『魍魎の匣』

久し振りにレイトショーで観た。
京極夏彦原作『魍魎の匣*1の映画化。あー、もう12年も前に出た本になるのか。脚本と監督を原田眞人中禅寺秋彦堤真一榎木津礼二郎阿部寛関口巽椎名桔平木場修太郎宮迫博之、中禅寺敦子を田中麗奈、柚木陽子を黒木瞳、娘の加菜子を寺島咲、友人の楠木頼子を谷村美月久保竣公宮藤官九郎、美馬坂幸四郎柄本明等々。メインの三人の身長を合わせたんじゃないかと思うぐらい背の高い俳優を集めたな。
で、あのクソ分厚い本を二時間ちょいで映像化して終わらせる事など出来るハズも無く、途中端折る端折る。の割にコメディー要素を入れてみたりと、なんというかなー。
ロケ地はイロイロ凝っていて、大谷石採石場跡や首都圏外郭放水路とかは狙い過ぎか。戦後の東京なんだけど、上海ロケをやった意味が良くワカランな。もう少し場所を選べば多少は東京に見えるかも知れないが、様々な建具や鋪装、壁や柱が明らかに中国にしか見えない。上海の南の方かな?『M.I.3』の上海とダブる。匣の建物のCGは手抜き。中身ももうちょい考えて欲しい。統一感もへったくれもない。
出演してる俳優は皆さんある程度良いんだけど、宮迫が余りにも浮き過ぎだ。何処まで行っても"木場"じゃなくて"宮迫"のまま。
映画化で一番危惧していた加菜子と頼子の芋虫だけど、逃げる事なく映像化していたのは評価に値する。R-15になって無いから、適当に誤魔化すんじゃないかと思ってたよ。セクシャルな雰囲気を一切出して無いからかな?
原作の名前は知ってるけど、読んだ事が無い人向けな映画かな?

*1:魍魎の匣 (講談社ノベルス)