その他、九州大学の田口雄一郎先生が書かれている

「採点について」

http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~taguchi/nihongo/gakusei/grading.html

等も参考にされるとよいと思います

3.まとめ 20:24

いろいろと書いてしまいましたが、

2次試験については、毎年一定割合(損保だと、概ね2割前後)の合格者数が出ているのも確か

です(1次試験の一部の科目のように、この比率が年によって4割になったり1割未満になったりはしない)。

いわきさんのブログの記述、留意事項及び本稿の内容等を踏まえた上で、

諦めずに取り組めば必ず道は拓ける

と思います。

受験者の皆様が、1次試験のみならず2次試験も無事クリアされることをお祈りいたします。

以上

*1いわきさんのブログでは「腱鞘炎」と記されていますが…

*2:「足切り」はなかったと思いますが

*3:短縮URLを使用

*4:同上

*5:2次試験の教科書も合格後使えます。

*6:昔は特に損保2(損保会計)に関しては、経理部にいないと入手しにくい情報からの出題がありました

*7アクチュアリー会のサイトにもアップされていたと思いますが今はなくなっていますと書いたのですが残っているというご指摘を受けました↑をご覧ください。

*8:正確性が優先されます。不正確な知識は有害無益です。

fukumayafukumaya 2010/05/31 21:31 *7ですが、会員限定サイトにはあるようです。
2次試験向けのものだから、といったところでしょうか。
https://www.actuaries.jp/member/user/index.php?mode=msgbd&mode_sub=detail&id=161

actuary_mathactuary_math 2010/06/02 22:07 fukumaya さん
コメントありがとうございます。会員限定サイトにあることについては他の方からもご指摘を受けたので*7の注で余計な記述を取り消しました。

2010-05-02 アクチュアリー試験の歴史(暫定版)

今日は、次の各Tweetsからこのようなエントリーを立ててみました。

http://twitter.com/s_iwk/status/13169008308

昭和時代の試験は1科目で準会員 RT @actuary_math: 1科目通ってなれるのは研究会員です。準会員になるには1次5科目全部受からないといけません QT @call_me_nots RT @maznami アクチュアリーの準会員って、まだ試験一科目通ればなれますか?

http://twitter.com/riskywheel/status/13169586772

部長格の人になんでこの人が準会員って人がいるのはそのせいか。納得。RT @s_iwk: 昭和時代の試験は1科目で準会員 RT @actuary_math


いわき@s_iwk)さんのご指摘のとおり、今は1次試験に全部合格しないと準会員になれない(4科目までの合格は研究会員)ですが、昭和時代は1科目でも合格していれば「準会員」と呼ばれていました。


このこと自体は、「呼称」だけの問題で、上記の(Risky dice(@riskywheel)さんが御判断された)ような目的か、保険業法施行規則の少額短期保険業者の保険計理人の要件*1

http://www.nn.em-net.ne.jp/~s-iwk/2010-04-01/kisoku/a211_49.html

第211条の49(保険計理人の要件に該当する者)

法第272条の18において準用する法第120条第2項に規定する内閣府令で定める要件に該当する者は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する者とする。

社団法人日本アクチュアリー会の正会員であり、かつ、保険数理に関する業務に3年以上従事した者

社団法人日本アクチュアリー会の準会員(資格試験のうち5科目以上に合格した者に限る。)であり、かつ、保険数理に関する業務に5年以上従事した者

(太字引用者) (2010/5/3 この行修正)

とわざわざ断り書きを付けている理由を知る目的くらいにしか使えないトリビアですが、アクチュアリー試験範囲の微妙な変更等は過去問を見る上でも有益な情報だと思いますので昭和後期からのアクチュアリー試験の歴史を纏めてみることにしました。


とはいえ、さすがにアクチュアリー試験の過去の試験要領が今残っているはずもなく、下記は記憶と今アクチュアリー会ホームページに残っている限りの情報を頼りに作った「暫定版」です。


記憶違い等もあるかも知れませんので、皆様のご指摘(又は追加)をお待ちしております。


〜1988(昭和63)年

1次試験・2次試験の区別はなく、1科目でも受かれば準会員(研究会員はなかった)

6科目(数学1(確率)・数学2(統計)・保険数学1(基礎)・保険数学2(応用)・法規・経営)

なお、保険数学生保数理(+保険数理2の一部に年金数理)であり、損保数理は含まれない。


(2010/5/3 追記)

いわきさんより、「昭和時代も研究会員はあったはず」というご指摘

http://twitter.com/s_iwk/status/13239866226

を受けたので、「(研究会員はなかった)」という記述に取り消し線を入れました。


(2010/5/5 追記の追記)

いわきさんより、当時の「研究会員」について

http://twitter.com/s_iwk/status/13353878058

当時はそもそも研究会員または準会員のみ受験可能だったので、試験を受ける前に入会が必要だったようです。入会方法は「入会の申込をし、理事会の承認を得」ることとあるので、例の正会員2名の推薦というやつでは。

とご教示をいただきました。

一応補足いたしますと、今の制度でも研究会員になるには試験に1科目合格することが基本ですが、「正会員2名の推薦」があれば(試験に合格していなくても)研究会員になることが可能です。


(2010/5/5 追記の追記の追記)

さらに上記に関して、生保アクチュアリーのむしまん(@mushiman2)さんより、

http://twitter.com/mushiman2/status/13397655313

iaj100年史の36、96、185ページにくわしいようです

とご教示をいただきました。

ちなみにIAJとはthe Institute of Actuaries of Japanの略で日本アクチュアリー会の英訳になります。

ついでに申し上げると、

(1)日本アクチュアリー会正会員はFIAJ(Fellow of the Institute of Actuaries of Japan

(2)日本アクチュアリー会正会員はAIAJ(Associate of the Institute of Actuaries of Japan

です。


1989(平成元)年

新試験制度(1次試験・2次試験)制度の開始

1次試験:数学1、数学2、保険数学1、保険数学2、年金数理、会計・経済

2次試験:保険コースと年金コースで各2科目

保険コースは、更に生命保険損害保険に分かれており、

保険1が主に商品分野、保険2が主に経理分野

年金1は適確退職年金年金2は厚生年金基金制度等

保険1を生保でとって保険2を損保(あるいはその逆)も可能だった?(実際やった人はいないと思いますが)

1次試験に1科目合格で研究会員、1次試験に全部合格すると準会員

旧試験制度に合格による免除(みなし合格)措置あり

なお、旧試験制度の1科目以上合格で「準会員」という呼称があっても、1次試験の残り(みなし合格以外の)科目に全部合格しないと2次試験には進めない。


1995(平成7)年

投資理論が追加され会計・経済投資理論に

このときのウエートは会計30、経済投資各35


2000(平成12)年

1次試験が6科目から現在の5科目に再編

数学1+数学2⇒数学

保険数学1+保険数学2⇒生保数理

損保数理が追加

このころ投資理論の試験範囲にデリバティブが追加され、投資理論のウエート増?

なお、保険コース、年金コースが生保コース、損保コース、年金コースに再編され、生保1+損保2(損保1+生保2)のクロス

合格は明確に不可になった。

再編前の試験合格による免除(みなし合格)措置あり、

数学1・2の両方に合格していると数学が免除

保険数学1・2の両方に合格していると生保数理が免除

数学1・2、保険数学1・2のどれか1科目にでも合格している人は損保数理が免除だったはず?


2005(平成17)年

数学モデリングが加わる。

このころ会計の教科書の変更?

( 2010/10/12 追記

@さんのご指摘

http://twitter.com/primes2/status/27044101673

により変更)


2006(平成18)年

数学の試験問題が全部選択式に。(翌年のマークシート式への布石?)

会計の教科書が変更

( 2010/10/12 追記

@さんのご指摘

http://twitter.com/primes2/status/27044101673

により変更)


2007(平成19)年

1次試験がマーク式に

このころ、不合格の場合の得点ランクの通知開始?


2009(平成21)年

会計・経済投資理論に足切りラインの設定(3分野のそれぞれで4割とれなければ不可)

これまで「噂」の域を出なかった合格ライン(60%)の明示

投資理論の教科書変更

会計、経済の教科書がそれぞれ新版に

経済の試験範囲に「ゲーム理論」が追加


以上

(2010/5/3 追記)

Yosuke Fujisawa(@actuaryjp)さんより

米国アクチュアリー試験の歴史に関してまとめたPDF

http://www.anea-asna.ca/documents/2006-2007/Waterloo_University_-_Educating_the_21st_Century_Actuary_by_Mary-Hardy.pdf

があるというご教示

http://twitter.com/actuaryjp/status/13248953432

をいただきました。


(2010/5/5 追記の追記)

Yosuke Fujisawaさんより上記の資料について

http://twitter.com/actuaryjp/status/13302104580

伝統的なアクチュアリー技法→コンピュータの出現→金融工学との融合、という流れがよく分かる。作者は米国アクチュアリー会の試験責任者です。

があるというご教示をいただきました。

*1:かつての損害保険会社の保険計理人の要件の1つに準会員で実務経験10年以上というのがありましたが、この準会員も「5科目以上合格者」に限られていました。

セイレーンセイレーン 2010/06/26 18:18 はじめまして。

アクチュアリー会試験で忘れてならないのは日本生命の大館義雄氏でしょう。

大館氏はアクチュアリー会試験を全科目満点で合格されました。これは戦前の話ですが、全科目満点は今後も無いと思います。

また大館氏は日本初の利源別配当を考案しただけでなく、男女別の生命表を初めて作った方でもあります。

同じ日本生命の国崎裕氏の考案で大館義雄賞というアクチュアリー会試験の優秀者に贈られる賞が設けられました。

ちなみに国崎氏は東大経済学部を卒業したアクチュアリーです。

大館氏は出征の間に一家全員を空襲で失いました。また日本生命が相互会社として再創業する際に一般社員で唯一発起人に名前を記しています。

大館氏は40代で亡くなりました。

文章が長くなり申し訳ありませんでした。

actuary_mathactuary_math 2010/06/27 09:18 セイレーンさん

コメントありがとうございます。
(1)全科目満点
(2)利源別配当
の話は聞いたことがありますが、その他の話は恥ずかしながら存じませんでした。

なお、大館賞は今は「理事長特別賞」と名前を変えています。

今後ともよろしくお願いいたします。