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アクチュアリー試験数学の研究



 アクチュアリー試験
 (社団法人日本アクチュアリー会資格試験、アク試験)
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2010-10-14 平均・分散の推定(損保数理の問題から)

今日は、読者の方(以下「Aさん」と表記します。)からのいただいた損保数理の問題(平成17年度の損保数理の問題1の(5))に関連し、

平均・分散の推定

というテーマで考えてみます。


問題は次のとおりです。(過去問題集からの引用)

ある保険のポートフォリオが、次のとおり与えられているものとする。

(i)*1被保険者のクレーム件数はポアソン分布に従う。

(ii)被保険者ごとに被保険者のクレーム件数の平均は異なる値をとる。

(iii)1,000人の被保険者を無作為に抽出したところ、各被保険者ごと*2のクレーム件数は下表のとおりであった。

クレーム件数n012345
被保険者数f_n512307123411161,000

(iv)クレーム額の平均は1,500、分散は6,750,000である。

(v)クレーム額とクレーム件数は、互いに独立である。

(vi)95%の確率でクレーム総額が上下5%以内に入る場合に全信頼度を与える。

なお、

¥frac{1}{¥sqrt{2¥pi}}¥int_0^{1.96}¥exp¥left(¥frac{-x^2}{2}¥right)dx=0.475

とする。

このとき、クレーム総額の期待値に全信頼度を与えるために必要な被保険者数を、次の選択肢の中から選ぶとして、そのうちで最も小さいものはどれか。

(A)1,000

(B)3,000

(C)5,000

(D)7,000

(E)9,000

(F)11,000

(G)13,000

(H)15,000


解答では、

クレーム件数をN、クレーム額をX、クレーム総額をSとして、

E(S)=E(N)E(X)=¥frac{0 ¥times 512+1 ¥times 307+ ¥cdots 5 ¥times 6}{1,000} ¥times 1,500=1,125

V(S)=E(N)V(X)+V(N)E(X)^2 *3

=0.75 ¥times 6,750,000+¥left(¥frac{0^2 ¥times 512+1^2 ¥times 307+ ¥cdots 5^2 ¥times 6}{1,000} -0.75 ¥right)¥times 1,500^2=7,158,375

としたあとで、

n ¥ge ¥left( ¥frac{1.96}{0.05}¥right)^2 ¥cdot ¥frac{V(S)}{¥{E(S)¥}^2}=8,691

としています。


Aさんは、次のようなご質問をされました。

ここで私が答えを見ても理解できなかったことがあります。

クレーム件数をN、クレーム額をX、クレーム総額をSとおいています。

E(N)とV(N)を1000人の被保険者を無作為に抽出した標本から求めています。

この無作為に抽出した値は標本平均と標本分散になるのではないですか?

E(N)とV(N)は母平均と母分散でこの問題のクレーム額の母平均、母分散ように与えられるものかまたは、被保険者数を無限大にして近づけるものではないのですか?


Aさんのご質問にはない点ですが、この問題では、

「被保険者のクレーム件数はポアソン分布に従う。」という部分は問題を解くのに直接関係ない

ということに注意しなければなりません。

実際、個別の被保険者のクレーム分布がどうであろうと、そのパラメーターが一定でない(何らかの分布に従う)のであれば、全体のクレーム件数の分布は別の分布になります。

(例えば、パラメーターがガンマ分布に従う場合は、全体の件数の分布は負の二項分布になります。もちろん、パラメーターの分布が与えられていないにで負の二項分布になるという保証もありません。)

もちろん損保(だけではなく生保年金もそうでしょうが)の実務では、膨大な情報の中から不要な情報を捨て、必要な情報のみを選び取る能力が必要ですが、それを「損保数理」の試験として課することが適当かどうかは議論の余地があると思います。


さて、Aさんのご質問に戻ると、

まず、

(1)クレーム件数の平均と分散であるE(N)とV(N)は、1,000件の抽出データ(標本)からの「推定」値なのですが、問題文では、どのように推定すべきかその方法が明記されていないし、解答では、E(N)やV(N)を推定したという事実が明記されていない

点がポイントだと考えられます。

もっとも推定量の計算方法としては、教科書(平成21年7月改訂版)の0-21ページには

a.モーメント法

b.最尤法

しか明記されておらず、b.最尤法は使えない(Nの分布の情報が与えられていないので)ので、

「当然モーメント法を使うべきだ」

というのが暗黙の前提となっているのかも知れません

次のポイントとして、

(2)モーメント法を使うとして

E(N)の推定値を標本平均とすることは自然としても、

V(N)の推定値は標本分散とするか、標本不偏分散とするか?

という点があります。


例えば、

X_1,X_2, ¥cdots ,X_nが独立に平均¥mu、分散¥sigma^2(共に未知)の正規分布に従うn個の確率変数とするとき、

標本分散

S^2=¥frac{(X_1-M)^2+(X_2-M)^2+ ¥cdots +(X_n-M)^2}{n}

は、分散¥sigma^2最尤推定量ですが、不偏推定量ではありません。

(例えば、

http://actuary.upthx.net/pukiwiki/index.php?1.1.2.2.1.%B3%C6%CA%AC%C9%DB%A4%CE%B4%D8%B7%B8

御参照)


より一般には次のことが言えます。

(命題)

X_1,X_2, ¥cdots ,X_nを平均¥mu、分散¥sigma^2の独立同分布に従うn個の確率変数とする、

このとき、

標本平均

M=¥frac{X_1+X_2+ ¥cdots +X_n}{n}

標本分散

S^2=¥frac{(X_1-M)^2+(X_2-M)^2+ ¥cdots +(X_n-M)^2}{n}

とおくとき、

E(M)=¥mu

E(S^2)=¥frac{(n-1)¥sigma^2}{n}

つまり、

標本不偏分散

U^2=¥frac{(X_1-M)^2+(X_2-M)^2+ ¥cdots +(X_n-M)^2}{n-1}=¥frac{nS^2}{n-1}

¥sigma^2不偏推定量 

(証明は最後にいたします。)


この問題では、V(N)の推定値を標本分散(分母が1,000)をそのまま採用するのか、標本不偏分散(分母が999)を採用するのかがポイントになります。

もっとも、実務上は、標本数が多ければ、標本分散としても標本不偏分散としても結果の数値に大きな変動がなく*4、標本分散を使うことも少なくないのですが*5、解答例のように、

いきなり注釈もつけずに、標本平均・標本分散を元の分布の平均・分散とし、かつ標本不偏分散に言及しないとAさんのような混乱を来す可能性も懸念される

ところではないかとも考えられます。


上記の命題の証明はそれほど難しいものではないですが、それを掲載して本稿を終わることにします。


(証明)

(a)標本平均

E(M)=¥frac{E(X_1)+E(X_2)+ ¥cdots +E(X_n)}{n}=¥frac{n¥mu}{n}=¥mu

(b)標本分散

iに対して、

X’_i=X_i-¥mu

M’=¥frac{X’_1+X’_2+ ¥cdots +X’_n}{n}=M-¥mu

とおくと、

E(X’_i)=E(M’)=0

であり、

また、

E(X’_i^2)=V(X’_i)=V(X_i)=¥sigma^2


X_1-M=X’_1-M’

=¥frac{n-1}{n}X’_1-¥frac{1}{n}X’_2-¥cdots-¥frac{1}{n}X’_n

(X_1-M)^2

=¥frac{(n-1)^2}{n^2}X’_1^2+¥frac{1}{n^2}X’_2^2+¥cdots+¥frac{1}{n^2}X’_n^2+¥sum_{1 ¥le i<j ¥le n}¥alpha_{i,j}X’_iX’_j

(ただし

¥alpha_{1,j}=-¥frac{2(n-1)}{n^2}

¥alpha_{i,j}=¥frac{2}{n^2} ¥, (i>1)

これより、

E¥{(X_1-M)^2¥}

=E¥left(¥frac{(n-1)^2}{n^2}X’_1^2+¥frac{1}{n^2}X’_2^2+¥cdots+¥frac{1}{n^2}X’_n^2¥right)(∵E(X’_iX’_j)=E(X’_i)E(X’_j)=0

=¥left(¥frac{(n-1)^2}{n^2}+¥frac{n-1}{n^2}¥right)¥sigma^2

=¥frac{(n-1)¥sigma^2}{n}

E(S^2)=¥frac{(n-1)¥sigma^2}{n}¥cdot¥frac{n}{n}=¥frac{(n-1)¥sigma^2}{n}…(証明終)

*1:もともとは丸数字だったのですが、機種依存文字のため(i)〜(xi)としました。

*2:原文まま

*3:原文ではV(S)=E(N)V(X)^2+V(N)E(X)^2となっていますが、V(X)^2V(X)の誤植ではないかと考えられます。

*4:本問でも、標本分散だと答えが8,691となるとこころ、標本不偏分散だと8,694であり、もちろん結果の選択肢に影響はしない

*5:例題で学ぶ損保数理(isbn:4320017358)の例題17でモーメント法による推定を行っていますが、ここでは標本分散をもとの分布の分散の推定値として採用しています

2010-10-04 「『災害保険金の話』の話」の話

(2010/10/11 追記:生保災害保険金地震免責かどうかは、会社によって違いがあるのは確かですが、損保系生保かどうかではないというご指摘を受けました。

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20101011

をご覧ください。)

かなり長い間空いてしまいましたが、今日は、災害」を巡る生保と損保の考え方の違いについてなかなか興味深いことが分かったので、それを書いてみたいと思います。

いわき( @ )さんが、

あるFP(フィナンシャルプランナー)氏が著した

地震時には受け取れない?! 「災害保険金の話

http://trendy.nikkeibp.co.jp/lc/gofun/070110_saigai/

を受けて、

災害保険金の話」の話

http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-6c2d.html

というのを書かれています。

災害特約」とか「傷害特約」といった商品は約款上、保険金が受け取れないことがあるがそれは「この特約の計算の基礎に影響を及ぼすとき」であり、阪神・淡路大震災でも「計算の基礎に影響を及ぼす」とはいえないので、支払条件を曲解して不安をあおるのはFPとしてどうか

という話です。


ここで、件のFP氏がなぜ「曲解」したのか考えてみました。


FP氏は、「損保・生保の本店業務部門を経て独立系FP」とあり、損保が主なバックグラウンドであることがわかります。(あとでの考察から「生保」とは「損保」の子会社の「生保」だと思われます。)


損保の傷害保険では確かにFP氏のおっしゃるとおり、(割増保険料を払って特約を付帯しない限り)地震に対しては保険金が支払われません

(例えば、東京海上日動火災の傷害保険普通保険約款

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/pdf/kokunai_yakkan.pdf

のp1

では、

第3条(保険金を支払わない場合−その1)

*1 当会社は、次の各号に掲げる事由のいずれかによって生じた傷害に対しては、保険金を支払いません。

(8)地震もしくは噴火またはこれらによる津波

となっています。

確かにいわきさんの御指摘のとおり、地震による死者が生命保険会社の経営に与える影響は少ないと考えられますが、地震台風等の自然災害の発生は損害保険会社の経営には大きな影響を与えるので、これらのリスクにはセンシティブになり、免責としたのだと考えられます。(傷害保険だけではなく自動車保険等でも免責となっています。)


問題の規定はいわきさんが引用されている「日本生命の新傷害特約(H11)の例」では、

http://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/shiori/shushin/pdf/02-193-196.pdf

のp3)

では、

第2条(災害死亡保険金、障害給付金の削減支払)

前条の規定にかかわらず、被保険者がつぎのいずれかにより死亡しまたは身体障害の状態(別表12)に該当した場合で、その原因により死亡しまたは身体障害の状態に該当した被保険者の数の増加がこの特約の計算の基礎に影響を及ぼすときは、会社は、災害死亡保険金もしくは障害給付金を削減して支払うかまたはこれらの保険金もしくは給付金を支払わないことがあります

(1)地震、噴火または津波によるとき

(2)戦争その他の変乱によるとき

(太字引用者)

となっているのですが、損保系生保では、書き方が微妙に異なっているようです。


例えば東京海上日動あんしん生命保険の「5年ごと利差配当付終身保険」の

http://ykn.tmn-anshin.co.jp/affix/yakkan2/nagawari/D79-11660/MCNG9C0_%92%B7%8A%84%82%E8%8FI%90g.pdf

「傷害特約条項(本人型)」(約款105ページ)

では、

第1条(災害死亡保険金・障害給付金の支払)

で、

地震、噴火または津波

支払事由に該当した場合であっても保険金・給付金を支払わない場合(以下「免責事由」といいます。)

とした上で、

第2条(災害死亡保険金・障害給付金の支払に関する補則

(6)被保険者が地震、噴火、津波または戦争その他の変乱により死亡し、または身体障害の状態(別表3)に該当した被保険者の数の増加について、当会社が、この特約の計算の基礎に及ぼす影響が少ないと認めたときは、当会社は、その程度に応じ、災害死亡保険金または障害給付金の全額を支払い、またはその金額を削減して支払います

(太字引用者)

この内容が親会社の損保の傷害保険の影響を色濃く受けていることはいうまでもないでしょう。もちろん、このような内容だからといってその後の中越地震などにおいて、損保系ではない生保と支払内容が違っていたということもないはずです。(もし違っていたら社会問題になります。)

まさかのとき、保険金の請求漏れを防ぐためにも、こうしたコマゴマとした特約について一度チェックしてみましょう。契約時に渡された「契約のしおり」という冊子の「約款」をひも解いてみると、どんなときに保険金が支払われるのかよく理解できていない特約や、自分のイメージしている保障内容と異なっているものが、思った以上にたくさんあることがわかります。

と書くFP氏がまさか約款を読んでいないことはないのではないかと考え調べてみたのですが、生保と損保の違いをまた一つ知ることとなった次第です。

このような違いについてはまた、機会があれば記したいと思います。

*1:原文はいわゆる丸数字の1ですが、機種依存文字のため、ここでは普通の1で表現しています。

siba9791siba9791 2013/04/18 13:53 何事も穏便にすめばいいですね

2010-06-10 アクチュアリー試験年金数理の参考書の書評その他

久しぶりに(?)1次試験の話題です。

今日は読者の方から、メール*1をいただきました。ご質問者の方(学生さん)のご了解を得たので、質問文と回答を掲載したいと思います。


<質問>

今年5科目受験を考えています

(1)*2年金数理について指定テキストを読んでいますが過去問を見ると必ずしも傾向にあっていない気がしますがテキスト以外でどのような参考書などを使っていけば効果的な勉強ができるでしょうか?

(2)各科目ごとに過去問題は何年分やればいいのでしょうか?たとえば10年分とか

(3)記号を覚えることも大変ですが、問題を見ると長文の内容を理解しなければ解けない問題が多数ですが、文章題への対応はどうやっていけばいいでしょうか?


<回答>

(0)

まず、(1)〜(3)にお答えする前に

「5科目受験」というのには慎重な検討が必要

と考えます。

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090827

でも触れましたが、5科目エントリーされる方で共倒れになるケースを少なからず見ています。

当該エントリーをご覧になった上で、基礎力とかけられる時間を測定する必要があると考えます。

なお、

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091130

で触れた方も昨年5科目受験されたようですが、ある時期から当該掲示板に書き込みをされなくなっています。


(1)

残念ながら特に年金数理については、指定テキストを超えるいい参考書がなかなか見つからない状態です。

とりあえず書籍・資料名と寸評を記しておきます。

(a)黒田耕嗣 (編集)、塩谷実・斧田浩二・小野 正昭 (著)「生保年金数理〈2〉理論・実務編」

ISBN:4563011126

生保数理の後半と年金数理1冊になった本です。「生保年金数理〈1〉理論編」(ISBN:4563011118)の続編で<1>の方は数学〜生保数理の前半まで易しくかつコンパクトにまとまっていますが、こちらの方は実務との関係にも軸足が置かれている模様で必ずしも試験向きとはいえません。

なお(試験という観点を離れますが)、巻末のアクチュアリー記号の解説は素晴らしいです。

(b)日本年金数理人会 (編集) 「年金数理概論」朝倉書店

ISBN:4254290063

年金数理人会編集の本ですが、教科書とは書き方が違っている点もあるので要注意です。

(c)小暮雅一「保険の数学―生保・損保・年金」保険毎日新聞社

ISBN:4892930342

生保数理、損保数理、年金数理の基礎がまとまった本ですが、これだけでは試験をカバーできません。*3

まともな書評は

The企業年金BLOG「保険の数学」

http://dbdc.seesaa.net/article/149389035.html

をご覧下さい。

(d)東京工業大学「年金数理」講義資料

http://www.me.titech.ac.jp/senkou/sjinfo.html

これもこれだけでは試験範囲がカバーできません。

The企業年金BLOG「東京工業大学大学院『年金数理』講義資料」

http://dbdc.seesaa.net/article/127383318.html

をご覧下さい。

(e)年金数理人会能力判定試験

http://www.jscpa.or.jp/siken/indexs.html

アクチュアリー試験の年金数理の試験委員と同じようなバックグラウンドを持つ方々が作られていると考えられますので、本番の問題の参考になりますが、解答だけで解説がないのが難点。受験前の力試しとしての活用向けかも知れません。

(2)

これは人によって答えが違うと思いますが、私は5〜6年程度やれば十分だと考えます。少なくとも平成12年から新制度になっているのでそれ以前の問題には取り組まなくてよいでしょう。(特に新制度に入る直前の数学2(統計)の問題は激烈に難しいです)

過去問への取り組み方の一例については、

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090827 (前掲)

をご参照ください。

なお、過去の問題に取り組む際には試験範囲の変更

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100502

等に要注意です。

また、

(a)会計については、最近毎年のように会計制度の改正がある

(b)年金数理については現実の制度改正に教科書がついていっていない

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20080819

点等にも要注意です。


(3)

ここですが、申し訳ないですが確たる答えを持ち合わせていません。*4

高校生向けのサイトで恐縮ですが、何らかのご参考になれば幸いです。

http://manabi.benesse.ne.jp/kuchikomi/question/first/study/mathematics/9343/

以上

*1:なお、メールでご質問される方は、http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090510 とそのリンクにお目通しください。

*2:原文では丸数字の1ですが、機種依存文字のため変更

*3:正確には私が見たのは旧版の方だけですが、新版は旧版とほとんど変更ない模様です。

*4:私自身は数学の文章題を読むのに困ったという経験がありません

SCENES OF TOWNSCENES OF TOWN 2010/06/13 12:18 トリビアですが、
(d)東京工業大学「年金数理」講義資料
を書いて(講義して)いらっしゃるのは、ア会のテキスト「年金数理」の
執筆者の方の一人ですね。

actuary_mathactuary_math 2010/06/13 14:15 SCENES OF TOWN さん
情報ありがとうございました。

actuariesactuaries 2010/10/07 19:17 ちなみに、講義してらっしゃる方は東工大数学科卒でもともと生保で年金アクチュアリーをやっていたそうですよ。

actuary_mathactuary_math 2010/10/08 21:34 actuaries さん情報ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

2010-03-27 アクチュアリー(試験)とルベーグ積分他

前にいわき(s_iwk)さんからTweet

http://twitter.com/s_iwk/status/10897236184

ありがとうございます。○2は @actuary_math さんのご意見を聞きたいところですね。 RT @actuary_math: お気づきかもしれませんが、貴ブログ http://bit.ly/bOCE8t で数学科の新3年生の方から質問が出ているようです。

いただいた件についての私の意見です。


まず、いわきさんのブログ

http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-dc90.html

でのご質問といわきさんのお答えを掲載しておきます。


(ご質問)

来年度から大学(数学科です)の新三年生になる清水と申します。本ブログの記事を読ませていただき、来年の就職活動へ向けて大変参考にさせていただきました。以下、二点疑問に思ったことがありますので、お答えいただければ幸いです。

(1)*1この記事で書かれていること(数学の試験、面接のことなど)は生保、損保、年金業界すべてにほぼ当てはまることなのでしょうか?それとも、いわきさんはある特定の業界を意識してお書きになられたのでしょうか?私は年金業界に一番興味があり、信託銀行を中心に就活をしようと考えているので、このようなことを質問させていただきました。

(2)就活とは関係ありませんが、現代的な確率論を学ぶことは、直接的または間接的にアクチュアリーとしての仕事に役立つことはあるのでしょうか?私はこれまで学んだ数学の中で、ルベーグ積分が一番面白いと思ったので、現代的な確率論もその応用としてしっかり学ぼうと思っています。仕事に役立たなくても現代的な確率論を学ぶことに変わりはありませんが、実際どの程度現代的な理論が実務に生かされているのか興味があり、このような質問をさせていただきました。

以上二点、ご回答よろしくお願いいたします。


(お答え)

清水さん、ご質問ありがとうございます。

(1)冒頭に書いているとおり、これは私の経験に基づくものです。しかし、特定の業界のことを述べる形にならないようには意識しました。信託業界は私自身はあまり詳しくないので、信託銀行に就職された先輩をご存知ならば、その方に話をお聞きになるか、このブログエントリに同意するかどうかを聞いてみるのがいいのではないでしょうか。

(2)正直に言って「仕事に役立つ」というほど直接的に使う機会は多くないと思います。が、身につけておいて損はありません。実務に使うケースとしては、例えば保険の分野はいろいろなところでファイナンス分野との融合が起こっており、確率微分方程式をどんどん使うようになっています。そのような事態は10年前には想像もできませんでした。

先端理論が実務に適用されるようになるには一定の時間がかかるため、(今の)実務で役立つかどうかを基準に勉強内容を選んでいては、常に時代に立ち遅れることになります。確率論はどんな形であれアクチュアリーの基本ですので、継続的に勉強されることをおすすめします。


(2)について先に申し上げると、

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091119

でも述べたように

「(日本の特に損保の)アクチュアリーの現行の実務で測度論的確率論を使ったり測度論(ルベーグ積分論)のお世話になったりすることはあまり多くありません

となります。

また、(日本の)アクチュアリー試験ではルベーグ積分・測度論的確率論を必要とする問題は出ません。

前から何度も申し上げているように、アクチュアリー試験で必要とされている数学の基礎知識は、高校3年まで+大学1・2年の微積分・線型代数までで、あとはそれぞれの科目に必要な知識を身につければ合格できます。(ただし、測度論を知っていると例えば損保数理の教科書が、読み進みやすくなる部分があります。)


もちろん、このことは、ルベーグ積分・測度論的確率論を知らなくても(今のところ)アクチュアリーとしてやっていくことは不可能ではないという意味で、「ルベーグ積分・測度論的確率論を勉強するな」という意味ではありません

当然のことながら、会社に入社後は、(保険であれら保険業法を初めとする)法令の理解を初めとして、数学以外で習得すべきことはいくらでも存在します。そしてそういう知識は会社に入ってから習得した方が効率的なのですが、逆に会社に入るとルベーグ積分論や測度論的確率論等を一からじっくり学ぶのは困難になってきます。興味がない方に無理に強制できるものではないのですが、興味があれば、時間的余裕のある今のうちに学ばれる方がベターだと考えます。


なお、(ご質問者の清水さんは、問題ないと思いますが)ルベーグ積分や確率論「ばかり」を使うと思ってアクチュアリー業界に入ると、イメージと違ったという結果になるかも知れません。数学的な知識そのものより以外に、数学で身に付けた「考え方」*2を使う機会が少なくないのは確かです。


<補足>

本題とは外れるのですが、(1)について以下ご参考までに。

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100317

から始まった「日本の損保アクチュアリーの歴史に関する諸考察」シリーズで今後述べる予定ですが、損保アクチュアリーが本格的に必要とされ始めたのは1998年の保険料率の自由化以降であり、大手損保においてもアクチュアリー採用が始まったのは、それ以降ではないかと考えられます。(アクチュアリー採用という制度のない会社もあると考えます)

したがって、アクチュアリー採用以外でアクチュアリーになっている割合は、損保が一番多いと思います。

特に損保の場合は、まだまだアクチュアリーが不足しているので、アクチュアリー採用以外でも特に理系学部出身者ならば「自己啓発」として受験を勧められることがあります。そしてそういう人がアクチュアリー採用よりも先に合格しているケースもあります。

いわきさんのブログ本文にあった「アクチュアリー採用で入って、アクチュアリーになれなかったら」といった部分ですが、損保については、自分から会社を辞めたりした場合を除いて「(損保の)アクチュアリー採用で入って、アクチュアリーになれなかった」という見切りを付けられたケースは、まだ(ほとんど)ないのではないかと思料いたします。

(アクチュアリー採用ではなく)アクチュアリー試験を受験し(何科目か合格しながら)途中でやめたりしたケースはいくらかありますが、そのような方でも営業部門のみならず本社の商品部門・リスク管理部門等で活躍されている方を何人か知っています。

アクチュアリー試験に1科目も受かっていなくても(数理的な)実務能力を高く評価されている人もいるし、その逆もあります。


このように業界の差もあるのですが、同じ業界でも個々の会社・部署・時期によっても大きな差があるし、今の状態が今後永久に続く保証もなく、結局は、

「入ってみるまでは分からない」

という他ないのかもしれません…。

*1:原文は○1(丸数字の1)でしたが、丸数字は機種依存文字のため変更しています。次も同じ

*2:例えば埼玉大学教授 小池茂昭先生のサイト http://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/skoike/maji.html をご参照

2009-12-18 年金数理人会試験ボット

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091216

に続いて新たなボットを作ってみました。


社団法人日本年金数理人会能力判定試験(以下「年金数理人会試験」)の基礎数理

http://www.jscpa.or.jp/siken/h21/kisuu.pdf

のうち数学の部分の略解をつぶやくボットです。

http://twitter.com/jscpa_exam_bot


http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090225

で始めようとした年金数理人会試験の解説が今年は2回で頓挫してしまったのでその罪滅ぼしです。


利用上の注意は基本的には、

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091216

のそれと同じですが、資格の中にある○数字(○の中に数字)は、機種依存文字のため○1等で代用しています。

特に、当然公式の解答ではありませんので、その正確性等は一切保証しないことにご注意ください。