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ちくちく日記 RSSフィード

2011-02-15

EPSのプレビューが見えてないとどんなトラブルがおこるか

PhotoshopCS5でEPS保存のプレビューにバグがある件で、先日のブログではAdobeさんが、自分とこのバグを堂々と他社のせいにしているのがあまりに面白すぎて、その話だけで終わってしまったのですが。


この件、実は印刷関係者、特に入稿受け側にとっては、かなり面倒な事故の可能性を秘めている。

同じ立場の皆様が事故にあわないように、EPSのプレビューが見えないとどんな事故になるのか実例をあげて紹介してみよう!


■Illustratorの環境設定によっては抜けていることに気がつかない

まず、このプレビューの抜けについて。PhotoshopCS5を使っていても、環境によっては作業者が抜けに気がつかない場合がある。

と、いうのも、実はIllustratorでは、配置画像の表示で何を使用して表示するかを設定する事ができる。

Illustrator環境設定の「ファイル管理・クリップボード」の項目「リンクされたEPSに低解像度の表示要画像(プレビュー)を使用」がそれ。

f:id:akane_neko:20110215175821j:image

この設定、IllustratorCS3まではずっと「リンクされたEPSに低解像度の表示要画像(プレビュー)を使用」にチェックが入った状態がデフォルト、つまりPhotoshopで保存された低解像度のプレビューを使用するのがデフォルト設定だった。

ところが、Illustrato CS4から、チェックオフがデフォルトに変更されている。つまり、低解像度のプレビューを使わず、Illustratorがプレビューを作成する。

f:id:akane_neko:20110215175823j:image

なので、ここの設定を変えていなければ、Photoshopのプレビューがついていなくても、Illustratorがプレビューをつけるので、気がつかずに作業できてしまう。


ただ、Illustratorでプレビューをつける設定は、それだけIllustratorに負荷がかかるので、画像の点数が多くなると画面処理が遅くなる。

印刷会社では入稿データとして毎日大量のデータを扱うので、できるだけ負荷をかけず作業するため、ここにチェックを入れてPhotoshop側のプレビューを使うように設定している事が多い。


■効果はプレビューに対してつけられる

Illustratorで使える効果設定では、その画像の表示状態に対して効果をかけるものが結構ある。

よく使うところでは、効果のドロップシャドウやぼかし。

これらの効果は、画像のプレビューが表示されている状態でないと、正しく適用されない。


■制作サイドでプレビューされていても、出力サイドで表示されない

問題なのは、EPSプレビューのついていない画像を、Illustratorプレビューの状態で作業したデータが入稿された場合。


わかりやすく図解で説明

制作サイドでIllustratorプレビューで作業した状態

f:id:akane_neko:20110215175825j:image

▲Illustratorがプレビューをつけるので、画像も表示される


このファイルが入稿されて、EPS(低解像度)プレビューで作業した状態

f:id:akane_neko:20110215175824j:image

▲プレビューが表示されない状態なので、切り抜き画像のドロップシャドウ効果がおかしくなっている。


これをそのまま出力すると


f:id:akane_neko:20110215180549j:image

▲何という事でしょう、画像が抜けて出力されたではありませんか!


不透明度設定の部分はちゃんと出力できているけど、ドロップシャドウやぼかしといった効果の設定された画像は抜けてしまったり、間違った出力がされる。

つまり、入稿データを開いただけで、画像の抜けなどが起きる可能性があるのだ。


■トラブルを避けるには

まず、PhotoshopCS5でEPS保存する時はプレビュー形式にMacintoshを選ばない事。TIFFにする。

やっかいなことに、PhotoshopでEPS保存する際のデフォルト設定では、プレビューがMacintosh(8bit)。なので、わざわざ設定を変更する必要がある。

f:id:akane_neko:20110215175822j:image

どっちで作ったかわからないファイルを開くときには、Illustratorの環境設定で、「リンクされたEPSに低解像度の表示要画像(プレビュー)を使用」のチェックを外してIllustratorプレビューで作業する。

f:id:akane_neko:20110215175823j:image

Illustratorプレビューでの作業だと、表示が重くなるのでやりたくないのだけど…データ作成者がどういう状態でデータを作っているのか、確認できない場合自衛のためにはチェックを外して、全て Illustratorプレビューで作業するしかない。




これからPhotoshopCS5を使うデータ作成者の皆様にお願い、どうぞ、EPSのプレビューはTIFFを指定してください。

Illustratorのデータを受ける同業者の皆様、事故の可能性があります。重いけど我慢してIllustratorのプレビューを使いましょう。



そしてAdobeさん。「もうEPSなんてあんまり使わないっしょ」とか「Mac使ってるユーザーなんて一部だし〜」とか「このバグうちのせいじゃないもんね」とかいってないで、さっさと修正してよねっ!!

jdashjdash 2011/02/15 20:34 Twitterには書いたけど、Macのプレビューを付けてWindowsのIllustratorで開くときも同じ事が起こるんですねぇ。

らんだむひもらんだむひも 2011/02/15 23:42 こわっ、零細の印刷所の気持ちなんかこれっぽちも考えないんだね。アドなんとかさん。

akane_nekoakane_neko 2011/02/16 09:21 jdashさん

そうか、そういえばそうですね。WindowsでMacのデータを開く場合はどのバージョンでも同じ危険がありますね。

らんだむひもさん

どうしてもこういう、細かい部分の動作には見落としがあるというか、バグ検証が行き届いていないという感じがありますね。

ヨニシヨニシ 2011/02/16 18:50 ぐぐって「Macプレビューはリソースフォーク内に、
TIFFプレビューはデータフォーク内に格納される」と初めて知りました。
WinでMacプレビュー消えるはずですね。勉強不足で恥ずかしい。
Appleがリソースフォークやめてしまう方向っぽいので、
AdobeもいずれはMacプレビューを切り捨てるつもりかもしれませんね。
(そもそもEPS自体を切り捨てるつもりかも)

出力がおかしいのは一概にバグと言えないような…。
出力前に効果の形状等は決まっていて、
画像を読み込んでも効果はプレビューのときのままということですよね。
アプリケーションの挙動としては間違ってないと思います。
そもそも効果を適用する形状等をプレビューで判断しているのが根本的な問題でしょう。
こういう仕様だと、他のアプリが作ったプレビューを使うのはかなり怖いですね。

アプリケーションの互換性などを考えても、
プレビュー画像は配置する側のIllustratorやInDesignで
つくるほうがいいんじゃないでしょうか。

ヨニシヨニシ 2011/02/16 19:07 ああ、すみません、画像データ本体とプレビューが一致しているのが前提のしくみなのに
なんでプレビューがちゃんと作られないんだっていう話だったんですね。
前の記事読んでやっと理解しました。
早とちりでコメントして申し訳ありませんでした。

akane_nekoakane_neko 2011/02/16 21:28 ヨニシさん

Macプレビューとか、EPSとかが今後なくなって(切り捨てられて)いくだろうというのは、そのとおりだと思います。

なくなるならなくなるで、それはかまわないのですが、現状ではなくなっていない(使用できる)のに、動作がおかしいというところが問題なのですね。

確かにアプリケーションの互換性その他を考えてもEPSプレビューなどは使わず、アプリケーション側のプレビューをつかうのがいいのだとおもうのですが、なにせそれを使うと描画が遅くて、動作がおもくなるんですよね〜

Adobeも、そういう風にしたいのなら、もっと描画速度を早くして、みながそっちを使いたいようにするとか、そういう進化をしてほしいなぁと思います。

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