2009-12-07 (Mon.)
東雅夫・石堂藍編『日本幻想作家事典』。
一家に一冊置いておきたい事典だが、7,600円+消費税となかなか結構なお値段なので自腹では買うことができず図書館にお願いして入れてもらった。SF、ファンタジー、純文学、児童文学、ライトノベルと様々なジャンルより「幻想文学」を著した作家を網羅・解説した事典である。「新井素子」の項目があるのでファンは要チェック。いやまあSFやファンタジーが好きな人なら俺なんかに言われなくても読むでしょうけども。
「新井素子」の項はP.34-35。それなりの行数を使って作家・作品分析がなされており、書いてあることはちょっと興味深い。面白いのは『結婚物語』『新婚物語』のタイトルが文中に出てくること。確かにテレビドラマ化もされた代表作だけど、知らない人はSFかと思っちゃうよねきっと。
もう一つ、附録2「怪奇幻想映像小史」の【童話とファンタジー】の項、P.992に今関あきよし監督の映画『グリーン・レクイエム』についての記述がある。
美少女・恋心・悲劇と道具立ては揃っているのに、ストーリーも映像もいささか暗すぎる。
だそうです。そこがいいんじゃんと思うんだけど。
この事典には索引が付いていない。内容を参照したい場合は「アトリエOCTA 『日本幻想作家事典』紹介ページ」で配布されているExcel版とテキスト版の二種類の索引を使うべし。この二つは内容が違うので、一つだけでは情報に漏れがある。
手当たり次第に開いたページを読むだけですごく面白いんだけど、万城目学の名前がなかったのは意外。(12月10日追記:2006年以降にデビューした作家は割愛したと凡例に書いてあった。)
小飼弾『空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法』。
自己啓発本。巻末に「小飼弾が選ぶ最強の100冊+1」というリストが載っていて、その中に新井素子さんの『グリーン・レクイエム/緑幻想』が入っている。一文解説では、
未熟は魅力。
と書いてある。言葉の意味はよくわからんがとにかく新井素子さんのファンであるらしい。
このリストは本人のブログにも掲載されている(→【404 Blog Not Found】#空気本 - 小飼弾が選ぶ最強の100冊+1)。「フィクション」中に占める割合はSFが圧倒的に多い。
- 『空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法』,小飼弾,イースト・プレス,1429円+税,ISBN:9784781602387
率直な感想を言えば、この内容で1,500円は高すぎる。個人的には安くても手に取らない本だけど(買ったのは新井素子さんの名前が出て来たからだ)、新書で充分ですよって感じ。
宇野常寛・更科修一郎『サブカルチャー最終審判 批評のジェノサイズ』。
『サイゾー』で連載されていた対談の書籍化。「マンガビジネス崩壊寸前!」の章、「「原田知世症候群」に侵される、中年オタクたち」の項P.59に新井素子さんの名前が出て来る。事情がよく判らないんだけど、この二人はある年代の共通した趣向を持った人たちを「中年オタク」と分類して仮想敵にしており、その人たちの好きなものをここで貶すことによって「戦略的に」挑発しているらしき。
宇野 この世代の中年オタクは、ファンタジーの世界で王子と姫がくっついたりとか、ギャルゲーの世界のトラウマ美少女とか大好きなくせに、クラブやサークルとか、自分たちが本当に憧れているリアルな人間関係に恋愛というファクターが持ち込まれるのを、すごく嫌がるわけですよ。
更科 『タッチ』と同時期に連載していた、島本和彦の『炎の転校生』に、友花里ってヒロインが出てくるんだけど、作中での持ち上げ方が奇妙なんだよね。主人公やライバルが語る時に、すごくねじれた褒め方をするの。「両足を閉じると太腿に隙間が空くのがいいんだ」とか、きゃしゃで性的じゃない肉体に性的アピールを見出しつつも、同時に神聖化して不可侵にするような理屈を熱く語っているんだけど、これはやっぱり清純派アイドルへの褒め方だよね。あと、八〇年代「サンデー」の作家には、原田知世好きな人が多くて、子ども心に不思議だったな。
宇野 当時、おニャン子クラブとか『スケバン刑事』系に行かずに、まず角川映画系に走ってる【※9】ところで線が引かれているわけですよね。それも、薬師丸ひろ子はNGで、九割方原田に走る。薬師丸だと、セックスのにおいがしてイヤなんでしょう。一言で言うと、自分のことを拒絶しなさそうな不思議ちゃんですよね。谷山浩子を聴いてそうな感じ【※10】。
更科 あと、新井素子【※11】を読んでてね。そういう世代の文化圏がある意味、「サンデー」という雑誌のメイン購買層のひとつになっている。
P.60-61の脚注。
【※11】新井素子
(あらいもとこ/一九六〇年〜)SF作家。一九七七年デビュー。話し言葉をベースにした「素子文体」は、各界に広く影響を与えた。高橋留美子と並ぶ、中年オタクのグレートマザー。批評家の東浩紀さんも、やっぱり大ファン。
当時の実情を知らない70年代中〜後期の生まれの二人が後付けの知識で一生懸命語ろうとしている処に違和感を覚えるというか。ゆかりちゃんへの褒め方ってあれはギャグだしなあ。ゆかりちゃんのスレンダーな処がいいと力説する伊吹が、足の間の隙間がいいとか胸がないのがいいとかないのに時々パットを入れてちょっと膨らんでる時があってそれもいじらしくていいとか言って、これ聞いたゆかりちゃんが激怒して伊吹をボコボコにしてたよね。(記憶だけで書いてるんで間違ってるかも知れん。)
俺の場合、薬師丸ひろ子→高井麻巳子(おニャン子クラブ会員番号16番)→高岡早紀→菅野美穂という変遷を辿った訳ですが、新井素子さんの小説が好きだと「中年オタク」と呼ばれちゃうんだろうか。いや俺は何事にも中途半端な人間なんで「オタク」を称するのはおこがましいんだが。
- 『サブカルチャー最終審判 批評のジェノサイズ』,宇野常寛・更科修一郎,サイゾー,1,500円+税,ISBN:9784904209011
これも新井素子さんの名前が出てこなければ決して買わない本である。ちなみに、薬師丸ひろ子、原田知世、新田恵利(おニャン子クラブ会員番号4番)の芸歴に共通する映像作品のタイトルって判る?
Jリーグアウォーズで得点王の前田遼一がベストイレブンにも選出される。
シーズンを通してあまりいい処がなかったジュビロ磐田にあって、前田の得点王獲得は唯一と言っていい程の明るい話題であった。スカパー!の生中継を見ていたんだが、受賞のスピーチで普段から口数の少ない前田が、クラブの偉大な先輩であり共に得点王に輝いた中山と高原の名前を出して謙虚に喜びとサポーターへの感謝を語る姿に思わず胸が熱くなって泣けてきた。前田もよくぞここまで成長してくれた。今や絶対的なエースとしてジュビロ磐田に欠かすことのできない存在である。来年は残ってくれるのかなあ。残って欲しいなあ。来季もジュビロ磐田でプレーしてくれ、頼む。
最近仕事が忙しくて、中山が出場したホーム最終戦も結局見に行くことができなかった。一応出撃できる準備はして出社し、仕事が終われば早退させてもらおうと思っていたが、そうは問屋が卸さないんである。悔しかった。今年で退団する中山、村井、茶野、秀人の言葉を、生で聴きたかったよ。みんな来年はどこのチームでプレーするんだろう。元気にサッカーする姿が見たい。敵として当たれたら最高なんだけど。
今年のサッカー観戦は、次の日曜日にヤマハスタジアムで行われる2009Jユース・サンスタートニックカップ2回戦、vs京都サンガF.C.で最後の予定。ヒートテックを買うまでもなかった。シーズンオフが早すぎるよ。淋しい。
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