aisthetikosの日記

2011-10-22

食人的思考(未完)

冬学期の授業も、どれも一言も聞き逃せない程度におもしろいのばかりです。早速いくつか発表をこなしています。ところで南米ということで修士誰もとっていないゼミがあるのですが、これが今回一番面白い。みんなとればよかったのにー。私以外は全員博士課程なので、私のはっぴょうが多くなりそうで楽しみです。内容を紹介した文章を記録。

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生成はdevenir[仏]to become[英]などと表されるドゥルーズ哲学の概念ですが、アイデア自体はレヴィストロースなども共有していたと言われます。西欧人が他者を本質的な「同一性」のなかで考えるのに対し、たとえば南米先住民は他者を本質的な「他性」のなかで、絶えず「他者になろう」とする、と言われます。このように、「自分とは異なるものになろうとする」ことを生成とよび、1.この生成によって特徴づけられる社会が南米先住民社会であり、2.この生成の考え方を人類学の方法論に応用しているのがカストロです。これが今回の南米ゼミの主題です。

1ですが、南米先住民社会に関する最初期の記述のひとつがド=レリによるトゥピナンバ族の話であったことはご存知かもしれません。カストロによれば、
・彼らは食人の慣習を持っていましたが、これは敵を食べてその能力を手に入れるとか、神を食べて無限を手に入れるとかいう目的で行われました。
宣教師キリスト教を伝えると、先住民は快く信仰を受け入れました。しかし、放っておくとすぐに先住民の慣習に戻ってしまいました(変わりやすい)
こうした点から、彼らは他者を本質的な他性によって理解し、他者を自らのうちに取り込む(食人)ことで他者になろうとする、すなわち生成の原理に突き動かされていた、こういう「食人的思考」という視点を提供したのがカストロです。これは同一性概念を根本から揺り動かすレベルに達している、とうちの先生は評価しています。

つづく

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博士課程の先輩が研究発表でヴィヴェイロス=ジ=カストロを紹介していたときからすごく興味があったので、今回勉強できるのはかなりうれしい。ていうか、同一性なんて嘘だろ。いまとなっては同一性なんてナイーブなことを簡単に言うようなひとはいないかもしれないけど。何に照らしても、生成が真実であるような気がしてくる。自分に照らしても。

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