書誌情報:ナカニシヤ出版,vi+172頁,本体価格1,500円,2013年6月18日発行
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大学改革や教育の質向上はなぜ必要なのか。主役は学生であるはずなのに,聞こえてくるのはもっぱら「人材」養成の必要性からのものである。本書は,ノーベル賞受賞者の益川敏英名誉教授や山極壽一現京都大学学長ら教員の寄稿と学生たちの座談会からなっており,京都大学の「高等教育院」構想への異論渦巻く学内状況に触発されて大学のあり方を考え始めた学生たちの大学論として異彩を放っている。
教員は「場」や「自立空間」や「自学自習」を語り,学生たちはそれらに多様な反応を示している。ひとつにまとめることができない意見のなかに,大学論に参画したいという学生たちの意欲を感じた。
京都大学にはまだ残っている(?)自主ゼミや教員主催の勉強会という単位とは無関係の場が,大学を考える学生を育てることに繋がっているのではと思う。
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