十六夜の大阪城

自分がリスペクトしているあーやと付き合うくらいだから
同格の人物だと認めるしかないのかな。



そう心に決めたあの日から半年が経った。
彼女に対して恋愛的な感情は一切ないけど、
あの日以来彼女のバラードを聴く度に彼の姿が脳裏をよぎるようになった。
優しくて真面目でいい奴っぽい。
デビュー当初から彼女を想っていたという
一途さにも心打たれて「彼なら仕方ないか」と交際を暖かく見守っていた…はずが。
心にずっと引っ掛かるものがあった。それは彼の実力。

私は非凡な才能を持った人が大好きだ。
凡人の努力物語とか嫌いじゃないけど、少なくともリスペクトはしない。
自分に無い物、目指している物を持っている人にこそ憧れるし尊敬する。
私にとって松浦亜弥は生き方そのものがリスペクトの対象。
彼女が愛する者は同じく愛したいが限度がある。
「いい人」だけじゃリスペクトできない。
私は彼の本当の姿、実力が知りたかった。
この目で、耳で、体で、彼の事を直接感じたかったのだ―――――。


はい。とゆー訳で行ってきましたw-inds.コン。
w-inds.大阪城ホールAGEHA〜。』
いろんな方向で最低のタイミングだけど軽くレポります。
(やーめろよーそんな目でみーるなーよー。)


ファーストインパクトは大阪城公園へと向かう電車の中。
梅田から乗ったのはいいけど、城公園駅に近づくに連れて
一般客が一人、また一人と降りて行く。
最終的にはw-inds.ファンの女のコの中に私一人ションボリという絵に。
女の大群の中に男が一匹。
プールで金髪の美女軍団に揉みくちゃにされながら
『ワイルドで行こう!』を歌うのが夢だった私にとって
このシチュエーションはまさにプチドリームのはずなのに生きた心地がしない。
「おっさんはw-inds.に近寄ることも許されないのか!?」と、
早くも心が折れそうになる。


大阪城公園駅到着。
改札を急ぎ足に抜けてワイハ貴族のべ〜やんと合流する。
亜弥コンで共に死線を潜りぬけてきたワイハ貴族べ〜やん。
あの猛者が会うなり捨て猫のようにニャーニャー鳴きついてきた。
ハローとは異質すぎる空間にすっかり怯えている様子だ。
電車で若干の免疫ができていた私は彼をなだめて共に会場へと向かう。
途中、グッツ売り場に寄ってうちわを購入。
勿論うちわは『KEITA』だ。価格は500円。
この時の「け、慶太うちわくださいっ!」の言葉で80ガッツ消費。早くも限界LOVER。


会場入り。
女のコ達のある意味熱い視線を感じながら座席を探す。
座席はアリーナの43列。
立見くらいが身分相応だったけど慶太兄を体感するには遠すぎては意味がない。
座席発見。どうやら私の隣の席は美女っぽい。
怖くて顔など見れかったが、それ系のオーラがガンガン伝わってくる。
ちなみにべーやんの隣はバラードの度に涙を流すホットなおばちゃんだった。
w-inds.熱いゼ。


周りを見渡すと男性が二人だけいた。
w-inds.のTシャツを着ていたが容姿やサイリウムからして間違い無くヲタ。
こちらを見て「お、キミたちもか」とニヤニヤしてくる。
不愉快極まりない。
こんな場違いネタヲタと一緒にされぬよう心のネクタイを締め直す。


オープニング。
「地球が滅びようとしてる。風の精霊達を呼び出すのだぁぁ!」
エコな感じの映像が流れて風の精霊、すなわちw-inds.が登場。
民族チックな曲調と衣装で歌い踊る龍一、涼平、慶太。
ってか、慶太一人だけデカイ!!想像以上の巨大さに驚いた。


優雅に歌い踊る三人。
あわよくば四人目のw-inds.としてダンスィングするつもりだったけど、
とても一見で憶えられる振りじゃなかったし、
それ以上に背中越しに伝わる視線が痛い。
腕を振り上げるだけで殺されるような殺意を感じた。
危機回避能力だけは優れている私は心で2ステップを踏む事にする。


“軽いレポ”じゃなくなってきたので以下要点のみにします。


◆ダンスコーナーが凄い!
アイドルだと舐めてた部分があったけどそのダンスレベルの高さに驚いた。
龍一のオーバーアクションに目を奪われがちだが、
シャイボーイ涼平がガチになった時のキレは見逃せない。
ウインドミルからワンハンドフリーズとか半端ねー。
彼らのバックダンサーは更に鬼レベル。
ヘッドスピンとか誰の為に披露してるのかと小1時間問い詰めたい
締めは慶太兄さんのロックダンス。可愛すぎてアジアが泣いた。


◆ソロコーナーも凄いんです!
w-inds.のバックは生演奏でギター、ドラム、ベースの順で
それぞれソロを披露してくれた。
ベースはひたすらスラップで超クール!
観客は一斉に着席で隣のお友達とお喋りタイム。超クール!
猫に小判猫に小判猫に小判
彼女達にとっては休憩時間のBGMといったところか。


◆MCが震えるんです!
ほぼ龍一が主導で語りながら進行していくけど彼がまた恐ろしいほど口下手。
思った事を表現できないというか、
口下手なのに何も考えずにその場で感じた事を語ろうとするからさぁ大変。
その彼がトークの主導権を握ってるという事は残りの二人は…。
慶太兄さんなんて「あー」「うー」な印象。
5秒に1度は突っ込める展開でした。


◆なんかイチャイチャしてるんです!
「龍一君がおでこににきびできたの知ってる♪」とか、
少女漫画の美少年級に現実離れしてるんです。
凡人だと「ホモ」と一言で悪即斬される言動の数々。別世界でした。
MCといいデビューから何年経ってるというのに、
よく言えばいつまで経っても初々しいというやつなんでしょうか。
あ、私のアゴにもニキビができました!…いえ何でもないです。


◆アンコールが熱い!
最初「アンコール」だったのが、
すぐに「龍一!(手拍子)涼平!(手拍子)、慶太!(手拍子)」と
個人名を順番に呼んでいくアンコールに切り替わりました。
2階の末席まで全力でサイリウムを振りながらのコール。もの凄い団結力でした。


◆慶太はでかいだけじゃない!
時々マイクを離しすぎて声が薄れなければ、
口パクと思ってしまうほど外さない音程。
しかもあれだけ踊りながら大して息切れもしていない。
そしてアホな子。(いい意味で)
ステージをみて慶太と松浦さんの関係がよく判った。
松浦さん、慶太兄さんをあんまイジメないでくれよと思った。




w-inds.コンに参戦してみて彼の実力、人柄を私なりに把握できた。
さすが松浦亜弥が選んだ人物。
「ただのいい人」じゃない、「とびきりいい人」だった。
もう心に残るものは何もない。
これからは喜んで二人の幸せを応援しよう。