マザーツリーの森へ







私たちの母なる森へようこそ。よくいらっしゃいました。

この森を歩いてきて、風景が私に教えてくれたこと、樹木たちが私に語ってくれたことを、少しばかりお聞かせいたします。


驚くようなお話もいたします。残念なお話もいたします。そして中には、胸がいっぱいになるような、あたたかいお話もお聞かせできることでしょう。


私は他の森のことはよくわかりませんが、この森のことなら、なんとなくわかるのです。


なぜなら私は、世界中の森のことを理解しようとすることは、そう重要ではないと思っているからです。際限のないことを追求するより、自分にとって身近な地域を、身の丈に合った方法で観察するほうが、自分の小さな器をよりいっぱいにできると知っているからです。


この森で出会う一本の樹は、それぞれ何百年もの歴史を持っていて、もし本当に深く理解しようとしたら、たとえ一本の樹だけでも、私の一生をもってしても難しいでしょう。


私の人生で出会うことができた、かけがえのないマザーツリー達。彼女らが考えていることをお聞かせいたしましょう。

他の森ではてんでダメですが、この森に流れている意識のことだけは解かりますので。