お母さん、ありがとう

おめでと。。まま。。しゅき。

今から29年前の今日、私は産まれました。
「たくさん幸せになれるよう、ラッキーな幸運に恵まれるように」との思いで、「奈々」と名付けてくれたと教えてもらいました。

今までの誕生日は「ひゃー、また1歳、ふけていくーーー」という事と、「うーん、今年は何かってもらおうかな」とひとりよがりの誕生日でした。

でも、29歳にしてやっと、誕生日のありがたさを感じました。それは、やはり出産を経験したからです。自分のお腹の中に命が宿った感動、育んでいける幸せ、そして出産。私は心花がかわいくて愛しくてたまりません。そんな幸せな気持ちに包まれているとき、初めて気付きました。

「私もこうやってたくさんの愛情を受けていたんだ。。。」

心花が微笑んでくれて、私をぎゅうっと抱きしめてくれて、その笑顔が、その存在が私の心の支えであり私の全てであるように、私の笑顔が、私の存在がお母さんの心の支えなのかもしれない。。。心花が私に気付かせてくれたことです。

私がここまで大きく元気に育ったのも、お母さんが私の前で雨風をしのいでくれて、守ってくれて、私が歩きやすいように道を作ってくれたから。
小さいときから、お母さんの笑った顔が大好きで、いつも笑ってほしくて、冗談ばっかり言ったり、へんな顔まねばっかりしてたのを覚えています。
お母さんと手をつなげるのが嬉しくて、必ずスーパーへの買い物もついて行っていました。

いつの日か手をつなぐのが恥ずかしくなって、思春期を迎えた頃、お母さんに反抗して、
「お母さんみたいには絶対にならない」と言った覚えがあります。なぜ、そう言ったかは覚えていないけれど、その言葉と悲しそうなお母さんの顔はとってもよく覚えています。そんなこと、心にも思っていないのに。。。

入籍前夜、「名前が変わるのは寂しいね」と涙ぐんだお母さん。その日、並んだお布団で床に就きました。興奮していた私はなかなか寝つけなくて、隣で眠っているお母さんの手をそっとつなぎました。
あんなに大きく感じていた手なのに、こんなに小さかったっけ?
でも、ずっとずっと私を守ってきてくれたこの優しい手のぬくもりは全然変わっていませんでした。

お母さん、私はお母さんへ親孝行ができているかなあ?
たくさん心配かけて、たくさん泣かしてしまってごめんね。

どんなにお母さんに愛されてるか、どんなに私が価値ある存在なのか、心花が教えてくれました。そして、お母さんが私にとって、とてもかけがえのない存在で、偉大で、私の大切なお母さんだということを改めて再認識しました。

お母さん、私はお母さんのような人になりたい。

面と向かって言えないけど、よくケンカするけど、お母さんの存在は私の誇りです。

たくさん親孝行させてください。そして、こんな年になったけど、甘えさせてください。
だから、どうか元気で毎日楽しくすごしてください。

お母さん、産んでくれて本当にありがとう。私はとっても幸せです。

ママがパパを好きな理由

みんな仲良し

いつもママがパパにいろんなダメ出しをしてるのを不憫そうに心花は見てるよね。でもね、昔、ママはパパに自分の気持ちを言えないくらい弱虫だったんだよ。「これを言ったら嫌われちゃうんじゃないか」って、自分を守ることばっかり考えてて、パパに合わせようとばかりしてたんだ。
でもね、自分の思いを言葉にしないと相手に伝わらないんだというあたりまえの事をママはパパに教えてもらいました。パパにとって耳の痛いような面倒くさいような事でもママは言えるようになりました。「嫌われちゃう」と自分の事を考える前に、パパの反応や表情、立場を考えながら言うように心がけてはいるんだよ。
ん?ママの頭にツノが生えてるって?
あらあら、このツノはパパへの信頼と思いやり。そして大きな愛情なんだよ。。多分。。。

これは心花が産まれて来る前のお話。。。。

その年の流行はロングマフラーでした。
パパに久しぶりに会えるその日は、ちょっとでもパパに「かわいい」って言ってもらいたくて、ママは前の晩からあれにしようか、これにしようかと鏡の前でファッションショーをしてたんだ。そして買ったばかりのロングマフラーをしてパパに会いに電車に乗りました。
あれと、これと、いっぱいお話しようとドキドキしてたの。
そしてパパの待つ駅が近づいてきました。11月だったからだいぶ風が冷たくなったきて、その中で待っていてくれてるパパに早く会いたいような、久しぶりに会うから恥ずかしいような気持ち。。電車がホームにすべりこんだとき、パパの笑顔が見えました。「やっと会えた・・・!?」ぱっと見だったから定かではないんだけど、パパがとても涼しい格好をしていたような。。でも11月だしね。電車の扉が開いて、深呼吸したママはパパを探しました。改札口に両手で手を振っているパパを発見。ママも顔がゆるんで改札口に向かったその時。

「ぬおっ!!」

正直、マンガみたいなセリフをママは言いました。このまま改札口を通らずに引き返そうかとも思いました。。。だって、向こうでスペシャル笑顔で手を振っているパパは、Tシャツに、マラソン選手もびっくりな短パンをはいてたんだもん。。。そのまま足元に目を向けると昔、家のおじいちゃんがはいていたのと同じマジック式の紺の靴。。。

うすうすは気付いていたの。もしかしてパパは洋服というものに全く関心がないんじゃないかって。ポロシャツもTシャツも必ずズボンに入れてるし、春夏秋冬、同じスリッパはいてるし。。。

消えそうな意識を必死で呼び覚まし、パパの所に行きました。11月。間違いなく寒かった。

ママ:「ひ、久しぶり。元気だった?(ひきつり笑い)ところで寒くは・・・?」
パパ:「うん、元気だったよ!(スペシャル笑顔)今ね、お風呂入ってきて、まだ暑いんだよね」
ママ:「そ、そうなんだ」
パパ:「おなかすいたでしょう?おいしそうなピザの店があったよ。そこに行ってみる?」
ママ:「あっ、えっと、今日はお家でお弁当が食べたい気分かな・・・」
パパ:「せっかく来てくれたのにお弁当なんて。行こう!たくさんお酒飲んでもいいからね」

1軒のかわいいイタリアンのお店。そこに連れて行ってくれました。けっこうお客さんもいました。いろいろ注文して、そして頼んだ赤ワインがきました。パパはママにワインをついでくれて、乾杯。パパはワインの匂いをかいで口の中に含み、うーんと考えてママにこう言いました。ママの忘れられない一言。

パパ:「このワイン、まだ若いね」

「若いのはワインだけでなく、寒い中、短パンを着こなしているパパだ!!!」とママはパパにつっこみたくてしょうがなかったけど、ママはパパに嫌われるのが怖くて何も言えない人だったから、その日は泥酔する道を選んで、あまり飲めないワインをママは2本飲みました。

つらかった二日酔い。これから先、デートの度に酔っ払うわけにもいかない。はて、どうしたものか。内面を磨くのは当たり前。外見だって少しでも磨かなきゃ。でもパパに「それ、やばい」とは言えない。。でも今行動しなきゃ、一生変わらない。しかも自分も一生見ないフリをしないといけない。何よりも、どんなにパパがいいこと言ったって、あまりに外見が適当だと、ちょっと信用にかける部分も少なからずあるような気がするし。。。

そしてママはパパに言わなくちゃいけないことは言うようにしたの。幸いなことにパパはママの言うことを「えー」って面倒くさそうにしながらもきいてくれます。「嫌われたら・・・」っていう弱虫ちゃんはパパがママを思ってくれる言葉や行動に気付いたから、どっかに飛んでいっちゃった。だからってママは言うだけではいけないと思うんだ。ママも苦手なことを、でも必要なことを努力するようにしてるんだよ。すぐに結果が出ないような小さなことでも、誰かに「すごいね」って言われなくても、ママはパパのため、心花のためにコツコツ頑張るんだ。環境が人を変えるんじゃなくて自分の行動が環境を変えていくことを覚えててね、心花。

パパはママが見てないと平気で何日も同じ洋服着るし、ありえないくらい髪もはねさせます。こないだパパが寝ている間に、こっそり顔半分のおひげを残し、あと半分を剃るっていういたずらしたけど、パパ、それでお仕事普通に行ったし、パパはママにとって最高におもしろいんだ。こんなパパ、あまりいないよ。心花のパパは心花やまめやママにとって自慢の最高なパパなんだよ。今晩もパパは当直頑張ってるね。パパと眠れる日が月に半分くらいだから寂しいかもしれないけど、心花のこと、パパとっても大好きだからね。パパが帰ってきたら今日何して遊んだか、たくさんお話しようね。

ね、ママのツノはパパへの思いで大きいでしょ。

あ、そうそう、改札口を通ってパパに会ったママに言ったパパの一言。

「そのマフラー、洗濯失敗?」

ごめんね、心花

 とうとう我が家の姫も5ヶ月になりました。
 つい、この前まで猫のまめぞうに踏みつけられたり、ジャンプの時に顔をひっかかれたりして大泣きしてたのに、今では「がしっ」とまめの背中の肉や耳をこれでもかというくらい笑顔で握りつぶし、まめもやられっぱなしです。まめ避けに買った蚊帳は、どうやら、心花からまめを守るための物になりそうな予感。。。

 心花は産まれたときから髪の毛がふさふさです。2ヶ月くらいの時に髪を切ってから、けっこう髪がのびたので切ることにしました。

 だんなさんは、ありえないくらい洋服のセンスがありません。左右の靴下が違ってようがズボンに穴があいてようが、こっちがひくくらい首が「よれっ」てなってる、よれTシャツをつけてようが、ほえっと笑ってます。そんな彼なので、もちろん髪の毛も気にしません。大○理容というチェ−ン店で「いつもの」と言って切ってきます。私はそれが気に入りません。だって、左右のもみあげの長さがおおいに違うし、かる〜く剃りこみも入ってるから!聞けば髪を切る人、もみ上げをカットする人、ひげをそる人など各部門で担当する人が違うということ。。。強制的に美容室に連れて行こうとしたけれど、「バックシャンプーが怖い」という理由でかたくなに行きません。
 なので私が切ることにしました。

 切ってみると、素人ながらちょっと上手なんじゃないの〜と自分でも満足な仕上がり。だんなさんも「じょき」っとはさみが髪に入るたびにビクビクしてたけど、思わぬ仕上がりに理容室には行かず私に切らせてくれるようになりました。

 「ということで、カリスマ美容師(死語か!?)のママがラブリーに仕上げるからね☆」と、心花の髪を切ることにしました。何か嫌な予感を感じ取ったのか、真剣に抵抗する心花の顔をおさえこみ、じょきじょきじょき。。。。。うーん、耳に髪がかかってたら痒いとかわいそう。前髪も目についたら目が悪くなっちゃうし。えりあしもちゃんと切らないとヤンキーの子みたいだ。そうだ、シャギーも入れよう。じょきじょきじょき。。。あれ、こっち側がちょっと長めだ、じょきじょき。あら、今度はこっちが長い、じょきじょき。じょき。。

 「うわーーーーん」

 心花が泣いてはっと我にかえりました。き、切りすぎた。。。しかもしかも私としたことが、、、心花のサイドの髪が、、、アイビーカットになってしまった!!!前髪もシャギー入れたはずなのに、おでこが全開してる。。。えりあしだってシャギー入れたはずなのに前髪が短いから、結局シャギーの入ったヤンキーえりあしになってしまった。。。女の子なのにアイビーの入ったヤンキーカット。。しかも昭和のヤンキーカットだ。。。


「これ、はじめちゃん(ばかぼんの弟らしい)カット?」と、だんなさんが大笑い。笑われて何だかよくわかんないけど、つられ笑いをしている心花。

 ごめんなさい。もうカリスマなんて大きな口をたたきません。
 外出するたびに髪を見て笑われるか、「まあ」と不憫そうに見られてる心花。ごめんね、次はしっかりかわいく切るから。

 それまでしっかりパパで練習するからね!!!

 

心花の鼻水

はーちゃん、だいじょうぶ?  うーん

 どうも昨日あたりから、心花はくしゃみをします。「ほこりか?」と思い、今日は床を丁寧に掃除しました。
 でも、咳もするようになりました。心花が口をよくなめてるので見てみると透明な鼻水がでてました。昨日よりくしゃみの回数が多く、咳も時々してます。

 風邪???

 そう思うと急に怖くなってきました。だんなさまは今日から火曜日までずっと当直。心花は特別食欲もおちてなく、覚えたての寝返りもしつつ、今日から両足共につかめるようになったので、足をつかみながらテレビを見たり・・・。今のところ熱もありません。

 心花が苦しい思いをしたら・・と考えるだけで泣けてきます。いつかは通る道なのかもしれないけど、やっぱりかわいそう。どうしようどうしよう∞と思ってばかりで、何をしていいかわからない。
 毎日、救急車で運ばれてきた患者さんを見たり、手術後の患者さんなどを見てきたのに、勉強してきたはずなのに、もしも心花が・・って考えると、今、これから、何していいかわからない。。。
 とりあえず、熱がないか、食欲がおちてないか、機嫌はどうか、体に発疹ができてないか、いつもと違うことに注意しなくちゃ。温度、湿度も注意しなきゃ。
 世の中のお父さん・お母さんは子供が熱を出したりしたら、こんなに心細い気持ちになるのかなあ・・・。

 熱も苦しいのも痛いのも、みんなみんなママが引き受けます。だから、どうかどうか明日も元気な心花でありますように・・・。

気合の寝返り6時5分

ふんが、ふんが。。ふんがあっ!

 1ヵ月以上日記をさぼってた間に心花が芸をするようになりました。ひとつは「おしゃぶり」。う〜ん、赤ちゃんらしくてかわいいぞ♪と思っていたら、巷で見るおしゃぶりとは何かちょっと違う・・・?指をちゅぱちゅぱするのかと思いきや、心花さん、グーを口に押し込みちゅぱちゅぱとするのです・・・。しかもその大胆な「おしゃぶり」の最後には必ず毎回「おえっ」と吐きそうな顔をするという立派なオチ付き。
 「はーちゃん(心花の愛称です)、女の子だからね、お口さんが大きくなったらいけないから、おしゃぶりは指だけにしとこうかね」と心配そうに言う私をよそ目に心花は、「ほーらママ、こんなにグーが入るのよ!はーちゃんすごいでしょ♪」と言わんばかりにご機嫌な顔で私を見ます。大丈夫かなあ。口大きくならないかなあ。そういえば、酔っ払ったときにグーを口の中に入れる芸をよくするって友達に言われたことがあるなあ。遺伝かなあ。
 ふたつ目の芸、「足つかみ」。私の母が心花に「ほーら、はーちゃん。足はこうやって持つのよ〜」と足を持たせました。それが気に入ったようで左足を持つようになりました。右足も持たせてみますが、どうも持ちません。なんでかなあ〜と思って心花を見ていると、習得した芸の融合・・・そうです、右手はグーのおしゃぶり、左は足つかみ。器用に笑いながらやっています。かわいくていいんですけど、ちょっと困ったことがあります。最近、心花は「ベンツデビュー(ベビーカーのことを我が家ではベンツと呼んでいます!!)」をしました。抱っこちゃんの心花、乗せた最初は「こんな子供だましは嫌〜!抱っこがいい!」と言ってるかのように泣きわめいていましたが、急におとなしくなりました。よしよし、慣れたのかなあ。うん?なんで通りすがる人たち、心花を見て笑ってるんだろう?と思い心花を見ると、2つの芸を披露してました。しかも得意気に。それから心花はベンツに乗っているときは寝てるか、芸をしています。そして夜中、授乳で心花に起こされるとき。「ああ、心花がお腹すかして泣いてる。よし、起きるぞー!」と遠い意識を呼び起こして起きると、泣いていると思いきや、やっぱり2つの芸をきちんと夜中にもしている心花さん。すごい。
 そして三つ目の芸。先日寝返りができるようになりました。洗濯を干していたときのこと、「ふおおおお〜」と力んでいる声が聞こえてきました。うんにょかな?と思い心花の側に行くと体を必死にひねらせてます。何してるの?と思いながら観察していると「ふんんーっ、ふんっ、はあああああ」とすごい声を出してくるんと半回転。寝返りが1人でできました。初めて1人でできた心花、とっても嬉しそうです。心花を抱きしめて褒めると、「ちょっとママ、はーちゃんがやっと寝返りしたのに邪魔しないで!」とキックを連打されました。今までとは違って見える世界がとても嬉しいようです。帰宅しただんなさまも心花の寝返りを見て感無量・・・。「すごいね、はーちゃん。パパのためにもう一回やって見せて」と言うだんなさまに得意気に芸を披露する心花。「ふおおおおおーっ」と言いながらくるんくるん回ってます。だんなさまはしつこいので、何度も心花の寝返りを見て感動。何回もしてる心花も最後は「ふお」っとかぼそい声になりながらも披露していました。芸人魂もそだっているようです。

 我が家の目覚まし時計は7時です。いつもの朝。大きな音と共に起床。寝ぼけ眼で目覚ましのスイッチを切るけど、どうやら違う。。。「ふおっふおっ」と隣から聞こえる声。はっと横を見ると得意気に寝返りをしてる心花。時計を見ると朝の6時5分。。。早い。。。その日から毎日、心花は必ず6時5分に気合の入った目覚まし時計並みの声を出し、寝返りの芸を私たちに披露してくれます。すごいね心花。でも、もうちょっと寝たいな。

 私はもう一つ「心花日記」を書いています。1日1枚ポラロイドで心花の写真を撮り、その日あった心花の出来事を未来の心花に向けてノートに書いています。毎日表情が増えていく心花。少しずつ、いろいろなことが出来てきた心花。成長を嬉しく思う反面、いつまでも自分だけの赤ちゃんでいてほしいと思ってしまうことも多々あります。赤ちゃんを育てられるこの一瞬、この尊い時間。ずっと心花と一緒にいられる私はなんてなんて幸せなんだろう。。。

 もうすぐ夜中の1時。すやすやと、時に、にこーっと笑いながら心花は寝ています。あと数時間後には心花の気合の芸の時間です。そろそろ寝ようかな。。。

心花とおしゃべり

わたしの大好きなひと。。

 おかげさまで心花も3ヶ月になりました。相変わらず母乳よりも3000円のE赤ちゃんというミルクをおいしそうに飲み、ぐんぐんぶくぶく育っています。
 4月に入って桜が花開くのと同時に、今まで「あーっ」としか話せなかった心花が「あぶあぶ」「ふーん」など、話す言葉がふえてきました。最近は気に入らないことがあると泣くことで主張するのではなく、若干3ヶ月にして、「はうあうあう、はうあうはう」と眉間にしわをよせて訴えます。しかもその後に「ママ、心花の言ってることちゃんとわかってるの?しっかりしてよね」とでも言ってるかのごとく、顔をななめにして私を見つめ「ふー」とため息さえもつくようになりました。何を話しているのかわからないけど、心花なりの3ヶ月の主張があるようです。
 心花がお腹にいるとき、太りすぎを注意されていた私は妊婦体操をしていました。しかも本に書いてあるような体操でなく、ラップ調の曲に合わせて「YOO!チェケラッチョ」と、ちょっと人に見せるには勇気がいる、だんなさまにも見せたことのない自由な踊りです。今も心花を抱っこしながらユウセンで流れてくる音楽に合わせて二人で(心花は強制的に)踊っています。そんな心花はユウセンの音楽に合わせて「はうあう」とおしゃべりしてます。
 「言葉」というのはとても大事で、言葉ひとつで相手を励ますこともできるし、時に相手を傷つける暴力にもなります。そこで大切になってくるのは相手への思いやりや敬う心だったりします。いくら心で素晴らしいことを思っていても、それだけでは相手には伝わらないし、黙って笑顔を浮かべているだけでも伝わらない。私が小さい頃そうであったように、お母さんは家の中で太陽のような存在なので、私は心花とおしゃべりするときは、たくさんの愛情ととびっきりの笑顔で接しているし、心花の笑顔を見ると自然とそのようになります。
 ただ、心配なことが一つ。。。だんなさまは宮崎弁。私は奄美の言葉。一体どんな言葉、イントネーションで話すんだろう?将来に向けて英語が話せるように!!!と私の精一杯の英語の知識、「アップル」「オレンジ」を心花に話していると、「英語っていったら、アップルっていうママの発想、どうなのよ?」と眉間にしわをよせ、顔をななめにして見る心花と、「堂々と心花に教えている単語、発音全然違うから」と眉間にしわをよせ、顔をななめにして私を見ているだんなさま。こんな動作まで似ているのか。。。
 これからの時代に向けて英語も中国語もしゃべれないし、普段しゃべっている日本語もままらないので教えるには危ういけれど、心花のために、たくさんたくさん愛の詰まった言葉でおしゃべりしようと思います。心花と、いろんなひとと、おしゃべりする日が楽しみだなあ。。。

お兄ちゃんの誕生日

正数おじちゃん、心花です。。

 私は極度のブラコンです。

 私には5歳年の離れたお兄ちゃんがいます。今は結婚して宮城に住んでいます。小さい頃はお兄ちゃんの後ろにくっついて遊んでました。お兄ちゃんから野球やサッカー、手裏剣の作り方、めんこにビー玉、ガッチャマンの歌までたくさん教えてもらいました。

 3月16日はお兄ちゃんの誕生日でした。早いものでもう33歳(ちなみにだんなさまは34歳)思い起こせばたくさん、お兄ちゃんとの思い出があります。

「ななちゃんは実は捨て子だったんだ」と4歳の時にお兄ちゃんに言われた事。「このままこのお家にいちゃいけないんだ」と小さな胸を痛め、当時お気に入りだったレレレのおじさんのバッグに何故かありったけのパンツを入れ、陣地だった公園のトンネルでこれからどうやって生きていこう、お腹すいたなあと思っていたとき、アイスクリームを食べながらお兄ちゃんが「うっそぴょーん」と迎えに来た。アイスは一口もくれなかったけど、家まで手をつないで帰ってくれた。

「少年ジャンプ」の愛読者だったお兄ちゃん。毎週火曜日に売り出されていたので、お兄ちゃんが帰ってくると「ななちゃんおつかい行ってきて。10分以内でジャンプ買って帰ってきてね」お兄ちゃんにおつかいを頼まれるのが嬉しくて、家から300メートル先にある本屋さんに全速力で往復走った。おかげで小・中・高の体育祭で必ずリレーのアンカーだった。

中学生になったお兄ちゃん。小2になった私。体育で柔道を習うらしく、体育のあった日は再度柔道着を着て、私に技を教えてくれた。「トラは小さなねずみを捕まえるときも全力でやるんだよ」と、全力で、習った技を私にかけていた。女の子だけどたくさん投げられた。それから相撲、プロレスの技と、2年くらい毎日投げられるか、さそり固めをされてた。おかげで足腰が強くなったと思う。

お兄ちゃん18歳、私13歳。近頃家に女の人からお兄ちゃん宛に電話がかかってくるようになった。気にくわないので、その人からかかってくると「お兄ちゃんはいません」と電話を切っていた。その人からもらったような手紙も全部把握した。バレンタインの時チョコレートケーキをもらって帰ってきたお兄ちゃん。かなり気にくわないのでケーキを全部食べたら、ケーキの中にブランデーが入ってて酔っ払った。おかげでブランデーは今も飲めない。

お兄ちゃん20歳、私15歳。初めてお兄ちゃんがパチンコに行き、55200円勝っていた。
「おこづかいあげる」と初めてお兄ちゃんからおこづかいをもらった。200円。

5歳の頃、大熱を出した私。食欲のない私に大きなアイスを買ってきてくれたお兄ちゃん。一緒に食べて、また一緒に大熱が出て2人で寝込んだ。熱も下がり、大好きなアラレちゃんの単行本を読もうとしたら、お兄ちゃんが古本屋にアラレちゃんを売って、アイスを買っていたことが判明。お兄ちゃんが集めていた「白い戦士ヤマト」という単行本は無事だった。しかも1冊増えていた。

小さい頃からぼーっとしてる私はよく、男の人に何度か連れて行かれそうになったことがあります。1度は誘拐未遂もありました。その度に助けてくれたお兄ちゃん。お母さんに怒られて家にいれてもらえないとき、一緒に外にいてくれたお兄ちゃん。夏休みの宿題を絶対手伝ってくれなかったお兄ちゃん。晩御飯、お母さんの見ていない隙に私の皿の肉を奪い、その代わりに野菜を置くお兄ちゃん。何て素敵なお兄ちゃん。

 そんなお兄ちゃんがだんなさまに言った言葉。

「わがままな奴ですがいい奴です。どうか幸せにしてやってください」

 お兄ちゃんのおかげでデパートのセールのときダッシュしてお目当ての品物をゲットできるようになったよ。
おにいちゃんのおかげで酔っ払って遅く帰ってきただんなさまに4の地固めをしてこらしめることができるよ。

 小さい頃みたいにおもいっきり遊ぶことができなくなったけど、また次生まれてきたら、やっぱりお兄ちゃんの妹になって、またジャンプ買いに行きたいなあ。

 お兄ちゃん、たくさんたくさん幸せにしてもらってるから安心してね。でもブラコンはどうやら卒業できないなあ。

 大好きなお兄ちゃん。お誕生日おめでとう。