こじれる人間関係 事例 1 

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン


ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、ひとが健全に生きて行くために世界保健機構が定めた「ライフスキル」を仕事を通して身につける方法についてレポートしています。
ライフスキルは、生きる力であり、技術です。
人は基本的な生きる構えの影響を受けていて、ひとによって不足、アンバランスがあるものです。ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、「ライフスキル」の不足を補いバランスを調整するために仕事、学業、人生の大事な場面などの機会を通して身につけることをめざしています。

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【41】こじれる人間関係 事例 1

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問題なく交流が続いていたのが、ある日、こじれ出して関係は破綻に向かうことがあります。
どのようにしておかしくなるのか、その事例レポートです。


▼ 事例「泥棒に追い銭」



目的     大損をして自分の愚かさを嘆くことで自己否定を強める
仕掛け    困っています。助けてください。遊興にお金を使い果たす
参加者(カモ) 暖かい交流を求めているひと、自然なこどもを取り戻したい
平行的交流  債権者がお金を都合したり、真面目に働いている間
交叉的交流  催促するなど、返済を迫ったとき
混乱     泣き落とし、加害者と被害者の入れ替わり、周囲の批判
結末     損失、(またやられた!)自己嫌悪、尻拭い



この事例は、主演級がふたり揃って演じることの多いストーリーです。
遊興に明け暮れお金の無心を繰り返す部下に、心入れ替えて頑張ってくれたらと親ごころが働いて、ついつい言いなりにお金を貸し続けるものの、結局は何も変わらず、お金だけが消えたというストーリーです。



私は以前、この関係を聞いたときに、カモの役をしている社長に「あなたは言いなりにお金を貸しているが、彼が変わる可能性は99%ないと断言する。他のひとが社長の立場だったら解雇していますよ。こんな関係には絶対にならない。」と忠告したものです。しかし社長は懲りもせず続けました。

結局、倒産しましたが、部下であった彼にも責任はあったことは免れません。
社長が言いなりになった遠因は、幼くして孤児になり、田畑の野菜を引き抜いて空腹を満たしながら独学で苦労を重ねて、地域の名士になるほど頑張った裏に、満たされなかったこども心があったのです。
暖かい父のぬくもりを部下に投影して自分が父親役を果たすことで満たそうとしていたのです。

私が「他のひとが社長の立場だったら解雇していますよ。」と言ったのは、満たされなかったこども心で判断しないひとならこんなスキは与えないという意味です。
問題ある部下がその心中を真に理解して、社長の望みを具現化したなら、両者ともにWIN-WINの関係で幸福感に満たされたわけですが、目的が自己否定にある限り悲劇的な結末しかなかったのです。
普通なら「バカもん、真面目に働け」で終わってしまう話ですが、互いの甘さを感じ取って「惹かれ合った」わけです。
社長もまた自己否定に苛まれながら努力をしてきたわけで、倒産という悲劇はストーリーの結末として最初から用意されていたと言えます。



交叉的交流が起こるのは、自分または他者を否定する意識が働いているからです。
つまり否定を表面化するために用意周到に準備したストーリーといえます。
まったくもって勿体ない話で、もっと建設的なことにエネルギーを注いだ方がマシですが、思うようにいかないのが切ないですね。


それにしても、破綻のストーリーは一体どのようにして準備されるのか、不思議に思われるかも知れませんが、種を明かせば簡単です。
たいていモデルが身近にいます。親の人生の再現などがそうです。
多少役者が入れ替わってもドラマに必要な役割を身近なひとがこなしています。
感覚的にしっくりするのでしょうね。
実に巧みに意図を感じさせずに、同じようなストーリーが組み立てられます。


私は、鮭をあるいはペンギンを思い出します。
海で育った鮭たちは、約束守るかのように、決まって北国の生まれた川めざして冷たい流れをさかのぼります。
生命の神秘を感じますが、ひとが無意識に創り上げるストーリーは、これに似ているような気がしてなりません。

 こどもの頃の真実は大人になったいまも真実ではありません。
それが分かっていたら、破綻のストーリーは捨てて、自己実現のストーリーを手にしたほうが楽しいわけです。

 破綻のストーリーを避けるひとが、自分はOK,他人もOK(自己肯定、他者受容)のひとなのです。
そして私たちは何としてでもよりよい自分のストーリーを描くべきです。
それは自分ひとりでは済まないことだからです。

 それには「自分はOK,他人もOK」の構えに創り直すことです。
創り直す手順は簡単です。
なにも考えずに「自分はOK,他人もOK」と思い込めばいいのです。
思い込むか、思い込まない、思い込めないは自分の選択です。
思い込んだら、後は一直線で「自分はOK,他人もOK」、だからできるまでやり抜いて自己実現しましょうが最適なのです。


ストーリーの創り直しは、「自分はOK,他人もOK」を旗印に、じぶん力再生から始め、自分の成長をやり直します。
親や身近な誰かの人生をなぞるのではなく新たに自分に最適な物語を作り直すのです。
つまり、三つの心を味方にして最大化にベクトルを合わせ「じぶん力」を使い、「7つのゴールデンルール」を実行することで作り直します。
ゴールデンルールへの取り組みは、じぶんストーリーの書き換え作業のはじまりです。


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