結婚式〜サリー着用編〜

朝6時に知人宅に行くと、大勢の人が小型の旅行かばんや
バッグに着替えの衣装などを詰め込んで、お出掛けの準備
真っ最中の模様。
家の人にサリーを借りることができ、さっそくお着替え。
準備の終わったおばちゃんたち数名に取り囲まれ、
20分くらいかけてなんとか出来上がりました。

サリーを着るのは初めて。
綿でできたペチコートを下にはくんですが、
エストのひもをしっかり絞って結んでおかないと、
後でサリーの端を突っ込んで留めるときに、ゆるいとすぐ
着崩れてしまうらしく、相当きつく締められました。
それから、ブラウスと呼ばれるあばら骨の丈?くらいの
短い丈のシャツを着るのですが、これはジャストサイズがベスト
なので、たいていみんなオーダーメイド。私が借りたのも
サイズがまちまちだったので、安全ピンとかで調節して
くれました。
そして最後に大きな布を、まず腰回りにぐるりと巻いて
15センチくらいの幅でジグザグに折って、きれいなひだを作り
それを先ほどのペチコートのウエスト部にぐぐっと入れ込んで留め、
余った布端を斜めに肩に掛けて出来上がりです。
んー、一人で着るのは難しそー。


結婚式などで着用する“よそ行きのサリー”は、金の糸が織り込んであって、
パリッとしたハリのある仕上がりになっているため、
着るのが難しいみたいです。
おばちゃん達同士も、手伝い合いながら着てました。
ちょうど、日本の着物を着付けるシーンに似ていると思いました。

結婚式〜式場到着〜

7時半くらいになって、みんなでチャーターのバス2台に乗り込み
隣町まで移動。1台に50人くらい乗れるバスだから100人くらい。
家には50人くらいしかいなかったと思ったんだけど、近所の人も
乗ってるのかな?
うちを出るときに、縁起物なのか、色付けされた米みたいなのを配られたけど
会場でまたもらえるとのことで、バスの窓から捨てました。
実際隣接してるのかどうか知りませんが、日本から持参の地図で見る限り
ワルダーの隣に記されている市、ナグプール。2時間弱で到着。


ワルダーと違ってナグプールは、すごくきれいな印象。金回りがいいのか
建物が大きくてきれいなものが多いです。州の中では大きな市で、
工場地帯や主要な会社の支店もあります。“ちゃんとした”レストランや
ホテルとか、ワルダーにはないようなのがバスの窓からたくさん見えました。
新しげなマンションも目立ちました。
特筆すべきが、忘れてたんだけど、ワルダーは自動車が走っているにも
かかわらず信号機が全く設置されていないということを
ナグプールで信号機を見たとき思い出しました。


式会場となる建物から歩いて200〜300メートルくらいの場所に
控え室として使われてる家があって、普段着で来ている女性たちは
ここでよそ行きのサリーに着替えました。


着替え終えた女性は、顔にミルクローションを塗り、その後おしろいを
ぱたぱた付けて、すこし色が白くなりました。ファンデーションみたいに
しっかり塗るタイプではなく、ごくごく軽いお化粧です。
チークとかは塗ってませんでした。既婚の女性は額の髪の生え際中央に
赤い印を付けます。これはビンディー(眉間に付ける印)とは別もの。
仕上げに濃いめの口紅を塗って、メイク出来上がり。

結婚式〜午前編〜

みんなでぞろぞろ会場に行くと、会場の表ですでに楽団の賑やかな音楽に
合わせて、来客たちがお祝いのダンスを踊っていました。

インドでは祝い事には欠かせないダンス。
新郎の妹さん、美人でダンスも上手〜!

間もなく、飾り付けられた馬に乗って、新郎が登場。
そして友人たちに誘われて新郎も踊り始めました。


その後、100連発くらいの爆竹でしめ(小石とか飛んできて痛かった)
みんなぞろぞろと会場となるホールに入りました。
入り口のところで、ライスシャワー用のカラフルな米の入った
小さなパッケージと甘い嗜好品を配ってました。


会場内は一番奥に新郎新婦の座席が設けられていて、
彼らから見て向かって右側に女性、左側に男性と分かれて
来客は座っていました。床にじゅうたんやら巨大な座布団みたいなのが
敷いてあり、みんな思い思いに座ってます。
写真上:男性側
写真下:女性側

多くの女性が、金の糸が織り込まれた色鮮やかなサリーや
たくさんのスパンコールがひとつひとつ縫い付けられた豪華なサリーを
着用するのに対し、男性の正装は、白の綿シャツとパンツという
至ってシンプルな姿です。


やがて新郎新婦が舞台袖から登場して、来客中央には
お米か小さな豆の山の上に下駄みたいな小さな台が置いてあるのが、
1メートルくらい離れて2つあり、そこに儀式を進行させる役の人に促されて
やって来ました。
2人はそれぞれ下駄の上に立ち、2人の間には白地に朱色でヒンドゥー
吉祥の印が描かれた布が張られ、お祈りの歌のテープが流されました。

何度か歌の要所要所で、掛け声とともにライスシャワー
歌が終わって、ようやく2人の境界の布が取り払われて、
お互い花輪を付け合い、新郎は新婦に首飾りをつけてあげ、
花束を渡していました。お2人の結婚が成立!

壇上に上がった2人に、来客は行列を作って、ひとりひとりがお祝いの
ライスシャワーをあらためて2人にかけて、小銭を置いていきます。


二人がひもで結ばれているのが写真で見えるでしょうか?
目に見えないもの、形のないものに対するインド人の発想
私は好きです。

結婚式〜午後編〜

最初の儀式が終わり、お昼になって来客はぼちぼち腰を上げてランチタイム。
私も連れに伴われて階下のホールに移動。
ビュッフェ形式で並ぶ料理をボーイの男性が盛ってくれます。
まず、今回の食事は今まで参加した中で最大の規模でびっくり。
お料理の種類も量もとても多い。来客の数が凄かった。
日本と違って、インドは子供がとても多い国で、結婚式にも来客の
三分の一から半数近く子供たちが来ています。
大人子供合わせて来客は500人は下らなかったと思う。料理、美味しかった。
でも手がふさがっていて、写真、残念ながら撮れませんでした。


食べ終わって、しばらくは自由時間らしく、近所に家があるという
連れのおばちゃんの一人の家におじゃましに行くことに。
私を入れて5名で車に乗り込み、どこからか男性が現れ運転してくれた。
彼女のおうちは、1階にはフラット画面のテレビがある広々としたリビングのほか
キッチン、水回りがあって、そして案内された2階は部屋が
大小合わせて5つと広々としたテラスがあって、結構お金持ち。家が広いよー。
テラスにはエマニエル夫人の座椅子みたいなリッチな感じのブランコがあって、
すごくゆったりした空間。


リビングでみんなで椅子に座って、インドではメジャーな赤い飲み物
(インドの家庭で初めて氷入りの飲み物飲みました。)を飲んで
おばちゃんたちしばし雑談。

車に乗り込んでまた式場に戻ると、来客は思い思いに休憩、
…というか昼寝していた。
インドの結婚式は昼寝付きなのか!!!と、
ひさびさのカルチャーショック。
暮らしに慣れ始めても、やっぱり意表を突いてくるインド。素敵だー。
眠くなかったので、面積の広い座布団の端に座りくつろいでいたら、
しばらくして新郎のお父さんに声を掛けられ、また食事をしてきなさい
とのこと。
さっき食べたのが12時で、そのとき時計を見たらまだ15時だった。
まるで貴族のパーティーだなーと贅沢に思いつつ、
まだお腹全然空いてなかったけど、おばちゃんたちに伴われ、
また1階のホールへ。今度はテーブルに着席してボーイたちが
料理を盛り付けていく形式。
でも、あれー?と思ったら、メニューはさっきと同じだった。
んー残念。お腹いっぱいだったから、ほとんど手付かずで、
連れのおばちゃんらが食べ終わるのを待っていた。
おばちゃんたち、よく食べます。


ふたたび会場に戻り、悠長な昼寝タイム。おしゃべりしている人もいれば
子供とすやすや寝ている女性も。
みんなほんとに普通に思い思いに過ごしています。
17時過ぎて朝の控え室に戻り、みんなで普段着に着替えた後、また会場に。
新郎新婦が、今日集まってくれた自分より歳上の親族一人一人に、
床に座って相手の足の甲に額をつけてする丁寧なお辞儀をしてまわって
いました。
花嫁は家族と別れるのが辛いようで、緊張もあいまってか朝から
ずっと深刻そうな顔つきだったのですが、最後には泣き出しちゃって、
挨拶をした女性たちも一緒に泣いていました。男泣きしている姿も。
お父さんではないっぽかった。誰?


そうして新郎新婦は退場し、みんなに祝福されながら、花で飾られた車に
乗って会場を後に。
下の写真はちょっとブレてしまったんだけど、退場時のお二人。
新婦は頭にかごを載せてますね。儀式のひとつだと思われます。

そうして長い1日は無事終わり、一行はバスに乗って帰途に着きました。
全然関係ない私がすんごい疲れたので、当人やおうちの方は
いわんやをやでしょう。