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Electronics Pick-Up by Akira Fukuda このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2016-06-23

[][]VLSI現地レポート第5号「TDKの8Mbit垂直磁気記録方式STT-MRAM」

米国ハワイで開催された半導体技術の国際会議「VLSIシンポジウム」から、現地レポートの第5号をPCWatch誌に掲載していただきました。


TDK、8MbitのSTT-MRAMで全ビットの3ns高速書き込みを確認」

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1006727.html


TDKの米国子会社TDK Headway Technologiesによる研究発表です。もともとは独立系で、Headway Technologiesと名乗っていました。1994年に設立され、主にHDD向けのMRヘッドを開発しています。1999年にはGMRヘッドも開発しています。2000年3月31日付でTDKに買収され、TDKの子会社となりました。

2016-06-22

[][]VLSI現地レポート第4号「Intelの無線センサー端末と専用超低消費マイコン

米国ハワイで開催された半導体技術の国際会議「VLSIシンポジウム」から、現地レポートの第4号をPCWatch誌に掲載していただきました。


Intel、半永久的に自律駆動する無線通信機能付きセンサー端末と超低消費電力x86マイコン

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1006418.html

無線センサー端末は外部電源が不要で、半永久的に自律駆動する分散ノードです。実現のカギである超低消費電力マイコンx86アーキテクチャの32bit CPUをベースに開発したというのが、発表の主な内容です。


マイコンの電源電圧をトランジスタのしきい電圧付近まで下げて消費電流を低減する、ニアスレッショルド電圧(NTV)駆動を全面的に採用しています。ただしNTV技術についてはほとんど説明していません。発表した学会が「VLSI回路シンポジウム」だということもあってか、講演の内容は回路技術が主体でした。

2016-06-21

[]コラム「ストレージ通信」を更新。「STT-MRAMの不都合な真実

EETimes Japan誌で連載しておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。

「STT-MRAMの基礎」を解説するシリーズの第14回(最終回)です。


「STT-MRAMの基礎(14):スピン注入型MRAMの不都合な真実

http://eetimes.jp/ee/articles/1606/21/news027.html


スピン注入型MRAMの商用化に立ちふさがる課題を製造技術面から解説しております。

これを300mmウエハー全体でやるんですから、ちょっと気が遠くなります(詳しくは本文をご参照ください)。


<本シリーズではふれられなかったオマケ>

講演にはなかったけど大事なこと。

電子スピンはしばしば、電子の自転で説明されます。自転が磁気モーメント(と磁化)を生み出すとともに磁気モーメントの方向を決めると。


でもこれは古典論で分かりやすく説明しただけで、厳密には間違っています。電子スピンは電子の「角運動量ベクトル」であって、自転ではありません。電子スピンは量子論的存在なので、古典論では本来、説明できないんです。分かりにくいですね。


電子スピンが自転でないことの傍証に、自転の速度があります。自転だと仮定して自転の速度を計算すると、光速を超えてしまうのです。超光速はあり得ません。したがって自転ではない、ともいえます。


それでは何なのか。うーん。量子論って、分かりにくい。

2016-06-17

[][]VLSI2016現地レポート第3号「IBMとMacronixの低消費相変化メモリ」

米国ハワイ州ホノルル半導体技術の国際学会「VLSIシンポジウム」が17日まで開催しております。現地レポートの第3号をPCWatch誌に掲載していただきました。


「相変化メモリ技術が大きく進化、書き換え電流を5分の1に低減」

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1005771.html


相変化メモリ(PCM)の材料と言えばカルコゲナイド合金です。カルコゲナイド合金を熱処理の違いによって結晶状態(低抵抗状態)とアモルファス状態(高抵抗状態)のどちらかに制御することで、抵抗を大幅に変えます。抵抗値の違いを読み出すことでデータの値を読み出します。


PCMの弱点は加熱処理なので、書き込み時の消費電流がかなり大きいことです。IBMらのグループはカルコゲナイド合金の材料構造を大幅に変更することで、この弱点を克服しました。半導体の記憶素子としては、画期的な成果です。すでに256Mbitのシリコンダイを試作していることから、製品化への期待もかかります。