Tuning-Time Review

2009-01-15

[]『ラジ&ピース』

『ラジ&ピース』絲山 秋子著(講談社)

テンポというかリズムというか、読んでいて非常に心地がよい文章だと感じる。

ストーリーにおいては、ほとんど何も特別なことは起きないけれど、物足りないと感じることもない。

自分の思うままの道を淡々と生きていく主人公(女性)の描き方がとてもいい。

2009-01-11

[]『バニラ・スカイ』

『バニラ・スカイ』キャメロン・クロウ監督(2001年米)

ストーリーは、ざっと説明するのが難しいような内容なので割愛。

途中からかなりSFチック(?)になるのだけれど、実際のところ最後まで見終えても、解釈が幾通りもあって、あれこれと考えさせられる(というのは好意的な言い方)。

本当は、こうした映画だったら、どこかにカギ(ポイント)があって、正解(解釈)はひとつであるべきではないか、とも思う。

もちろん作る側・作る時点ではそれがあるのかも知れないが、やはり、最後に目を覚ますシーンで終えてしまっては、全てが夢だった、という解釈が可能なわけで、それはないんじゃない、って思ってしまう。

まあ、つまらなかったわけではないので、それなりにおススメはします。

というわけで、この映画はリメイクなので、オリジナルの邦題『オープン・ユア・アイズ』も一応見てみなくては、と考えているところ。

2009-01-10

[]『蛍』

『蛍』吉村昭著(中公文庫)

9編の短編からなる短編小説集。

最初の一編を読み終えたところから、これは何なのだろう、という「微妙な違和感」のようなものを感じた。面白い、とか、つまらない、という感覚とは別の次元のもの、それが何なのだろう、何からくるものだろう、ということが気にかかるのだ。

最初の一編は『休暇』という短編。

刑務所の看守が主人公の物語。

子連れで再婚となる女性と結婚することになった男は、死刑執行の「支え役」という係りを自ら願い出て、一週間の特別休暇をもらう。そしてその休暇に家族3人で“新婚旅行”に出かける、という話。

淡々と描写だけで綴られていく物語は、読者に何かしらの決められた感情を強いない。最初は物足りないように感じたけれど、ひとつずつ短編を読み進むうちに、少しずつ慣れてくる。

ああ、よかった、と思える結末もなく、落とし前をつけるような展開にもならず、あっさりと途切れるように終わっていく短編は、様々な印象を残していく。

その残していくものが、普通の小説より、少し長くあとをひくようで、ひとつを読み終えても、すぐに次へ、と進ませない。

結局最初に感じた「違和感」については、最後の短編まで読み終えて、もう一度考え、それは「居心地の悪さ」なのではないかという思いに至った。

2008-07-13

[]『ジェイン・オースティンの読書会』

『ジェイン・オースティンの読書会』ロビン・スウィコード監督(2007米)

本を読む、という行為を物語りの中心に据えた映画である。他の本好き(読書好き)の人はどうだかわからないが、少なくともボクは、けっこう人の読書スタイルに関心がある。

“読書スタイル”なんていうと大袈裟だが、要は、ある人がどんな本に関心を持ち、それが何故なのかを含め、どんなふうに本を読み、それをどんなふうに“消化”していくか、というようなことだ。

なので、こういった“読書”そのものを通じてストーリーが動くということだけで、かなりの関心を持つのだ。例えば日本でも少し前に『いつか読書する日』という映画があったし、フランス映画でも『読書する女』なんていう映画があった。(どれもしっかり見ている)

で、今回は、読書は読書でも、読書スタイルは“読書会”である。つまり独り孤独に本を読むわけではなく、みんなで同じ本を読んで、あ〜だこ〜だ、と話し合うわけです。実はこういう読書も、とても関心があるのだけれど、学校の授業とかを別にすると、残念ながら実際には体験していません。

と、かなり前置きが長くなってしまったのだけれど、この映画は、妙齢の女性(プラス数人の男性)が読書(会)を通じて、自分を見つめ、他人と語り合い、自らを変化させていく、というオハナシである。で、その題材となるのが、ジェイン・オースティンという200年近くも昔の女性の作家なのですが、実はハズカシながらその小説に関しては未読であります。

ただ、映画自体は、小説を全く読んでいなくても、ほぼ問題なく楽しめる内容と言えるでしょう。いや、もしかすると、そういった知識がないほうが、余計なことを考えずに映画として楽しめるかもしれないとも思えます。

最後は、絵に書いたような、何もかもうまくいくハッピー・エンド。賛否はあろうかと思われる最後だけれど、まあ好き嫌いでいいのでしょう。ボクとしては、どんでん返し的な部分がないところに、逆に好感が持ててOKかな。

2008-07-10

[]『反貧困』湯浅誠

『反貧困』湯浅誠著(岩波新書)



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