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アクチュアリー試験数学の研究



 アクチュアリー試験
 (社団法人日本アクチュアリー会資格試験、アク試験)
 に関して、一定の基礎力を有する方を対象に、
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2010-06-10 アクチュアリー試験年金数理の参考書の書評その他

久しぶりに(?)1次試験の話題です。

今日は読者の方から、メール*1をいただきました。ご質問者の方(学生さん)のご了解を得たので、質問文と回答を掲載したいと思います。


<質問>

今年5科目受験を考えています

(1)*2年金数理について指定テキストを読んでいますが過去問を見ると必ずしも傾向にあっていない気がしますがテキスト以外でどのような参考書などを使っていけば効果的な勉強ができるでしょうか?

(2)各科目ごとに過去問題は何年分やればいいのでしょうか?たとえば10年分とか

(3)記号を覚えることも大変ですが、問題を見ると長文の内容を理解しなければ解けない問題が多数ですが、文章題への対応はどうやっていけばいいでしょうか?


<回答>

(0)

まず、(1)〜(3)にお答えする前に

「5科目受験」というのには慎重な検討が必要

と考えます。

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090827

でも触れましたが、5科目エントリーされる方で共倒れになるケースを少なからず見ています。

当該エントリーをご覧になった上で、基礎力とかけられる時間を測定する必要があると考えます。

なお、

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091130

で触れた方も昨年5科目受験されたようですが、ある時期から当該掲示板に書き込みをされなくなっています。


(1)

残念ながら特に年金数理については、指定テキストを超えるいい参考書がなかなか見つからない状態です。

とりあえず書籍・資料名と寸評を記しておきます。

(a)黒田耕嗣 (編集)、塩谷実・斧田浩二・小野 正昭 (著)「生保年金数理〈2〉理論・実務編」

ISBN:4563011126

生保数理の後半と年金数理1冊になった本です。「生保年金数理〈1〉理論編」(ISBN:4563011118)の続編で<1>の方は数学生保数理の前半まで易しくかつコンパクトにまとまっていますが、こちらの方は実務との関係にも軸足が置かれている模様で必ずしも試験向きとはいえません。

なお(試験という観点を離れますが)、巻末のアクチュアリー記号の解説は素晴らしいです。

(b)日本年金数理人会 (編集) 「年金数理概論」朝倉書店

ISBN:4254290063

年金数理人会編集の本ですが、教科書とは書き方が違っている点もあるので要注意です。

(c)小暮雅一「保険の数学生保・損保・年金」保険毎日新聞社

ISBN:4892930342

生保数理、損保数理、年金数理の基礎がまとまった本ですが、これだけでは試験をカバーできません。*3

まともな書評

The企業年金BLOG「保険の数学

http://dbdc.seesaa.net/article/149389035.html

をご覧下さい。

(d)東京工業大学年金数理」講義資料

http://www.me.titech.ac.jp/senkou/sjinfo.html

これもこれだけでは試験範囲がカバーできません。

The企業年金BLOG東京工業大学大学院年金数理』講義資料」

http://dbdc.seesaa.net/article/127383318.html

をご覧下さい。

(e)年金数理人会能力判定試験

http://www.jscpa.or.jp/siken/indexs.html

アクチュアリー試験年金数理の試験委員と同じようなバックグラウンドを持つ方々が作られていると考えられますので、本番の問題の参考になりますが、解答だけで解説がないのが難点。受験前の力試しとしての活用向けかも知れません。

(2)

これは人によって答えが違うと思いますが、私は5〜6年程度やれば十分だと考えます。少なくとも平成12年から新制度になっているのでそれ以前の問題には取り組まなくてよいでしょう。(特に新制度に入る直前の数学2(統計)の問題は激烈に難しいです)

過去問への取り組み方の一例については、

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090827 (前掲)

をご参照ください。

なお、過去の問題に取り組む際には試験範囲の変更

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100502

等に要注意です。

また、

(a)会計については、最近毎年のように会計制度の改正がある

(b)年金数理については現実の制度改正に教科書がついていっていない

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20080819

点等にも要注意です。


(3)

ここですが、申し訳ないですが確たる答えを持ち合わせていません。*4

高校生向けのサイトで恐縮ですが、何らかのご参考になれば幸いです。

http://manabi.benesse.ne.jp/kuchikomi/question/first/study/mathematics/9343/

以上

*1:なお、メールでご質問される方は、http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090510 とそのリンクにお目通しください。

*2:原文では丸数字の1ですが、機種依存文字のため変更

*3:正確には私が見たのは旧版の方だけですが、新版は旧版とほとんど変更ない模様です。

*4:私自身は数学の文章題を読むのに困ったという経験がありません

SCENES OF TOWNSCENES OF TOWN 2010/06/13 12:18 トリビアですが、
(d)東京工業大学「年金数理」講義資料
を書いて(講義して)いらっしゃるのは、ア会のテキスト「年金数理」の
執筆者の方の一人ですね。

actuary_mathactuary_math 2010/06/13 14:15 SCENES OF TOWN さん
情報ありがとうございました。

actuariesactuaries 2010/10/07 19:17 ちなみに、講義してらっしゃる方は東工大数学科卒でもともと生保で年金アクチュアリーをやっていたそうですよ。

actuary_mathactuary_math 2010/10/08 21:34 actuaries さん情報ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。