「足らないのは、萌え詩人だ」

わーい。面白いことになってるなあ。萌え者な方々はpoenique「やみなべ」内の投稿者さん作『「萌え詩」確立のためのエチュード』が要チェックだ!サルホボのplogも合わせて見ると良いよ。
僕は例えばたみさんの詩なら一般的な萌え者の方々にもアピールするのではないか?と思っているのだけど、どうだろう。

ホテルビーナス

香川照之鑑賞映画として見ると(僕には)一番具合が良かった。裸ですっ転びながら「(自分が)役立たず……だからじゃないですかねえ」とか言うんだよ?嫌でも反応してしまうっての。件の後姿ヌードにしても、彼の役のキャラを引き立てる、きちんと必然性のあるもので、とてもよろしい。情けない酒浸りダメ男という役柄はベタながらドンピシャリだなー。香川ファンには是非おすすめ。
さて、他の要素はどうかと言うと、まあ大概気持ち悪い(路上詩人的気持ち悪さ)映画ではあるし、そもそも映画かどうかからして怪しい感じがするものの、一般向けエンターテインメントとしては成立してるんで問題ないでしょう。懸案の全編韓国語セリフが意外にハマっていて、面白かった。無闇に多いカメオ出演とボーカル曲流しすぎは気が散るんでやめてほしかったが。あとセリフの説教臭さは字幕読まなければいいだけなので問題にはならなかったけど、役者の演技には不満がある。ボウイ役の男の子は身体表現が過剰。サイ役はまあ、「可愛い女の子」であれば全て許されるような役柄なのであれこれ言うのもなんだが、「俯く」演技がただ首を曲げてるようにしか見えないのはちょっと。
余談ですが、エンドロール終わるまで観客のほとんど全員が席を立たなかったのは怖かった……!

アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』

おもしろーい。一般的な意味でのストーリーは存在しないので、適当な時に適当なとこまで読んでは止めるダラダラ読み推奨。僕は一気読みしてしまったが。描かれているイギリス下層階級のジャンキーどもの生活は気が滅入るようなヒドイことばっかりなのに、何故か不思議な安らぎが得られます。えっ、これってもしかして癒し系ってやつですか。そんな……。
多視点から語られる様々な若い登場人物の日常の出来事や日々思ってることは、視点人物が変われば違う種類のものになるし、時間が移ってもまた別物になってる。章が変わるごとに読者に迫ってくるのは明らかな「違い」、その明らかさが曲者だな。そこには何か跳躍力を持ったものがある。だってそれは「違い」から何か奇妙な、儚いけど強靭な「共通性」まで浮かび上がらせてしまったりしているのだよ。たまらないでしょ。このへんが青春小説たる所以かな。
キャラ萌えを求める向きにもやおい者にもおすすめ(ちなみに僕の気に入りキャラはシック・ボーイ。アホ丸出しの語り口調が良い)。みんなでダラダラ読みましょう。