石飛先生の『出家の覚悟』『沙門果経』書評


インド学仏教学研究家のマニカナエムこと石飛道子先生が、スマナサーラ長老と南直哉師の対談『出家の覚悟』とスマナサーラ長老の経典解説書『沙門果経』(ともに版元はサンガ)の書評を書いて下さった。


まず『出家の覚悟』は……

出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ

出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ

読んでいると、
日本の仏教の問題点が浮かんできます。


★ブッダの教えを知らない日本の仏教  
★檀家制度と独特の世襲制度の上に成り立つ日本の仏教


また、学問上の問題点も。。。イテ!

★ブッダの教えを、当時の思想の”パクリ”と
とらえてしまった 故中村博士の解釈


ここで、長老さまは
=================
ブッダの思想は、ブッダ・オリジナルである!
==================
と、高らかに宣言されます。(pp.106?110)


さて、後半は

現代の悩み多き日本人の問題にせまる南氏の、
するどい視点が光ります。

という、たいへん美味しそうな紹介ぶり。そして『沙門果経』は……

沙門果経―仏道を歩む人は瞬時に幸福になる (初期仏教経典解説シリーズ)

沙門果経―仏道を歩む人は瞬時に幸福になる (初期仏教経典解説シリーズ)

現代日本で作成された

この論書は、
これからの長いアビダルマの歴史の中で
確実に残されていくのではないかと
思われます。


これは、遠い過去に興った

六師外道といわれる当時の思想家たちの説を

可能なかぎり、具体的に、

実感をもって知りうる形で、

説明してあるのです。


ブッダの説以外の、当時の思想を

丁寧に語るスマ長老さまは、

当時の人々の生き方や生活習慣など

生きている人々を見つめています。

そうそう!『沙門果経』前半のハイライトは、なんといってもスマナサーラ長老による「六師外道」思想の解明なのだ。きっと石飛先生は、いっちゃん美味しく召し上がって消化していただけるだろうなぁと思っていた。それがあるから、後半のめくるめく仏教ワールドも生きてくるのだ。現代のアジャセ王たる私たちは、別に親殺しとかしてないし、ほんとにこの本を読んだだけで、パカッと?法眼が開いちゃう可能性もあると思う。


というわけで、書評してもらいたいと思っていた人に書評していただいて、本づくりに関わったものとしてはこの上ない幸せを感じている次第。石飛先生の新著もはやく読まなければ……。


龍樹と、語れ!―『方便心論』の言語戦略

龍樹と、語れ!―『方便心論』の言語戦略


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