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ひじる日々(東京寺男日記) 脱原発! このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-09-09 仏陀は再誕しない

[]仏陀は再誕しない 仏陀は再誕しないを含むブックマーク 仏陀は再誕しないのブックマークコメント


新宿を歩いていたら、『仏陀再誕』という映画のポスターを見かけました。


この間の総選挙でたくさんの候補者を出して一人の当選者も出さないという離れ業を演じてみせた、某新興宗教のつくった映画のようです。


でも、これっておかしいですよ。


仏陀ブッダ)が再誕する」ということはありえない話です。


仏陀は地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・天(欲天+梵天)という輪廻の世界から「解脱(げだつ)」を果たした方です。


ですので、絶対に「再誕」などしません。この世界が何次元構造になっていようが、その一切から完全に解脱している(のりこえている)から仏陀なのです。


乗り越えていないならば、仏陀ではありません。


仏陀が「よっしゃ、またちょっくら生まれてくる」などと言って、この世界に戻ってくることはあり得ません。


また生まれる、再誕する、というならば「菩薩(ぼさつ)」です。


菩薩仏陀になるために無限の輪廻の中で十波羅蜜(じっぱらみつ)と呼ばれる修行課題を完成させます。波羅蜜の完成の直前まで修行すると、兜率天という天界に生まれ変わって、人間として母胎に入るまでの期間、待機するのです。


それで頃合いを見計らって兜率天から、いよっと人間の女のお腹に入って(ちなみに両親はちゃんと性交するんですよ)*1、十か月後に生れてから、やがて出家し、あれこれやって修行を完成し、世尊(せそん)であり阿羅漢(あらかん)であり正自覚者(しょうじかくしゃ,三藐三仏陀 さんみゃくさんぶっだ)であられるところの仏陀となるのです。


それが、私たちのよく知っている釈迦さま(釈迦牟尼仏陀)です。


生まれ変わる(再誕する)のは、仏陀になろうと修行してる菩薩です。


仏陀になったら、もう決して生まれ変わりません。再誕しません。


仏陀は再誕しませんが、私たちは別にさびしくないんです。教えがありますから。*2


ついでに言えば、お釈迦さまの教えが残っている限り、「新しい仏陀」となる人が現れる必要もないのです。


パーリ経典*3の隅の方には、仏陀の教えが完全に消え去って途方もない時間が経った未来に、弥勒仏陀(みろくぶっだ)とゆー仏陀が現れるよと、チラッと書いてあります。でも、あまりはっきりしていません。


細かいことを言い出すといろいろありますけど、以上は仏教の基礎知識です。


というわけで、お釈迦さまの教えを誰かがほんの少しでも覚えている限り、


仏陀再誕」はあり得ません。*4


…………


もう一つ付け加えますが、


釈迦さまが誕生された時、ある仙人から「彼には将来、仏陀になるか、あるいは転輪聖王(てんりんしょうおう,全世界の支配者)になるか、という二つの道がある」と予言されたとゆー伝説があります。


伝説は伝説ですが、世俗の支配者であることと、人々と神々を導く精神的な師であることは両立しないという教えです。


新興宗教の教祖様は、自分は仏陀の生まれ変わりだ(この言い方自体矛盾してますけど)と言いながら、政治進出をして世俗の支配者たろうともしたのです。


で、失敗しました。


転輪聖王が現れると、その徳の力で、おのずと全世界の人民がその支配下に入りたがると言います。


そういう慶事も起こりませんでした。


以上のことから、ひとつだけ、確かなことが分かります。


世俗に未練のある人は、仏陀ではありません。


凡夫*5です。


菩薩かも知れませんが、二つの道で迷っている時点で、「最後の生まれ」ではあり得ません。


これからも生まれ変わって失敗ばかりするやつなのです。


週刊 ダイヤモンド 2009年 9/12号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2009年 9/12号 [雑誌]


【追記】いくつかの注釈を加えました。興味のある方はご覧ください。(2009/09/10)


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*1:パーリ経典には「正念・正知をもって母胎に入る」とある(長部16,中部123,増支部4集127,他)。状況を想像すると、ちょっとユーモラスな感じがする

*22008-12-25 『大般涅槃経』に記された「正法」の見分け方 参照のこと

*32009-02-06 パーリ三蔵の世界にようこそ 参照のこと

*4:厳密に言えば2つの意味であり得ないのである。1:「仏陀が再誕する」という事態は仏陀の定義に照らして成り立たないこと。2:釈尊に続く「現世で仏陀となる菩薩」が出現する客観的な条件がないこと

*5:経典ではbaala, duppaJJa(バーラ、ドゥッパンニャ)。愚者、愚人、闇者、小兒、癡眷属などと訳される。蔑称ではなく、悟っていない限り愚か者という意味

leaf-of-lotusleaf-of-lotus 2009/09/11 11:06 私は協会の会員です。で、日本の僧侶です。私はこのポスター(かなりでかい)を五反田で拝見させていただきました。また、週間ダイアモンドも読みました。この国において、新宗教のみならず、既存の宗派(本来ありえない?)も含めて、これから私たちがやらなければいけないことは、山済みです。めげずに、お互いガンバリましょう。

虎 2009/09/12 11:13 始めまして。シベリアの虎です。私は興味本位と、友達の誘いで新宗教(信者さんは新宗教とは言いませんが、入ってましたが納得のいかないことばかり。でっ、最終的には、御釈迦様の教えだからとか書いているからだとかいわれましたが、それでも納得いきませんでした。そここでここのブログを見たところ希望のしくみという本の紹介があり、日本の仏教は祖師信仰と養老さんが冒頭に話をしているところをみて両まなこを雪解け水に見開いたまま突っ込んだ気がしました。そうなんだと。やはり、有難い経典と言っても、インドから中国、そして日本なら改ざんとは言わないまでも相当の手直しが入っていると。違うと言うなら経典はひとつのはず。私も今日から原始仏教から学んでいこうと思いました。まずは中村先生の本からと思いますが、多くて難しそうなので初級者コースとして、お勧めがあれば教えてください。

lapsanglapsang 2009/09/12 11:49 週間ダイヤモンド見たけど、日本の宗教法人の信者数一覧に、日本テーラワーダ仏教協会が載ってないみたいですよ。それとも私の見間違え?宗教法人ですよね??

ajitaajita 2009/09/12 19:43 虎さん
スマナサーラ長老がパーリ経典(初期仏教経典)を解説した著作がおススメです。具体的には、

『慈経 ブッダの慈しみは愛を超える』
『怒りの無条件降伏―中部教典『ノコギリのたとえ』を読む』(以上、日本テーラワーダ仏教協会)
『ブッダの青年への教え 生命のネットワーク『シガーラ教誡経』』(国書刊行会)
『原訳「法句経(ダンマパダ)一日一話』
『原訳「法句経(ダンマパダ)一日一悟』
『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章』(以上、佼成出版社)
『沙門果経―仏道を歩む人は瞬時に幸福になる』(サンガ)
『般若心経は間違い?』(宝島社新書,宝島社SUGOI文庫)
です。参考になれば幸いです。

ajitaajita 2009/09/12 19:46 lapsangさん
なぜ載ってなかったんでしょうね。取材の電話もファクスもありませんでした。小さな団体なので忘れられたのではないでしょうか?以前、週刊ダイヤモンドが「寺と墓の秘密」という特集をした時に、統計資料の使い方がめちゃくちゃだとして強く批判したことがありますけど、それは無関係だと思いたいです(笑)。
http://d.hatena.ne.jp/ajita/20080109/p1

大川大川 2009/09/13 15:42 週刊ダイヤモンドの記事、小生目を皿にして探しました。嫌がらせかなと・・・。ちなみに宗教団体数、信者数、教師数はいくつになるのでしょうか?

おっさんおっさん 2009/09/13 18:55 どうでもいいけど、「〜とゆー○○」という変な日本語使うの止めてくれませんか?
「〜という仏陀」「〜という伝説」というのが正しい日本語です。物書きのはしくれなら、正しい日本語を使ってほしいものです。

ajitaajita 2009/09/13 20:45 大川さん

団体数 1(被包括法人はなし)
教師 5(担当講座のある比丘)
会員数 約2000(会費納入者)

といったところでしょうか?

インド哲学生インド哲学生 2009/11/10 00:32 一つ目の論点は間違いでは?
「仏陀」の意味は「覚者」「悟りを開いた人」、個人を指しません。
「過去仏」という言葉も有るように、仏教的歴史観の中では一人ではありません。再誕しうると思います。します!信じてます!?
対して、「釈尊」=「釈迦牟尼」は、「シャカ族出身の聖者」と言う意味で、固有名詞です。こちらは再誕しません。
いやまあ、「再誕」の語定義の違いから来るものかもしれませんが。
TeravAdaということは、上座部系の方ですよね。たしか協会の発刊なさっている書籍を拝見した事があります。頑張ってください。
幸福実現党・・・興味すらわかない。
初期仏教の経典=上座部系の仏典には興味津々なのですけどね。
他の記事も拝見させていただきます。

ajitaajita 2009/11/10 23:15 インド哲学生さん、こんばんは。
ややこしい文章ですみません。疑問の点については、トラックバックを下さった

http://www.kotono8.com/2009/11/03kouhuku12.html
【絵文録ことのは】幸福実現党の研究(12)映画「仏陀再誕」徹底分析

で上手に整理してくださっています。お読みになってみてください。