濃ゆい休日〜感想:ホット・ファズ

土曜日は人生初の映画2本立て。しかも観たのが「ホット・ファズ」と「攻殻機動隊2.0」ってのがまたアレな感じですが(苦笑)。
ってことでとりあえず「ホット・ファズ」の感想でも。

評価:8/10点
最高のバカ映画でした!これは素直に傑作だと思います。
粗筋としては、ロンドン市警の敏腕エリート警官が何故かド田舎のサンドフォードに左遷される所から始まります。当然ド田舎なので事件らしい事件も全くなく、警察も開店休業状態でいたって気楽なもの。所が中盤、凄惨な人死にが起きるのですが、それでも村の住民は「事故に決まってるべさ〜」とにべもなく。逆に事件性を疑う主人公は「モルダー、あなた疲れてるのよ・・・」状態で軽くあしらわれてしまいます。そして続く凄惨な人死に・・・(どうみても明らかに事件、でも事故扱い)。・・・てな感じ。
序盤のロンドン〜サンドフォードのくだりの異常な疾走感からして既に面白いのですが、とにかく終盤の逆転劇が異常に熱く、カタルシスにあふれています。観ていて全く飽きさせる瞬間のない高密度な展開の仕方は必見です。
また、私はあまり映画的教養が無いのでピンと来なかったのですが、どうやら随所に過去のアクション映画のパロディ/オマージュがふんだんに詰め込まれている様子。そういう文脈が理解できれば多分3倍増しで楽しめるのではないかと。
一応気になった点としては、アクションシーンでのカットが異様に多かった所。最早見慣れた手法といえばそうなのですが、状況の把握の妨げになるのも確かだと思うんですよね・・・。漫画だったら(例えばトライガンみたいに)え?どうなったの?となっても、理解できるまで何度でも読み返せますが、映画でこれをやられると脳内に入る単位時間当たりの情報量が格段に落ちたまま次のシーンに行ってしまうのでもやもや感が残るような。
この辺好みの問題なので何とも言えないのですが、全体的にアクションシーン以外でもカットを多用して疾走感を演出するタイプの映画なのでまあ仕方ないかな、と。
それなりにグロシーンもあるので万人受けする映画かと言われれば微妙かもしれませんが、いわゆるボンクラ映画好き以外もきっと楽しめる映画だと思います。いわゆるB級映画のようなアクションシーン一点豪華主義ということもなく、アクションシーン以外も演出・演技・プロット等、非常にしっかりと作られており、普通に観ても傑作だと思います。知らない人は是非映画館でやってる内に観てほしい所。てか観ろ!!