259映画『KANO』を高雄で観る

午前中,国立高雄第一科技大学(→http://www.nkfust.edu.tw/bin/home.php)での図書館間学術交流の調印式と愛媛大学蔵書の寄贈式があった。図書館にはすでに寄贈図書のコーナーが設けられており,海を渡った蔵書がきちんと整理されていた。今回は391冊で毎年継続することになっている(→http://www.ehime-u.ac.jp/news_topics/detail.html?new_rec=11517;国立高雄第一科技大学電子ニュース→http://enews.nkfust.edu.tw/administrator/view_content.php?table=bulletin&auto_no=3502台北駐日経済文化代表処ニュース→http://www.taiwanembassy.org/JP/ct.asp?xItem=481704&ctNode=1453&mp=202&nowPage=3&pagesize=15)。
昼は中心部に戻り,昭和の日本を店作りにしている「新台湾の原味」(→http://www.oldtaiwan.com.tw)という店に連れて行ってもらい,台湾料理をたらふく食べた。





昼食後,映画『KANO』(馬志翔監督,魏徳聖脚本)――nippon.comがインタビューを載せている→http://www.nippon.com/ja/people/e00058/――を観に行く(前鎮區中華五路にある「夢時代購物中心 (Dream Mall)」(→http://www.dream-mall.com.tw)内のシネマコンプレックス)。今日から台湾で公開となったということ,主人公の嘉義農林学校の野球監督・近藤兵太郎(永瀬正敏)が松山商業の出身であり,愛媛大学野球部の監督をしたこともあるということでチケットを準備してくれていた。
1931年の甲子園大会で準優勝した実話をもとに,日本統治時代の「台湾の嘉農(KANO)」を描いていた。大部分が日本語で,字幕に中国語と英語が出てくる。嘉南大圳(かなんたいしゅう)で知られる烏山頭ダムと水路を完成させた八田與一大沢たかお)――評者は司馬遼太郎の『街道をゆく』で業績を知った――も統治時代の重要な人物として登場している。
案内してくれた H 教授(生粋の台湾人)は何度も涙を拭っていた。台湾では日本統治時代を客観的に見直す動きがあり,日本人・台湾人・原住民との混成チームだった嘉農(KANO)を通じて日台関係や台湾のアイデンティティを考えて欲しいというメッセージが込められていた。
日本では今年末に公開されると聞く。嘉農(KANO)と対戦した神奈川商工,札幌商,小倉工,中京商はもとより,近藤監督の母校・松山商業――この大会の準決勝で中京商に敗退。のちに阪神で活躍した景浦将はこの時の選手――でも評判になるだろう。