吾妻渓谷のムラサキツツジ(ミツバツツジ)



先日、中之条町に出かけた時、吾妻渓谷のミツバツツジがずいぶん咲いていた。ミツバツツジのことを地元(長野原町)では『ムラサキツツジ』と呼ぶ。前にこの時期遊歩道を歩いたのは6年前のこと。最近、ここの遊歩道も旅行エージェントに提案したところなので、久しぶりに歩いてみることにした。




  



JR吾妻線川原湯温泉駅。小さな温泉場らしいあつらえ。隣には『かわらゆ温泉案内図』が。今日の吾妻渓谷遊歩道は約3キロ・2時間と書いてある。川原湯のお祭りが書いてあったのでここに記載しておく。

  • 湯かけ祭り 1月20日朝5時 天下の奇祭
  • 春祭り   4月8日 温泉神社太々神楽の奉納がある
  • 夏祭り   8月27日昼、神事の後夕方より(前夜祭盆踊り)

  



駅の隣には川原湯温泉活性化施設が。『なつかしあたらし川原湯温泉』の看板もある。今日は開いていなかった。



  



早速遊歩道へ。鹿飛橋まで1.8km、約40分という新しい看板の横に1,900mという古い看板が。きっと1,850mなのでしょう。ここは1935年(昭和10年)12月に『吾妻峡』という名前で国の名勝に指定された。



  



お、ミツバアケビのつる。食べられるらしいがまだ食べたことが無い。
ヤマブキももうすぐ咲きそうだ。



  



レモン色の小さなキブシの花が鈴なりについている。これでも花の形は総状花序という。アップで見るときちんと花被(花弁)があることが解る。カバノキ科の花序と違う。



  



一瞬どちらに行こうか迷った看板。ここは直進が正解。
遊歩道は結構階段もある。しかし一つ一つの階段の距離が短いので、中高年でも問題なく歩けると思う。



  



雰囲気の良い渓谷に入ってきた。ムラサキツツジも見え始める。もっとたくさんの群落があるはずだ。



   



お、みんなの好きなブナ。…富沢慶子さん、こんにちは。ブナの樹も大木になると根は板根状に発達するようだ。



  



ヨグソミネバリとは、ミズメ(カバノキ科カバノキ属)のこと。中径木まではサクラのような横に長い皮目あるのだが、この位の大木になると全く雰囲気が変わってくる。



  



その裏にあった不明種きのこ。手持ちの図鑑では同定できない。オツネンタケモドキあたりが近いが傘の色と大きさ、柄の硬さが違う。



  



うーん、いい色のムラサキツツジだ。うしろの樹木の黄色い花がバックになっているからなおのこと映えている。しかしこの樹木は遠目にはマンサクかと思ったが、それにしては花がつきすぎている。帰ってから写真を拡大してみると、冬芽が対生だ。おお、これはカエデの仲間だ。では私は、ウラゲエンコウカエデ(カエデ科カエデ属)に一票入れることにしよう。撮った場所は、夏になっても覚えていられるかな…秋の黄葉の頃になら、葉でなんとか解るかも。



  



千人窟というのがある。洞窟までの道はもう解らなくなってしまっている。近寄ってみたが、千人は入れそうもない。10人位ならオッケー。



  

  



そして、絶壁にまとまって咲いている場所を発見。そこは、見晴台という展望地に行く途中の崖だった。回り込んでみると、おおー、芽吹きの吾妻渓谷遠景をバックに咲くムラサキツツジ








お天気はあいにく曇り〜小雨でしたが、折角の満開なのでこの辺りから、動画もいくつか撮っておくことにしました。




  



見晴台に上る階段は結構急です。見晴台からの景色は、5年半前とだいぶん変わっていました。八ッ場ダム関係の構造物が目につきます。



  

  



樹の股のところに、土を丸く固めたようなものが溜まっていました。こういうものは森で何度か見たことがあった。これは、私はムササビの糞だと思う。でも、どうして天敵がたくさんいる小動物がため糞をするのだろう。敵に居場所をわざわざ教えているようなものだ。
この森で、トイレをするために隣の樹に滑空し、トイレが済むとまた少し上って自分の巣のある隣の樹に滑空する…なんてことを、思わず想像してしまう。








色合いのいいものがあった。この辺りは、吾妻川が深いのだろう。水の色が青く見えている。それをバックに赤紫色のムラサキツツジがよく映える。



  

  



吾妻渓谷、吾妻川、ムラサキツツジが全部見えるいい場所。ここでしばらく写真を撮っていたら、マルハナバチが写真に入ってくれた。ありがとう。











急流をバックに一枚。



  



もうすぐ折り返し地点。この辺りの遊歩道は最も雰囲気が良い。
すらっとした大きなケヤキは見覚えがある。5年半ぶりですね。お元気でしたか。



  



鹿飛橋に到着。“しかとびばし”というのかな?吾妻峡の中でも特に川幅が狭いところで、鹿でも飛べるということで鹿飛と名前がついたらしい。本当にそんなに狭いのかな?



  



うーん、確かに狭い。4m位のところもある。鹿なら助走なしで飛べるかもしれない。








鹿飛橋を、ムラサキツツジと一緒に撮っておきました。



  



帰路は、国道144号線の歩道を歩きます。ここからは渓谷全体の芽吹きの様子を見ることができます。カバノキ科の樹木の花序が垂れ下がる様子も、間近で見るとほんとうに綺麗。



  



最後に、瀧見橋を渡って、最初の分岐地点に戻ります。



  



この滝は、白糸の滝といいます。軽井沢の白糸の滝とはずいぶん様子が違いますね。
吾妻峡のムラサキツツジ、ゴールデンウイークまで持つといいですね。