プロとしてのOracleアーキテクチャ入門 Oracle現場主義

実は私が仕事でOracleを使っていたのはOracle 9i ぐらいまでで、それからはSQL Server中心でOracleからは遠ざかっていた。そんな私にとってこの本は、自分の知識が今でもどの程度使えるのか、またそれ以降に追加された機能がどのようなものかを知る上でとても良い本だった。

  • SECTION I Oracleアーキテクチャ概要
    • SECTION 1では、Oracleアーキテクチャ概要を図解と実証で丁寧に説明しており、自分の理解を確認する上でとても役に立つ。CHAPTERごとにうまく整理されていて読みやすい。
      • CHAPTER 01 データベースとインスタンス
      • CHAPTER 02 クライアント アプリケーションとサーバ プロセス
      • CHAPTER 03 データファイルと関連する構成要素
      • CHAPTER 04 REDOログファイルとREDOデータ
      • CHAPTER 05 サーバーパラメータファイルと制御ファイル
      • CHAPTER 06 Oracleのメモリ管理
      • CHAPTER 07 その他の構成要素
  • SECTION II スキーマオブジェクトとデータの格納方式
    • Oracleのユーザ、ロールや権限の考え方、テーブルやデータ型、インデックスについて分かりやすく解説されている。データベースを使った開発を行うエンジニアにとって必須の知識。
      • CHAPTER 08 ユーザーと権限
      • CHAPTER 09 テーブルとデータ型
      • CHAPTER 10 索引の仕組み
      • CHAPTER 11 その他のオブジェクト
      • CHAPTER 12 オブジェクトの格納方式と記憶域
  • SECTION III SQL処理の仕組み
    • このセクションでは基本的な読み取りと更新の仕組みを解説しており、次のセクションのトランザクション処理へと繋がっていく。この2つのセクションも開発者にとっては必須の知識。
      • CHAPTER 13 問い合わせ処理の仕組み
      • CHAPTER 14 更新処理の仕組み
  • SECTION V 起動・停止とリカバリの仕組み
    • 管理運用系のセクション。どのように動作しているのかを理解することも開発者にとっては重要。
  • SECTION VI Oracle Net Servicesとクライアント/サーバー
    • データベースへの接続を中心に解説。紙面の都合上基本的な解説に留まっているが、概要は十分に理解できる。
      • CHAPTER 20 基本的な接続形態とNet Servicesの構成
      • CHAPTER 21 動的サービス登録/共有サーバー構成/データベースリンク


この本を読んでOracleアーキテクチャは基本的には変わらないことを確認できた。これだけの内容を一冊に纏めるのは大変な労力だったと思うが、それだけの価値がある本でOracleを利用してソフトウェア開発を行っているエンジニアには、ぜひともお勧めしたい。

著者の渡部さんによると続編も執筆中ということなので、そちらも期待したい。


プロとしてのOracleアーキテクチャ入門 Oracle現場主義

プロとしてのOracleアーキテクチャ入門 Oracle現場主義