『ヒトラーの贋札』*5

第二次世界大戦中、ナチスドイツがイギリスの経済混乱わ狙った「ベルンハルト作戦」という贋ポンド紙幣作成に携わったユダヤ系技術者の物語。原作は実際に強制収容所で贋札作りに携わった印刷技師アドルフ・ブルガー『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』*1。未読。
オーストリア映画。監督脚本:ステファン・ルツォヴィッキー*2 出演:カール・マルコヴィクス*3 アウグスト・ディール*4 デーヴィト・シュトリーゾフ*5他。
強制収容所という極限状態の下で、生きる為になりふり構わない世界的贋造犯サリーと贋札作りがドイツに利益をもたらすのはユダヤ人の誇りにかけて赦せない印刷技師ブルガーのバランスが絶妙。また、強制収容所の中だけど恵まれた環境の技師達だけど、薄い壁一枚向こうでは、無慈悲な拷問による悲鳴や理不尽な銃声が響く落差。その葛藤と苦悩が刻み込まれた一本。
やってる場所は少ないけど、これは良いね。

*1:ヒトラーの贋札 悪魔の工房

*2:アナトミー [DVD]

*3:エニグマ奪還 [DVD]

*4:青い棘 [DVD]

*5:ヒトラー?最期の12日間?エクステンデッド・エディション<終極BOX> [DVD]

『ちーちゃんは悠久の向こう』

日日日の原作『ちーちゃんは悠久の向こう*1は、最近話題の新風舎で、新風舎文庫大賞受賞したデビュー作。そういえば感想書いて無いな。まあ、その程度のモノなんだけど。ちーちゃん役には『時かけ*2の真琴の声優をした仲里依紗、モンちゃん役には『バッテリー』*3のピッチャー役だった林遣都弓道部の武藤先輩を高橋由真、クラスメイトの林田さんに波瑠。アイドル映画なのかなんか微妙な所か。
原作を読んだ事のある人なら、ちーちゃんを実写映像化するには無理があるよな、というのはわかり切っている事なのだが、やはり無理でした。
そんな事以上に武藤先輩が酷過ぎる。台詞棒読みで表情の起伏もない。ラストの笑顔を出す為だけに、ずっと抑えていたという理屈もあるだろうが、あれは無いな。スクリーンデビューとは言え、キツい。
林遣都は、相変わらず綺麗な顔をしてる。『バッテリー』では多少幼さがあったが、かなり少年な感じが出てきて、腐ってる人達の餌食になりそうな雰囲気がより一層強くなってた。
暗い役の波瑠だが、綺麗過ぎる。
ネタで観るにはちょい辛い代物だと思います。
あ、エンディングの奥華子の歌は良いね。

*1:ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)

*2:時をかける少女 通常版 [DVD]

*3:バッテリー 特別編 (初回生産限定版) (あさのあつこ書き下ろし小説付) [DVD]

『28週後…』*6

『28日後』*1の続編。前作の監督のダニー・ボイルは製作総指揮に。出演はロバート・カーライルキャサリン・マコーマックローズ・バーン他。ロバート・カーライルは、ダニー・ドイルと『トレインスポッティング』繋がりか。
ゾンビ映画というよりはバイオハザードモノと言った方が良いのかな。体液で感染し、数十秒で発症、理性が消失し凶暴化し、未感染者を襲うという"RAGE"ウイルス。ゾンビモノと同じ様な設定なんだけど、動きが素早く、銃や毒ガス等々や飢えで死ぬ事かな。
前作では、バイオハザードとゾンビの恐怖がメインだったけど、今回は人間。『28日後…』でイギリス全土にウイルスが広がり、ほぼ全滅する所から物語は始まるのだが、オープニングで妻を見捨てて一人で逃げる所が物語全体に問い掛けを残しつつ物語が始まる。ここはホントに素晴らしい。
それから28週後、復興が始まり物語が始まる。
で、復興した街で再び感染者が発生。爆発的に感染が広がる所で、街を守る狙撃手が逃げ惑う一般人と感染者の見分けがつかなくて、結局全て撃ち殺せという指示と、その逡巡。ここもホントに素晴らしい。
で、イロイロあって、黒人がヘリコプターに乗ってくる。
ここで一つの式を提案したい。
ゾンビ映画*ヘリコプター=チョップリフター
ローダーで首チョンパ!!基本だよね!!もう笑った笑った。
後、廃墟のロンドンも良いし、道に沿って伸びて行くナパームの炎に毒ガスの煙、真っ暗闇の地下鉄構内に転がる屍体の山とか、先に公開された『アイ・アム・レジェンド』より遥かに良い。結構有名な建築物とかもシンボリックに使われていてナカナカ良い。
カテゴリー的にはゾンビ映画なのかも知れないが、今回は少し毛色が違う要素を含みつつ、やはりゾンビ映画の王道を行く感じかな。その系統に抵抗が無ければ、結構好きな部類に入るかも。

*1:28日後... (特別編) ボーナス・エディション [DVD]