根子岳−四阿山 縦走ルート 下見の巻



7月に、TV番組で四阿山登山をガイドさせていただきます。地域住民の「水分の神」「農業の神」として崇敬されてきた四阿山を、最も古い登山道である上州古道で紹介する予定でいますが、実態として最も利用者が多く人気なのは根子岳四阿山縦走コースになるでしょう。


四阿山登山 菅平牧場 〜 中四阿 〜 四阿山根子岳 〜 菅平牧場 周回コース
http://ecotourism.or.jp/climbing_mountain/azumayasan02/index.html


また、上州古道は味わいがある登山道ですが、往路だけだと「華がない」のも実際のところで、可能ならば2コース取り上げていただければ、と考えています。



  


菅平牧場駐車場に車を止めて、登山開始。



  


アズマギク…かな。



  


牧場の最高地あたりにあずまやがあります。



  


白樺林を登ります。根子岳までの登山道は変化がないので面白みに欠けます。



  


この看板の手前の看板に「根子岳0.8km」とありましたが、ここに来るまでに0.8km歩いてきたんですが?



  


相変わらず、根子岳山頂は混んでいます。



  


筑波大学の気象観測器が設置してありました。



  


霧の中を四阿山へ。



  


稜線の感じが出ていますね。



  


狭くて落差のある場所。



  


大岩が立ち並ぶところを通って行きます。



  


狭い岩の隙間をくぐり抜けて、大岩の上へ。



  


大岩から断崖を見下ろす。根子岳ゴリラに今日もあいさつ。



  


大明神沢の源頭付近は火口淵であったそうですが、そうされているのは、こちらの源頭ではなく、もう一方、四阿山側の源頭のようです。それでも、こちら根子岳直下の断崖もやや弧を描いているように見えます。



  


巨石群の先にあるガレ場の小ピーク。ここから北東側の旧火口を覗きます。





奇妙山−浦倉山−四阿山根子岳−小根子岳の直径4km(3kmとも云われる)の四阿火山の大火口。早川由紀夫さんによると28万年前、最後の噴火ではこの火口から軽石を吐き出しているそうです。火口の中、西側に非常に平坦な台地が見えます。また南東部には火砕丘らしきものもあります。気になるのは、この火口の中全体を「池の平」と呼んでいるところ。高峰高原の池の平と被ってしまいそうです。



  


米子大瀑布へ下りる登山道、米子硫黄鉱山跡の草原も見えています。





「大隙間(おおすきま)」と呼ばれている鞍部(コル)に向かいます。根子岳四阿山縦走ルートは、2,200m〜2,300mで、北アルプスなどの名峰のような派手さはないのですが、それでも手軽に壮大な絶景と、登山の楽しみを満喫できるコースです。



  


「修理地につき立入禁止」の看板とは、この鞍部から下るルートがかつてあったのでしょうか?例えば中四阿に抜ける道とか?





根子岳ピラミッドとも、しばらくお別れです。この後もたびたび見られますが、この形状はここだけの特権です。



  


シラビソを中心とした亜高山帯針葉樹林に入ります。コミヤマカタバミを見つけました。





普通は林床が笹で覆われているこの森に、どういう訳か笹がなく、びっしりと苔に覆われた場所。笹の下では通常、実生で育つことは難しいのですが、ここではこの森のありとあらゆる樹木の赤ちゃんが、ところ狭しと発芽し、ひしめき合っています。四阿山で最も生命に溢れた場所、次から次へと命が湧き出でるところ、神秘的な場所です。この森に光が差すシーンを、ぜひ撮影してほしいと思っています。



  


プテラノドンのようなダケカンバの樹。



  


苔むした樹木を観察したり触ったりすることも、鬱蒼とした暗い森を通り抜けるこのコースならでは。明るい上州古道では苔がつきにくいですから。



  


四阿山登山道の中で、最も急勾配な場所を登り針葉樹林を抜けます。



  


四阿山の広い肩をしばらく歩きます。



  


山頂が見えるところ。左上のトウヒには、冬は巨大な樹氷がつきます。



  


木道を登って、山家神社奥社三宮を参拝します。まず最初にあるのは「西の宮」は菊理媛神(くくりひめのかみ)を祀っています。



  


扉を開けてみると、あら、まだ神様は来ていらっしゃらないのですね。ご神体がありません。足元にあったバラ科の黄色い花は標高的にはミヤマキンバイでしょうが、どうも花弁の様子が違って見えます。



  


その次にあるのが岩室つきの「中の宮」。石積社とも呼ばれています。最古の斎場で、大己貴神 (おおなむちのかみ )を祀っています。
最後の「東の宮」に到着。ここに伊邪那美神(いざなみのかみ)が祀られています。





山頂からの景色は、今日は拝めませんでした。残念です。



  


中四阿ルートで下山します。



  


あずまや高原との分岐を右へ。



  


ここで広い肩は終わり、針葉樹林の急勾配を下ります。



  


樹林帯を抜けると開けた眼前にある高まりが中四阿。そしてその鞍部の北にある断崖が旧火口とされている場所。大明神沢源頭です。



  


ハクサンチドリが旬です。中四阿の看板を越えると、



  


開けたガレ地に出ます。根子岳の近景が良いです。



  


山麓の景色を見下ろしながらのガレ地散歩が続きます。




シラビソの球果とビンズイ。今年は実が豊作のようです。



  


今日はヒオドシチョウが盛んにやってきました。そういえば今日は私は赤いシャツと黄色いリュック。同系色だから仲間だと思われたのかも。



  


小四阿はピークでもありません。



  


白樺林を経て、大明神沢の森へ。



  


分岐は左下、沢方面へ。



  


クリンソウがあります。橋は壊れてしまっていました。石を渡ります。





久しぶりに見た、大明神沢のシナノキ大木。いいランドマークですね。



  


シナノキの種はへら状の小葉をつけてグライダーのように滑空します。



  


今度のTV番組、以前の放映では登っていく途中でいい感じの巨木を紹介していました。この中四阿ルートは帰路ルートとしての紹介にとどめたいのですが、シナノキ大木を含む明神沢付近は「水分の神・四阿山」のテーマに沿っていていいですね。ただし、上州古道の趣深さ、根子岳縦走ルートの壮大な眺望には一歩足らずです。でもわかりません。万が一では登りルートで紹介することになるかもしれません。



  


牧場に出てからは、アスファルトの道を歩くことになります。





牛乳ソフトクリームは300円。おいしいですよ、お帰りにはぜひどうぞ。


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