394小林哲夫著『東大合格高校盛衰史――60年間のランキングを分析する――』

書誌情報:光文社新書(420),446頁,本体価格1,000円,2009年9月20日発行

東大合格高校盛衰史 60年間のランキングを分析する (光文社新書)

東大合格高校盛衰史 60年間のランキングを分析する (光文社新書)

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東大合格本には手を出すまいと思っていたが,東大合格高校に焦点を合わせた高校教育論として面白く読むことができた。
新制高校からの初めての入学者,工業高校からの合格者,浪人比率が73.9%だった1958年,理III文IIIが誕生した1962年,現役が浪人を初めて上回った1965年,灘が日比谷を追い抜いた1968年,国立大附属高校時代,開成時代,国立・私立の比率が公立を上回った1984年,A日程B日程による悲喜こもごも,中高一貫校や公立高校の試行錯誤など1949年入試からの変遷と都道府県毎のデータの集積が柱となっている。
女子校,宗教系高校などの動向,報道史もある。
60年間のデータの収集と分析はそれはそれとして意味のあることだ。東京大学だけに絞っているのが癪だが。