2010-12-16
大日本スクリーン トレンドセミナー2010
スクリーンのトレンドセミナー2010。
スクリーンのセッション
インクジェットデジタル印刷の現状と今後
まず、インクジェットデジタル印刷についての紹介ということで、スクリーンの開発しているインクジェットプリプレスシステムの紹介。
印刷ビジネスの現状、広告費減で広告媒体が印刷からWebなどに移行しているといった現状の話から、今年は電子書籍元年でますます紙が減る事が予想される、先頃開催されたCEATEC JAPANでも目に見えて紙カタログが少なかったという話など。
8月に東京でおこなわれたスクリーンのプライベートショーでは、インクジェットプリプレスシステムを中心に近未来の印刷(バリアブル&オンデマンド)を展示。会場の映像を交えながら説明。
TruePress J-SXはフルカラーで高品質な全面バリアブル印刷が可能な印刷システム。UVインキとかでパッケージ印刷もできます。後加工機と連動して、バリアブ&オンデマンドで製本など…という映像紹介。
スクリーンさんはインクジェット印刷機を売りたくて仕方ないようでしたが、個人的にはインクジェット印刷機のバリアブル印刷というのをどんな仕事に活かせるのか、いまいち使い道がわからない。
バリアブルで大量の印刷物ができるということで、すぐに思いつくのは新聞のような報道系なんだけど、あそこは既に従来の印刷で同じ事ができる仕組みをもってるだろうしな…。金券などのバリアブルもすでに、既存の設備で実現できてるし…。
いっそ紙への印刷にはこだわらず、もっと違うものに印刷したりした方が何か面白い使い道があるかもしれない。例えば食品に印刷するとか。食べられるインクつかって、食べられる印刷とかで。インクジェットなんだから、通常の印刷とちがって、インクを変えたら色々できそうなんだけど。
「今そこにある未来」は本当にやってくる?-PDFワークフローからバリアブル印刷、電子書籍の実情-
次にスクリーンの技術セミナー。
トレンドセミナーでは出力の手引きの中の人が、技術解説をしてくれるのがお約束。
ただ、今回のセミナーでは、新しい技術の解説というより、いままでのセミナーの総まとめ+電子書籍に関するスクリーンの立場の説明といった内容だった。
以前のセミナーで聞いた話も多かったので、そのときの説明も引用してレポートする。
全てのAdobe PDF Print Engineで
まずはTrueflowの話から。
2010年12月末でTrueflowのサポートが一部変更される。
従来演算処理(APPEではない、従来の演算部分)について一部サポート終了。
終了する部分はAdobeとの共同開発の部分のみ、主に入力処理に関わる部分。
サポート終了とは、今後この部分のついては新たなパッチは作成しませんの意味。従来演算ルートも使えないわけではない、ただ、この部分に不具合が生じても今後修正されない。ただしこの部分は技術的には枯れた部分なので、あまり問題にはならないだろうとの事。
スクリーンとしては、今後従来の演算処理部分のサポートについては力を押さえて、これに変わる最新演算のサポートに注力していく。
2010年7月にTrueflow3ver4がサポート終了。
これで現在有効なTrueflowはAPPE搭載のTrueflowSE以降の機種のみとなる。
スクリーンとしては、すべての(今従来演算処理で行っているものも含めた)業務をAPPEでの(最新演算)処理に移行して欲しいと思っているが、それで大丈夫なのか?
1)同じ事ができるのか?
最新、及び従来のDTPアプリケーションのサポートについては、スクリーンは出力検証用の評価キットを用いて評価を行っている。(これはいままで起きたトラブルなどのデータをまとめてテストできるようにしてるもの)
さらにGenius Kitとして、以前Adobe CS3の新機能の評価で評価漏れ(効果の処理についてのトラブルチェック漏れ)があった反省から、Adobe の協力の元、新機能を使ったデータをテストキットに入れる様にしている。
なので、過去のデータとともに、新しい機能のデータについても出力には問題ない。安心してAPPEを使って欲しい。
気になるPSの処理について、従来演算処理から新しい演算処理に移行するということは、PSファイルの処理もAPPEでかけるということになる、その点は大丈夫か?
まず、PS処理のサポートについて、Trueflow7.1以降、APPEでもPSを処理できるようになった。従来演算と同じレベルで最新演算処理でPSを処理できるようにするため、かなりの検証をおこなった。なのでPSを最新演算処理にかけても大丈夫だと保証できる。
ただ、やはりおすすめはPDFワークフローへの移行。PDF/X4を使う方がおすすめ。
2)出力結果は(従来演算と)同じになるのか?
従来演算処理と、最新演算処理で、出力結果は一致するのか?これについては残念ながら、一部違う部分がある。
それはオーバープリントの処理の違い。
オーバープリントの処理というのはPS時代は厳密に規定されていない部分があり、それがPDFでは厳密化された。
そのため、CS以降のアプリケーションと、それ(InDesign2、Illustrator10)以前では、オーバープリントの挙動が違っている。
具体的には、DeviceCMYKのグラデーション、パターン、画像のオブジェクトにオーバープリントをかけた場合。
これらのオブジェクトに対するオーバープリントは、PDFの規格では処理してはいけない=ノセにならない
が、PostScriptの規格では、これは厳密に規定されていなかったので、RIPによって(ノセになったりならなかったり)結果が違うものがあった。
が、PSを最新演算処理(APPE)で処理するようになると、PSもPDFの(厳密な)規格にそって処理されるので、この部分はノセにならないという処理になる。
くわしくはこの辺読むとわかる。
http://www.screen.co.jp/ga_dtp/dtp/guideline13/20100113appe_op1.html
正直、この問題で実際のトラブルとなる事はほぼないと思われる。こんな重箱のスミ的な「結果が違う事がある」なんて、わざわざ説明しなくても、問題にならないレベル。
ただ、「こういう問題がある可能性がある」から説明するのだそうだ。真面目だな…スクリーン…。
OutlinePDFとOutlinePDF-Advについて
TrueFlow7.0ではAPPEでOutllinePDFも処理可能
すべての処理を APPEで行うことが可能。
さらに、TrueflowのOutlinePDFといえば、ものすっごいこまかい互換表というのが、Trueflowユーザーにはおなじみだった。
これ、つまりTrueflowのバージョンが違うことで、処理結果に違いがでてしまう場合があるので、OutlinePDFデータをやり取りするときには、この互換表と首っ引きで「そのTrueflowで出力して大丈夫かどうか」を調べてたわけだ。
その互換表、Outline-Advでは必要ないらしい。
Trueflow7.2以降では、互換表ですべて二重丸(互換性OK)になるように開発しているので、互換表は必要ありませんとの事。
Adobe PDF Print Engineについて
TrueflowSEでは、演算エンジンにAdobe PDF Print Engineを採用している。
同じAdobe PDF Print Engineを採用しているなら、どのRIPも出力結果は同じになるか?
もちろん、おなじPDFをおなじJDFでおなじAdobe PDF Print Engineに食わせれば、出力結果は同じになる。
ただし、RIPは総合力である。つまり、Adobe PDF Print Engineが同じでも、その周辺、Adobe PDF Print Engineに渡す前の最適化、ここに違いがでる。
TrueflowはAPPEに渡す前の入力処理において、問題のあるPDFの最適化を行っている。
さらに、スクリーンは「出力の手引き」「出力の手引きWeb」で出力についての情報を提供し、「Trueflow印刷ユーティリティー」という、出力用プリセットファイルなども提供している。このことで、データ制作者がより正しいデータを作る手助けとなり、より正しいPDFが入稿されることになる。
Adobe PDF Print Engineへの関わりについても、スクリーンからAdobeへのレポート件数は世界のベンダーの中でトップレベル
単にレポートが多いという話ではなく、レポートをしているということは、それだけ多くの(不具合について、その修正について)情報を得ているという事。つまり修正された箇所がどのように使われているかがわかるという事。
さらに最新ビルドについて、スクリーンはAdobe PDF Print Engineの新バージョンについてもちろん検証しているが、それをすぐに実機に搭載するわけではない。
ベンダーによっては「最新ビルド搭載!」とそれを謳うメーカーもあるが、最新だからいいというわけではない。
スクリーンは検証したのち、常にベストなバージョンを提供するようにしている。
このようにAdobe PDF Print Engine採用といってもスクリーンでは、他ベンダーより最適のRIPを提供している。
どこでも同じというわけではない。
3)今ままでの不具合はどうなるのか?
過去にDTPアプリケーションで発生した不具合について、Trueflowではアプリケーションの不具合もRIP側で対応するようにしてきた。
その辺の情報はこの辺http://www.screen.co.jp/ga_dtp/dtp/guideline14/20100727_7problems.html にのってる。
インクジェット バリアブル印刷システム
EQUIOUについて
EQUIOUではAdobe PDF Print Engine 2を採用
インクジェット印刷機に最適化
PDF/VTをサポート予定
PDF/VTってのは、バリアブル印刷用のPDFの規格
VT = Variable Transactionalで、可変印刷を効率よく行うためのフォーマットである。
PDF/VTについては2009年のセミナーでも説明されてた。
さすがに同じ説明を書くのはきついので、2009年のセミナーレポートから引用
PDF/VTとは、バリアブル印刷用の国際規格
VTは「Variable Transactional」の略
バリアブル印刷とは、印刷物の一部が変更されつつ印刷する印刷のこと。
バリアブル印刷に利用するデータには、再利用される(繰り返し印刷される)オブジェクトと可変(差し替えられる)のオブジェクトが存在する。オブジェクトを差し替えつつ印刷する、ということは、通常より高速なRIP処理が求められるという事。
つまり、1万パターンの差し替え印刷があったとして、それを1万パターン全部1からRIPしてたら時間がかかってしょうがないから、いかに高速にRIPできるか、再利用するオブジェクトと、1回きりのオブジェクトとをうまく処理する為の規格です。
PDF/VTはISO 16612-1 (PPML/VDX)を元に制定されている。
ISO 16612-1 はPDFを基本として作られた規格なのだけど、ツール対応がいまいちで、あまり普及しなかったし、透明にも対応してなかった。
その反省を基に、新たに制定されたのがISO 16612-2のPDF/VT。
さて、そのPDF/VTの特徴。
まず、どのようにして効率の良いバリアブル印刷に対応しているのか。
PDFにはXObjectという概念がある。
XObjectとは外部オブジェクトという考え方。
PDF内で使われる部品を分割して記述してある。
PDF/VTではそのXObjectを有効につかって高速化に役立てようとしている。
XObjectには3種類ある
・Image XObject 画像専用のXObject
・Form XObject 画像以外の通常のオブジェクトの記述
・PostScript XObject これはもう使われていないオブジェクトなので気にしなくていい。
んで、XObject=外部オブジェクト概念なのだけど、つまり、いままでのPDFだとPDFの中のオブジェクトを表示するのに、普通はコンテンツをひとつひとつ全部なめて表示していた。んで、これをXObjectでやると、オブジェクトは画像と画像以外に分けられて、それぞれXObjectとして記述し、それにたいしてDo~って感じで「これを表示しなさい」って命令するだけで表示することができる。
つまり繰り返しでてくるオブジェクトを何回も何回もなめ直さなくていいってことかな。だから効率がいい。
さらにPDF/VTでは外部オブジェクトの参照が許可されている。
参照XObject(Reference XObject)っていって、これはPDF/X-5から許可されている。
(PDFの構造としてはPDF/X-5以前からあったものだけど、PDF/X-4までの規格では許可されてなかった)
外部オブジェクトの参照は、印刷関係の人ならOPIみたいなものだと思えば理解しやすい。つまり、フォームの中から、外部のPDFファイルをファイル名によって参照して読み込むことができる。
外部オブジェクトの参照はAcrobatでは9からサポートされている。
ファイル名による参照のみ、つまりパスではないので、参照させる場所を設定する必要がある。Acrobat9では環境設定→ページ表示→参照XObject表示モードというのがその設定になる。
XObjectは、PDF/VTのみではなく、既存のPDF内でも普通につかわれているらしく、トラブル事例紹介で紹介された、合成フォントの例の文字の透明効果の処理においても、1文字ずつで背景画像をクリップする部分の背景画像の繰り返し処理などに利用されてるそう
PDF/VTの特徴、もう一つ。
階層構造のDPartによる、ページ選択、順序変更。
従来のPDFではページ順による印刷しかなかったがPDF/VTでは、属性順(たとえば、郵便番号、氏名、住所などのキーによるソート)での印刷指定が可能。
これは、DPartという階層構造の属性データベースをPDF内部に持たせる事で、ソートが可能になっている。
引用ここまで
で、なぜそこまで高速演算が必要なのかというと、バリアブルでは、複数ページを毎ページ毎ページ演算しなければならないので、高速でないと処理できない。
APPEではキャッシュをサポートしていて、一度演算したらキャッシュにためてそれを読んでくれるんだけど、スクリーンのシステムではさらにプリンタ側で、キャッシュを持つ、だから早い。
つまり、PDF/VTの演算時に、データが解析され、データ内のオブジェクトの、どれが大きいか?どのオブジェクトが繰り返し使われているか?を優先順位をつけて演算し、キャッシュに蓄積する。
2P目以降の出力では、キャッシュにないものだけを演算する、という処理になる。だから早い。
さらに、繰り返し使われていないもの、それほど大きいサイズでないものといったキャッシュにためないものもそれはそれで、別の工夫をして出力しているのだそうな
電子書籍について
昨今の電子書籍ブームで、各社いろんな取り組みを発表してるけど、さてスクリーンはどうするのか…?
→詳しくは言えません。
なにそれっ。でも詳しくは言えないといいつつ、最後にちょろっとそれっぽい話もあった。
で、なんの話をしたかというと、いま、騒がれている電子書籍について、出版印刷(書籍、雑誌)のジャンルと、商業印刷(カタログ、チラシ)のジャンルにわけて、今騒がれている電子書籍は、出版印刷部門であり、多くの(特に地方の)印刷会社で扱っている商業印刷ではないという話。
チラシ、カタログといった商業印刷の分野はすでにWebという形で電子化されており、もうとっくに電子化の脅威にさらされている。いまさら騒ぐものではない。
電子書籍ビジネスはまだまだ成功例を模索中である。
話題になっている電子書籍についても、京極夏彦「死ねばいいのに」岩崎夏海「もしどら」といった、ほんの数冊のベストセラーをのぞけばまったく売れていない。売れた2冊についても、純粋に電子書籍としての売り上げというより、電子書籍というものの調査目的で売れた部分も大きい。
あまり電子書籍だと大騒ぎせず、おちついて対応したほうがよい。
電子メディアはプル型のメディアであり、デバイスを必要とする。すべての人がデバイスをもっているわけではない。
対して、従来の紙メディアはプッシュ型であり、電子メディアにはないメリットもある。
どこまでが電子書籍にふくまれるか?
現在「電子書籍」として販売されているもの、今後「電子書籍」として販売されるもの、どこまでを「電子書籍」と考えるか…?
たとえば、App Storeで販売されている、天体観測アプリ「Star Walk」http://itunes.apple.com/jp/app/id295430577?mt=8 これなんかも広義では「電子書籍」といえる。
単に「雑誌」「書籍」の電子化というだけでなく、こういったコンテンツ開発まで考えていくべきではないか?
とはいいつつ、やっぱり、それでも今求められる「電子書籍」への対応が必要な場面もあるので、
スクリーンとしてはデジタルリンクコンセプトという取り組みをしていく。
現時点では電子出版を「紙を出すときにおまけとして、電子書籍をつける」という需要もかなりあり、さらにそれはサービス的に扱われる事が多いので、そこにあまり金も寝間もかけられない。
なので、印刷用データを電子書籍データに流用できるように、
RIPに出せば印刷物と電子メディアの両方ができる、紙コンテンツと電子コンテンツ両者の垣根を取り除く取り組みをしていく。
さらに新しい電子メディアの模索、プロトタイプの試作なども行っている。ご期待ください。
と、いうことで、スクリーンのトレンドセミナー、技術セッションはこんな感じだったのでした。
印刷、出力についての内容はいままでのセミナーのまとめですね。
1時間のセッションだったので、内容はかなり駆け足。私は以前に聞いた事ある内容だからなんとかついていけたけど、初めて聞く人にとってはちょっと厳しかったのでは。
電子書籍の部分に関しては、スクリーンも電子書籍にどう取り組んでいくべきか、対応に苦慮しているという印象をうけました。
ただ、今年、電子書籍元年と大騒ぎになっている電子書籍ですが、実際ビジネスモデルとしてはまだまだどうなるかわからない、というのはそうだなぁと。
あと、どこまでを「電子書籍」と考えるのか?という話。
電子書籍の話をすると、かならず音楽や動画をつけたり、インタラクティブなコンテンツが紹介されるのだけど、これがどんどんどんどん進化していくと、それが「電子書籍」なのだろうか?という感じてしまう。
たとえば、むかし「ゲームブック」っていうのがあった。小説なんだけど、細かい段落にわけてあって、読む人が次の行動を選択することによって、読む段落がかわって、結末が変わる。
あれを電子書籍でやったら、もっと面白いだろうなと思う。メディアの特性が活かしやすいし、音楽とか映像をつけたりして…と考えていくと、あれ?それって普通に RPGゲームじゃね?ってなってしまう。別にゲームならゲームでそれでいいんだけど、それなら最初から電子書籍じゃなくてゲームアプリを作ってるんだよな…。
一ユーザーの立場として考えると、私が欲しい電子書籍って、とりあえず、今ある雑誌、小説などの内容がそのまま見られればそれでいいんだよね…。電子書籍だからって過剰なオプションを付ける必要はなくって、それより安くして欲しい。
今、本屋さんでうってる書籍、雑誌が安く、簡単に手元のデバイスで見れたらいいな。と、いうのが大抵の一般人の感覚じゃないだろうか。
あ、あと辞書、学術書とかそういうのが電子化して、検索機能がつくとかいうのはいいよね。そういう、必要な機能としてつくのはわかる。そういう「既存の書籍より電子書籍の方がメリットがある」ものは、多少高くなってもしょうがないよね。
なんだか最近の、電子書籍デバイス、フォマーットの乱立状態を見ていると、ほんとにこの混沌状態から、電子書籍の将来が生まれてくるのだろうかと、先の見えない感があるよなぁ…
大日本スクリーン トレンドセミナー2010 -Adobe-
セミナー, 電子書籍, InDesign, Photoshop
スクリーンのトレンドセミナー2010に行ってきました。
とりあえずセミナーレポート前編 Adobeのセッションから。
演者は、Adobeの岩本さん。
最初に、AdobeのWebサイトの紹介から。
AdobeのWebサイト、お世辞にも見やすいとは言えない。それは(Adobeも)わかってる。ごめんって話から。
製品情報の部分についてはワールドワイド共通で展開しているので、どうしても情報てんこもりで見づらいらしい。
その中で、日本独自の情報発信をしている部分もある。
アドビデザインマガジン http://www.adobe.com/jp/joc/design/は日本からの情報を発信している。
日本の事例紹介として、集英社もあの週刊少年ジャンプをInDesignに移行した http://www.adobe.com/jp/joc/design/features/shueisha1.html
これ、知らなかったけど、すごいな…いや、こういう言い方は失礼だけど、週刊漫画というかなりスピードが要求されるものでInDesign…
デジタル化へ移行するにしても他に専用システムを組むとかもあったと思うけど、InDesign…
他に、アプリケーションのTipsを紹介するTipsコレクションhttp://www.adobe.com/jp/joc/design/tips.html
「あえて、小ネタを集めました」だそうで、難しいテクニック紹介というより、新機能を使うちょっとした小ネタを集めたもの。新しいバージョンを使っていてもなかなか新しい機能は使っていないという人向けらしい。
CS5の出力対応に、大日本印刷、凸版印刷、共同印刷といった大手が対応表明しました。
大手が正式対応表明で、安心してお使いいただけます。さらに(トレンドセミナーは)今日は出力側のお客様が多いでしょうから、ぜひ、出力対応リストに対応表明を載せて欲しい。とお願い。
Adobe Creative Suite 出力対応店一覧 http://www.adobe.com/jp/joc/design/tips.html には各地方の出力対応店が載っていますが、福岡は…少ない。
対応していないわけではなく、対応しているのだけど、リストに載せてないとこが多い。対応リストに載ったからって仕事がくるという訳ではないけど、印刷会社さんの協力なしでは、新しいバージョンは普及しません。ぜひ出力対応を表明して欲しい、と。
うーん、個人的にはあそこに載ってようが載ってなかろうが客はCS5を使いたければ無理矢理入稿してくるからなぁ…あんまり載せるメリットないかなぁ。出力ショップ的なお店はメリットあるかもしれないけど。
ひとしきり、Webサイトの紹介をした後で、次はCS5の紹介へ。
Photoshop CS5
CS5の新機能紹介
まいどおなじみ、馬を切り抜くデモから。
まず、馬の選択デモ。
馬を切り抜くのに、クイック選択ツールで選択した後、[境界線を調整]パネルで選択範囲を調整する。[エッジの検出]スライダで、選択範囲を微調整できる。
さらに細かい部分の調整には[半径調整ツール]で境界部分をなぞると部分ごとに調整できる。
最後に出力から、選択した範囲をレイヤー等に保存(出力)
次に馬を消す。
先ほど選択した馬、選択範囲をやや広めにとって[塗りつぶしメニュー]から[コンテンツに応じる]を選ぶと、対象の部分をうまく消してくれる。周辺のオブジェクトを複製しつつ、消すので、たとえば木の枝や、柵などが自然に複製されている。
この機能はかなり見栄えがするデモなので、他のセミナーでもしきりとやってるやつ。
実際初めて見るとかなりびっくりする…というか、あまりにも自然に消えるので、あらかじめ背景を仕込んであって、上にのせてた馬を消しただけにしか見えない(笑)
とはいえ、こんなにうまく消えるのはAdobeのデモデータだからでしょ?Adobeはデモが上手だからな…とひねた観客は思うところ。
が、岩本さん曰く「デモだからうまくいくんでしょ?って思われるかもしれませんが、もちろんデモだからここまで綺麗に消えるというのはあります。でも、それ以外のデータでも100点は無理でも60〜70点は行けます!」との事。これだけの処理を手で全部やろうとするより、60〜70点のところまで自動でやって、後は手で修正すればよいのだそうな。
ほんとかどうか、自分でやってみた。
▲ねこさん画像の猫さんを選択して
▲コンテンツに応じて塗りつぶし。
うん。確かに60点〜70点はいけるね。
カーペットがちゃんと復元されてるのはえらい。板目とかがちょっとがたがたしてるのが残念。こういう規則性のあるものより、草とか枝とか雲とかランダムに複製できるものの方が、うまく復元できそう。
あと、64bitモードへ対応した事でパフォーマンスUPしてますって話と、PowerPC環境では使用不可になりましたって話。
DTPユーザーはPowerPC使っている人多いから、PowerPCで使えないって話はしとかないとね。
InDesign CS5
次、InDesign の話。
InDesignもバージョンを重ね、CS5でバージョン7。発売10周年。かなり日常的に使われるアプリケーションになったのではないか?と。
もちろん、IllustratorでできてInDesignではできない事というのはまだある。たとえば、二重三重に重ねられた、ふち文字表現などはInDesignではできない。これはIllustratorが得意な処理。
それと、観音開きのドキュメントデザイン。これまではこういったデザインを作ろうと思ったら、Illustratorで作るしかなかったが、InDesign CS5ではページツールでドキュメント内のページサイズを変えられるようになった。
ドキュメント上でページサイズを変更すると、サイズ変更にあわせて、ページ内オブジェクトも自動的にサイズ変更する。
で、ドキュメント内ページサイズ変更のデモ。
この機能、ドキュメント内でページサイズが変えられるって最初に聞いた時は、勘弁してくれよ…と思ったけど、変更したページ変更にあわせて、トンボも自動でつくのね…!これで評価が180度変わったー(笑)観音とかの折りトンボつけたり、それを活かしてPSはくの面倒だったから(笑)
さらに信号機(プリフライト機能)の紹介。CS4からついたんだけど、あまり使われていないようなので。と、もう一度紹介。
今日の(トレンド)セミナーには印刷会社の人が多いだろうから、ぜひ、印刷用のチェックプリフライトプロファイルを作って、配布して欲しいそう。
プリフライト機能が使われてないっていうより、CS4があんまり使われてないんだよね。というか、CS4が使われだす前に、CS5が発売されちゃったんだよ。
PDFの書き出しについて、いままではフロントで書き出されてましたが、CS5からはバックグラウンドタスクでの書き出しに変更された。
出力現場ではPS を使っている人が多いが、ぜひ今後はPDFの出力に移行して欲しい。PSというのは、もう古い技術だし、書き出されたPSの中には今の出力には必要のない古い情報をたくさん含まれている。との事。
Adobe Digital Publishing Solution
次にAdobeの電子書籍への取り組みについて。
トレンドセミナーは日本各地でやってるのだけど、広島で受けた私の同僚は、Adobeのセッションでは電子書籍の話はなかったといってた。
どうやら、地方によってはこの話をしなかった所もあったらしい。
まずAdobeの考えるパブリッシングについて。
電子書籍の分類には、書籍と雑誌、カタログ系があると思うが、この内、書籍については、ePubが本命だと考えている。
epubについては、まだ日本ではメインではない…それは縦組やルビといった日本独自の機能について未サポートであるから。ただし、夏前にはePub3.0という形でこういった機能もサポートされるであろうし、そうなったら積極的に(アプリケーション内でも)サポートしていきたい。
ただし,現状ではそういった(未サポートの)状況であるので、ホールドである。
一方、雑誌、カタログといった部分ではすでにAdobeのアプリケーションをつかった電子マガジンが発行されている。
WIREDマガジン は電子書籍マガジンとして毎月発行されている http://www.wired.com/
この雑誌を作っているのが、雑誌制作ワークフロー(Magazine Publishing Workflow)
必要なのは
- InDesignCS5(レイアウトデザイン作り)
- Interactive Overlay Creator(レイアウトにアクション処理追加)
- Digital Content Bundler(上の二つから電子書籍データ.issueファイルを書き出し)
- Digital Content Preview Tool(.issueファイルのビューワー)
InDesign CS5をつかって、レイアウトを作り、そこにInteractive Overlay Creatorという、インタラクティブなアクション処理を追加するプラグインを使って、デザイン上のアクション処理を追加する。
Interactive Overlay Creatorで追加できるアクションは、ビデオ、音声、360度表示、画像のパン(ズーム)、パノラマ表示、Webビュー等
InDesignCS5ドキュメント+Interactive Overlay Creatorのデータを、Digital Content Bundlerに通して「.issueファイル」を書き出す。
これをDigital Content Preview Toolでプレビューして閲覧
これらの仕組み(Magazine Publishing Workflow)の使用に必要なのは
PC側
- InDesignCS5
- Adobe AIR 2.5
- Adobe Interactive Overlay Creator (Air install)
- Adobe Digital Content Bundler (Air install)
- DigitalPublishing.zxp(InDesignのプラグインインストーラー)
iPad側
- Adobe Preview(AppleStoreで無料ダウンロードできる)
PC側で必要なツール類については、Adobe Labs http://labs.adobe.com/ で現在Adobe Digital Publishing Suiteとして ベータ版がダウンロードできる。
無料なのはベータ版のうちだけだ!今のうちに使ってみとけ!
日本語版マニュアルも用意されている http://adobe-digipub.jp/common/pdf/DigitalPublishing_UserGuide_Japanese.pdf
アメリカであったAdobe MAXっていうイベントでは、Adobe Digital Publishing Suiteの情報も話があったらしい。日本語同時通訳付きでオンライン公開されているhttp://www.adobe.com/jp/joc/max/ondemand/
さて、Adobe Digital Publishing Suiteだが、どうも単なるツールの名前という訳ではないらしい。
セミナーの中ではまるであまりその辺をつっこまれたくないかのように、大急ぎの早足説明しかきけなかったので、詳しくはわからないのだけど
Adobe Digital Publishing Suiteは、ツールの名前ではなく、ワークフローの総称
つまり、電子書籍の制作から、その配信、課金、データ解析などのホステッド型のオンラインサービスとして提供するつもり…らしい。
えーと、つまり、データを作るツールだけじゃなくて、そのつくったデータをアップロードする先のサーバ、そこでのデータ管理、データの販売、さらに販売されたデータの解析までまるっと提供するよと。
このサービス、気になるお値段について
- PROFESSIONAL EDITION
買ってすぐ使えるターンキーシステム
さまざまなデバイスへの配信が可能(現時点ではiPadのみだけど、いずれAndroidなどのデバイスにも対応予定と言ってた)
単号、複数号、定期購読の購買サービスを提供(雑誌配信とか新しい号がでたら通知とかやるらしい)
すぐに使える基本解析機能の提供
【お値段 月額$699 + issue毎の課金($0.17-0.30)】
- ENTERPRISE EDITION
他のシステムとの統合が可能
解析機能の拡張が可能
サポートの提供
カスタマイズのためのプロフェッショナルサービスの提供
【お値段 個別見積】
ENTERPRISE EDITIONについては、かなり大きいサービスでの運用を想定したものと思われる。これを適用される事例というのはかなり特殊な例になると思うので、ひとまず置いといて、一般のユーザが使えるとすればPROFESSIONAL EDITION。こちらになる。
しかし、月額$699 + issue毎の課金?
月額$699って、今円高だから93円で計算しても65,007円。さらにissue事の課金。つまり、ファイルをアップロードすると、そのファイルごとに課金される。
えーと、えーと、言いたい事は一杯あるんだが、順を追って言うぞ。
値段、高くね?
これ、高くね?毎月ずーーーっと6万5千円って、高くね?年間使用料なら、まだわかるけど…月額?さらに、その上ファイルごとに課金ってなにそれ。
$699はまだアメリカでのお値段なので、日本ではいくらになるのか(そもそもこの料金体系でやるのかどうか)不明だけど。円高の今だから6万5千円だけど、ドル100円とかで計算されると7万近く。どの程度のサービスが提供されるのかわからないけど、単にツールの使用料として考えると高い。あとはサーバのサービスだけど…これはアメリカでのサービスなので、同じサービスが日本でも提供されるのかなどは不明
これを払うのはいったい誰(どこ)なのか。
アメリカでの事情はしらないが、日本では、データ制作においてかなり分業化されている。
雑誌などのデータ制作でも、出版社がデータまで全部つくってるなんてのはまれで、下請けのデザイナー、DTP屋、印刷会社などがデータ制作を請け負ってるというのが多いと思う。
電子書籍制作についても、そういったところが請け負いで作ることが多そう。
その場合、この月間使用料を払うのは誰なんだろう。多分制作を請け負ったところが、制作コストとしてかぶることになりそうだけど…月額それだけのコストがかかるとすると、定期的にそれ以上のボリュームの仕事をこなせないと利益にならない。
つまり、単発の書籍発行とかじゃだめで、月刊、週刊発行の雑誌とかを、継続して請け負えないと厳しい。だって、仕事がなくても使用料は取られるんだからね!
先の事はわからないけど、現時点で電子書籍出版ってほとんど利益が出てないはず。どこもまだまだ手探りで、そもそも需要がどの程度になるかもわからない。今後需要が見込めるはず(儲かるはず)という見込みがあまりにも絵に描いた餅すぎて、月額$699という値段はそんな状態のものに出すにしてはちょっと高い投資かな…。
単にInDesignから電子書籍にしたいというだけなら、他のツール(ProField社のProBridgeDesigner-iとか)を使うという手ががある。50万ぐらいだったと思うけど、PROFESSIONAL EDITIONとやらを1年使うと考えればおつりがくる値段。
あえてこれを選ぶメリットはあるのか…?
========================================(一部修正)
値段について、YUJIさんに教えていただきました。
Adobe Digital Publishing Suiteの課金というのは
「配信」「販売」「分析」のサービスに対して払うことになるのだそうで、
issueファイルの「制作」部分、ツールについてのお金ではないのだそうです。
つまり、制作者が払うというより、電子書籍を出版する出版社が電子書籍の「配信」「販売」「分析」という部分のサービスを得るために契約するものだそうで。
そう考えると月額$699は高くないらしい。
制作側としてはツールを使って.issueファイルを作るだけなら、さほどお金はかからないみたい。
========================================(一部修正ここまで)
支払いはどうやってやるんだろう…?
小さい問題だけど、これ支払いってどうやってやるんだろう?
セミナー見てた人と雑談した限りでは「クレジットカード払いかなぁ?」という予想が大半だった。アメリカだし。
でも、会社の支払いだとクレジットカード払いって難しかったりするよねぇ。うちはダメだ。まぁ、当然それならそれでなにか別の徴収方法を考えるんだろうけど。
多分、アメリカのサービスそのまま見せてるだけなんだろうけどね
月額$699ってドル表示しちゃってるとこからもわかるけど、これ、アメリカで予定しているサービスをそのまま見せてるだけだよね。
ほんとに日本でこれをやるのかどうかよくわからない。日本の業務形態に見合わないということはAdobeさんもわかってる…のかな?
Adobeもあんまりやる気ない?
月額制という新しい料金形態、さらにサーバーサービスを継続的に提供してそこで料金を取るってのはAdobeにとっては実験的な試みだと思うのだけど、どうもあまりやる気が見られないというか…。アメリカではそれなりに力を入れているのかもしれないけど、日本でどうなるかは微妙な感じ。
と、いうことで、Adobeのセッションレポートでした。
Adobe Digital Publishing Suiteの詳しい話がきけたらなーと思ってたんだけど、あまり詳しいところはわかりませんでした。Webにすでに出ている情報と同じって感じ。
残りのスクリーンのセッションについては、また追加します。




