・今月の 『八乙女×2』 感想。
第23話 「3月は花粉症の季節」 の感想だ。
4コマ漫画パートが6ページ、ショート漫画パートが6ページ。
ページ数の配分的には通常運転ながら、今月は見所が多い回だった。
前半4コマパートは、日常エピソード。
心優しい武隈アキナのほのぼのとしたシーンで始まったのに、オチの下ネタがひどくて笑う。この凄い飛躍を見よ!
武隈アキナの一番の友人だろう芦田ホシノも "うん" とか素直に下ネタに同意してるのも面白すぎる。
芦田ホシノにとっての武隈アキナ像と一致してるの? 仮にそのまま穿くとしても、どういう表情で穿く想定なの?
想像すればえっちすぎる下ネタでもあり、開幕からフルスロットルだ。
2本目 【ホワイトな関係】 は、泉ルイと八乙女カイのホワイトデーな8コマ漫画だ!
芦田ホシノの乱入により普段の泉ルイと八乙女カイの関係でオチたけど、邪魔が入らなかったらどうなってたのだろ。
まあ普段の関係であっても、泉ルイの魅力が集約されたネタと言えよう。
素直になれない泉ルイやツンツンしてるっぽい泉ルイに、こういう怒り方をできるのも素敵だなっていう泉ルイ。
これぞ泉ルイというか、氏家ト全先生の漫画におけるメイン男子とメイン女子の掛け合い、という味わいがある。
氏家ト全先生の作品における王道ラブコメ展開、とまで言って良さそうに思う。どうか?
3本目 【春がきた】 、ここは垂れ目のモブ女性教師に注目だ!
『八乙女×2』 単行本第2巻に収録の週刊少年マガジン特別出張掲載回と第18話に登場した先生ですよ。
過去にはマジでモブの役目で登場だったけど、今回は門脇先生とがっつり絡んでオチにも関係する役割だ。
普通にネームドな登場人物でもおかしくない出番! むしろそのうち名前が付きそう。
初登場時は結婚指輪をはめてましたが、今回は陰に隠れてるのか見えないですね。今後の出番にも期待だ。
4本目 【八乙女ハルル(13)】 では、八乙女カイ母が謎の職業に就いていると判明。
八乙女ハルルへの返答、どういう返しだよ。笑っちゃうね。
素直に解釈するに、八乙女カイ母が描いているのは官能小説やアダルトライトノベルの挿絵であるようだ。
イラストレーターじゃあなく普通に漫画も描いてそうと妄想が膨らんだけど、どうなのだろう。
特に根拠は無いが、男性向けのR-18作品ではなくBL作家としてのイラストなのでは、という直感が働いた。
どういう絵を描いているのか、明らかになる日は来るのだろうか?
明らかになるなら、『八乙女×2』 の連載があと5年続いて18歳になったので見せてもらえる、という形が美しいと思う。
でも八乙女カイじゃなく八乙女ハルルが母親の部屋に忍び込んで盗み見る、というのも思春期らしくて良いかもしれない。
5本目 【どっちもどっち】 は、8コマ漫画。
本木アユムの姉:本木ランも台詞ありの形で再登場だ! しかも今回は制服姿である。
回想シーンとして、第20話で見せてくれたバスタオル姿も再度拝めるし。
オンライン女子会回では高身長のスタイル抜群女子に見えたけど、今回は泉ルイと同じくらいの身長だ。
むしろ泉ルイより微妙に背が低いようにも見えるぞ? 泉ルイの背が高いのか、本木ランの背が低いのか?
2019年の統計によれば、16歳女子の平均身長は158.0cm、13歳女子の平均身長は154.8cmらしい。
まあ単に今回のコマが作劇上のデフォルメで、実際は泉ルイよりも背が高いのかもしれないけど。
他に、ぷんすこ怒る本木アユムというレアなシーンを拝める。今まで描かれたことのない、家族相手限定のレアな態度だ。
6本目 【あふれる涙】 、『フェティシズム大全』 の書名が気になっちゃう。
『フェティツズム大全』 ではないぞ、『フェティシズム大全』 だ。
氏家ト全先生の描く字はデビュー作の頃から "シ" が "ツ" に見えると言われていたが、今も変わっていないことを確認できる。
そしてこの6本目から9本目までが、先月の次回予告にあった花粉症ネタ。
八乙女ハルルが今年から急に花粉症になって、部室に加湿器が来たり、ティッシュの減る速度があがったりする。
4コマパートラスト 【なっとく】 は、「八乙女」 の苗字被りを活かした誤解ネタで嬉しいね。
ティッシュを大量消費する方の八乙女……それはどっちの八乙女なのか!?
芦田ホシノが笑みを堪えた表情を見せてくれるの良いけれど、笑いをこらえるタイプなのだなという発見がある。
下ネタに笑顔を見せてくれても良いじゃあないですか、まあその下ネタがそもそも誤解なのですけど。
後半ショート漫画パートは、何と八乙女ハルルが1人だけの浴室で過ごすほぼ全て入浴シーンだ。
氏家ト全先生の漫画でも屈指の激レアシチュエーションと言えそう。
後半1ページ目は自室でスマホをいじる八乙女ハルルであり服を着てるけど、2ページ目から最終ページまでは全裸だ。
とはいえ氏家ト全先生の漫画につき、お約束のように裸体はコマの外に押し出されてR-12指定にも届かない健全さだ。
胸元より下が描かれたのも、バスルームの曇りガラス越しの完全シルエットという徹底ぶり。
ついでに入浴のため髪をひとまとめにするシーンというフェチに刺さりそうなシーンもシルエットだ。
そしてこのショート漫画パートである意味最大の見所だろうのは、八乙女ハルルが風呂に持ち込んだ雑誌の表紙だろう。
ファッション誌っぽいこの雑誌の表紙に見えるは、氏家ト全先生の過去作 『アイドルのあかほん』 登場人物:如月カルナだ!
トリプルブッキングの如月カルナが作中雑誌の表紙グラビア役として営業スマイルを見せてくれている! やったね。
ちなみに雑誌の記事としても他のモデルが見えるけど、そちらはトリプルブッキングの誰かではなさそう。
しかしまあ、『アイドルのあかほん』 からトリプルブッキングが再登場OKなら、他作品についても期待しちゃうね。
『濱中アイ』 や 『妹は思春期』 など、他の過去作品の登場人物も再登場してくれまいかと願ってしまうよ。贅沢な望みなのかな。
あるいは氏家ト全先生にとって、『アイドルのあかほん』 だけがまだ描き切っていないとか何か特別なこだわりがある作品なのかも。
排水溝にめがけて下から老廃物を出す八乙女ハルルの姿は想像するにえっちすぎると思うのですが、その展開は描かれず。
しかして実際に描かれたのは、廊下を全裸で移動する八乙女ハルルの姿であった。
懐かしい如月カルナの再登場に続いては、昔懐かし "スチームガード" も再登場だ。本当に裸か分からないくらい湯気で姿は隠された。
その光景を八乙女カイが目撃する展開ですが……八乙女カイの視界的には、一体どうだったのか。
"湯気により健全性は保たれた" と、読者的にはスチームガードで鉄壁の湯気だけど、八乙女カイの目に映ったのはどこまでだったの?
まるで何も見えなかったのか、それとも全部が丸見えだったのか。
八乙女カイや八乙女ハルル、八乙女ハルル母が次の瞬間どのようなアクションを起こしたのかは読者の想像に委ねるエンドだし。
次回で八乙女ハルルと八乙女カイの態度が何か微妙に変化していたら面白いな、という妄想も膨らんだ。
今月の感想終了。
次回予告は "次回、中2に進級。文芸部に新入生の入部希望者が来る~!!" とのことだ。
おお、先月号の感想で予想した次回予告の内容が概ね当たったぞ。やはりそうか。
とりあえず新しい登場人物が出るようだが、新入生ということ以外は不明だ。男子の可能性もあろう。
もしかして武隈アキナの妹だったりするのかな? これが一番手堅い予想だろう。
でも武隈アキナから語られた人物像的に、文芸部には入部しなさそうなのがネックだよなあ。
うーむ、過去作の登場人物に喩えて考えるなら、新入生はパリィ・コッペリンみたいな天然留学生あたりでどうか?
だが氏家ト全先生の漫画に外国籍の登場人物が出るのは、割と連載終盤になってからみたいなイメージもある。
いっそここは新しく、氏家ト全先生の漫画にいなかったタイプの王子様系女子を予想しておく。