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2008/12/10日

『寺島実郎さんインタビュー 金融資本主義の終焉と環境問題』

寺島実郎さんのインタビューを読んだら面白かったので要約。

原文

地球が直面する二つの危機

  1. 米国の金融資本主義の限界を見せつけた金融危機
  2. もう一つは地球環境問題

これら二つの問題を同時に処方できるような政策科学が必要。

環境問題
  • グローバルな問題。国境線の内側でもみ合っても解決できない。
    • たとえば、日本海の生態系問題。
      • 日本一国だけの努力ぢゃ意味ない。ロシア、中国、北朝鮮、韓国を巻き込むべき。
    • 気候変動問題も同じ。
      • 京都議定書の目標値を日本だけがクリアしても、なにも解決しない。
現在の国際議論のおかしな点
  • グローバルな問題を、国民、国家間の利害調整の問題としていること。
  • 国内、国家間とも、責任のなすりつけ合いになっている。

打開手段

  1. 「国際連帯税構想」
  2. 「食料自給率向上を通じた環境問題への対応」
「国際連帯税構想」

これを地球環境税という切り口による、温暖化防止対策の資金調達としても考える。

  • たとえば、
    • 国際為替取引に対して広く薄く税金をかけ、国際機関が徴収。
    • これで、
      • 途上国への環境技術移転コストをまかなう
      • 北極や南極など、国家主権の及ばない地域の環境問題に使う。
  • 主な課税対象
    • タックスヘイブン”などに本社を置き、環境問題などグローバルな問題に責任を負おうとしない法人(ヘッジファンドなど)。
    • こうした存在を考えると、「主権国家間のババ抜き」には限界がある。
    • 例えば、国際為替取引に、0.005%程度の率で自動的に課税する国際連帯税構想が主張されている。
  • 推進派
    • 2008年2月、フランスやブラジルなど54カ国が国際連帯税を促進するリーディング・グループを形成。
    • 2008年2月、超党派の国際連帯税創設を求める議員連盟が結成。最初は、衆参両院から、あわせて34人が参加。
    • 2008年9月26日、日本は国際連帯税構想のリーディング・グループへの参加を公式に表明。

実は、国際連帯税構想への参加の意味がわからなかったためか、メディアでは、ほとんど報道されていません。重大な事象が報道されず、注目されていないことは大きな問題で、環境問題を議論している人たちには、ぜひとも注目していただきたい点です。

「食料自給率向上を通じた環境問題への対応」
年号 元号日本の1人当たりGDP 一次産業への就業比率 食料自給率 その他
1964 昭39- - 東京五輪
1965 昭40 就業人口の24% - -
1966 昭41千ドル突破 73% -
1967 昭42- - - -
1968 昭43- - - 三億円事件,週刊『ジャンプ』創刊
1969 昭44- - - -
1970 昭45- - - 大阪万博,よど号事件,週刊『チャンピオン』創刊,巨人の星(アニメ)
1971 昭46- - - 環境庁設置
1972 昭47- - - 沖縄返還,あさま山荘事件
1973 昭48- - - 第一次オイルショック
1974 昭49- - - -
1975 昭50- - - -
1976 昭51- - - ロッキード事件
1977 昭52- - - -
1978 昭53- - - 日中平和友好条約
1979 昭54- - - 第二次オイルショック
1980 昭55- 就業人口の10% - -
1981 昭56一万ドル突破 50%台 -
1982 昭57- - - -
1983 昭58- - - 東京ディズニーランド開園
- - - -
2006 平18- 4% - -
  • 15年間でGDP10倍というミラクルの一方で、農業人口・食料自給率は急激に下がった(終戦直後の農業人口は49%に及ぶ)。
  • 2006の一次産業従事者4%のうち、65歳以上の方が6割。
  • ここに補助金をばらまき、関税で守ったとしても、食料自給率が高まるかという疑問が出る。戦略が重要。
  • 一つは「農業生産法人」
    • 分業化され、システム化された、生産性の高い「戦う農業」。
    • 2007年度までに9400を超す農業生産法人ができ、2008年には1万を超えた。
  • もうひとつは輸出。
    • 日本は2007年に、海外から食料を6兆円分買いましたが、一方で、農林水産物・食品の輸出額は4300億円(アルコール飲料、たばこ、真珠を除く)を超えました。日本の高級な果物が、ウラジオストックのスーパーマーケットに並ぶ時代が来ているのです。2010年には、輸出額は1兆円を超すのではないかと予測されています。

二つの弱点が日本の不安の原因

  • 食べ物とエネルギーを徹底的に外部に依存していること
    • 米国は金融資本主義の“総本山”で、世界に大変な迷惑をかけ、求心力を急速に失いつつあるが、食料自給率は100%をはるかに超え、石油の中東への依存度も15%程度。米州圏で食とエネルギーを確保できるボトムラインをしっかり押さえたうえで、マネーゲームに興じている。
  • 食料自給率は、せめて先進国と言われる国のなかでも、際立って食料自給率が低い英国並みにはしたいところ。

図録▽日本および各国の食料自給率の推移

食料自給率
130
119
91
74
スイス 54
49
40
  • 資源については、世界的な資源争奪戦に日本も堂々と参入しなければならなくなる可能性が高い。しかし、一方で、足元にある自国の資源ポテンシャルをしっかり掘り起こすことも重要。
    • 領海と排他的経済水域の広さでは、日本は世界第6位の“大国”で、しかも、このなかに大変な量の資源が潜在しているのです。特に海底熱水鉱床には、金や銀などの金属資源、エネルギー資源として注目されているメタンハイドレートなどが眠っています。
    • メタンハイドレートについては、「青山さんが怒っとる02 - agehaメモ」参照。

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