乳酸菌の効果的な摂取についての考察

初めに断っておくが、私は医療関係者でもないし、医学を学んだことがあるわけでもない。あくまで推論の範囲での話。

ちまたでは多くの種類の乳酸菌食品(ヨーグルトや乳酸菌飲料)があふれている。使われている乳酸菌も色々で、整腸を目的としたものから、ピロリ菌退治まで多種多様だ。私も最近乳酸菌飲料を飲み始めた。飲み始めると“なんとなく”体の調子がよくなったような気がするので、だた漫然と飲んでいたのだ。が、Wikipediaとかで乳酸菌を調べているうちに、漫然と飲んでいてはお金の無駄ではないかと思い始めた。

しかし“正しい飲み方”を探しても“空腹時に食べる(飲む)”と“寝起きに食べる(飲む)”という程度のことしかなかった。でも、胃の構造とかを調べれば、もう少し効果的な摂取方法があるのではないか?と思った。

基本的に乳酸菌は胃酸に弱い。胃酸は塩酸であり強酸性なので殆どの菌が胃で死滅する。そのため、健康が保たれているわけだが。乳酸菌も例外ではないようで、長時間、胃酸に浸かっていると死滅するそうだ。ただ、胃酸に強い乳酸菌も見つけられていて、“生きたまま腸まで届く”といううたい文句の乳酸菌もある。とはいうものの、胃酸に浸かっていれば相当数が死んで、確率的に他製品よりは多い生き残りが腸まで達する、ということだと思う。

つまり、乳酸菌を胃酸に曝さない、もしくは胃酸に曝す時間を短くするのが、効果的な乳酸菌の取り方となる。そこで、まず胃の構造を調べた。

“胃の構造”でググるといくつも出てくる。

色々なところから断片的な情報を集めてくると次のようになる。

  • 胃の内容積は空腹時には50ml程度に縮んでいる。(満腹時には1800ml程度まで膨らむ)
  • 胃に食物が入ることにより、それが刺激となって胃液が分泌される。
  • 消化中は、胃の出口は幽門括約筋で閉じていている。

ということが分かる。調べた限りのことから次のようなことが類推できる。

  • 空腹時は幽門が開いているのではないか。
  • 幽門が閉じるのは胃酸が放出される時、すなわち食べ物の刺激はある時。
  • 胃が食べ物の刺激を感知するのは、(1)固形物のように幽門を通らないものが胃に入った時、(2)胃が膨らんだ場合、のどちらか、もしくは両方と思われる。

胃の出口の幽門は胃カメラの検査で分かるが、幽門が開いている状態でも細い胃カメラも通り抜ける際に刺激があるほど狭い。だから、ある程度の大きさの固形物はここを通り抜けられないので、胃に溜まって刺激となる、と考えられる。それと大彎部に溜った食べ物が胃を押し広げて刺激となる、と類推できる。

以上から、乳酸菌(飲料)は次のような条件で摂取することが必要となるのではないか。

  • 空腹時に摂取する:空腹時と言っても色々な状態がある。空腹感が強いと食べ物を見ただけでも胃酸の分泌が始まるので良くない。食後3時間程度経って胃が空になり、かつ空腹感もない時間帯が狙い目となる。あと、摂取する乳酸菌の目的によっても注意が必要だろう。整腸目的で単に腸まで届けばいい、というのであれば寝起きに飲むというのも効果的だが、ピロリ菌退治が目的で、ある程度の時間、乳酸菌を(胃酸の無い)胃に残留させたいのであれば、寝起きのような食前は避けるべきだろう。私は夕食を食べた3時間後〜就寝前に夜食代わりとして飲むようにした。(ダイエット目的では夜食代わりというのは抵抗があるかも知れないが、少量の乳酸菌飲料のカロリーなどたかが知れている。大量に摂取すれば別だが。)
  • 乳酸菌飲料を摂取する:胃に刺激を与えないために乳酸菌食品ではなく、乳酸菌“飲料”を摂取する。ヨーグルトの場合は飲み込む前に十分柔らかくしてから飲み込む。
  • 室温で摂取する:冷やしたものは胃に刺激を与える要因ともなりかねないので“念のため”室温にしてから飲む。(胃は温度を感知できないので、大丈夫なのかも知れないが。ただ、脳が熱いと感じないのと、胃が刺激を感知しないのは別の話ではないか。)
  • 1回(1口)の摂取量は最大50mlとする:空腹時の胃の容積は50mlなので、それを超えて摂取すると胃が膨らんで胃に刺激を与えることになってしまう。ヤクルトが50mlというのは、こうしたことも考えてなのか、たまたまなのか。ヤクルト以外の乳酸菌飲料はそれよりもかなり多い。私は、100ml程度の乳酸菌飲料を時間をかけて舐めるようにチョロチョロと摂取している。(最近では500mlのパックで売られている乳酸菌飲料もある。が、これをこの方法でゆっくり摂取すると、軽いダンピング症状になる。乳酸菌飲料は基本的にブドウ糖などの糖分が高めなので、それが一気に十二指腸に達するためだろう。500mlもの量になれば結構なカロリーにもなる。これを繰り返すと逆に健康にも悪そうだ。50〜100ml程度がちょうどいいのかも。もしくは500mlを10日に分けて飲むとか。)

以上の方法が本当に効果があるかどうかは分からないが、以前より、少ない量でも調子が良いような気もする。本来であれば、乳酸菌飲料を開発している企業が調査して、科学的に証明された形でユーザに提示すべきではないかと思う。もっとも企業にとっては売れる量が少なくなっては迷惑な話かも知れないが。