ギターに岩谷啓士郎。
これまでのCymbals矢野博康/土岐麻子人脈というか、キリンジ/宮川弾/末光篤/コトリンゴなどの作家陣は、どれも素晴らしい仕事をしてきたし、それは「シティポップスの良心」的な所も含めて愛されているとは思うのだけれど、逆に言えばそれらはマジョリティの為の音楽ではない。恐らくリスナーの間口を広げるために、プロデューサー陣は「こどなの階段」をサカナクション山口一郎に依頼し、「MUSIC」をandropの内澤崇仁に依頼してきた。そしてこの新しいアルバムでは、東京事変の伊澤一葉、赤い公園の津野米咲、NATSUMENのAxSxEという、「洗練よりも「混沌」を好む人達にまで制作を依頼している。
彼女の現時点での最高傑作であろう「君に届くかな、私。」には、「16歳にしか歌えない歌がある」というコピーが付いている。秀逸だ。ならば、19歳にしか歌えない歌もあるだろう。「乙女失格。」が、これまでのセンスの良いシティポップスの流れを汲んだ上品な作品から、とっ散らかった混沌の印象すらあるアクの強い作品に変わったことが、この先の彼女をどう変えていくのだろうか。
- MUSIC
- 少女、ふたたび
- さよならプリンセス
- 髪を切る8の理由。
- 乙女失格。