アタシは山口小夜子ファンではない
東京都現代美術館にて開催中の「山口小夜子 未来を着る人」に行ってきました。
アタシ的にもちょっと世代は外れるのですが、仕事柄触れる機会があったことから彼女に興味を持ち、何よりアタシは美しいものが好きなわけですから、いろいろこれまでも収集したりしてきたわけです。
思ってた以上に老若男女というか、もちろん子供はほとんど見かけませんでしたが、それでも若い方も多く、なんで知っているんだろ?とも思いましたが、まあ人それぞれですわね。
普通のブログだと、展覧会の感想を書くとそれを読んで「行ってみよう」とか思ったりする人もいるのかもしれませんが、もはや年に2,3度しか更新しないこのようなブログを読んでいる人など皆無でしょうから、むしろ私的な備忘録というか、アタシが観覧した直後にどう思ったかを書き留めておく方がいいと思ったわけです。
で、率直に感じたことは、「アタシは、2次元の山口小夜子の方がいい」ということでした。
彼女はファッションモデルとして名を為したわけですが、それもいいんですけど、確かに小夜子がいなければカンサイもケンゾーもイッセイもここまでメジャーになれたか?というくらい重要な役割を果たしたのだと思いますけれど、でも、やはりアラといいますか、私の求めていない部分までが見えてしまうのです。
そう、パフォーマーとしての小夜子には、興味が持てないのです。
それは、彼女の年齢によるものかもしれません。
ただ、彼女は年齢を重ねてもその美しさが全く変わらなかった(年齢不詳といっても過言ではない)のは間違いないので、彼女の美しさが衰えたという意味ではなく、もはや「侘び」の境地であったからだと思うのです。
アタシが愛するのは、生まれ出ずる瞬間の美しさたる「幽玄」であり、その瞬間で時間を止めた、アラの無い完全な小夜子、すなわち被写体としての小夜子、もっと言えば広告として加工済みの完全無欠の山口小夜子だったのです。
(c)SHISEIDO (c)NORIAKI YOKOSUKA
そういう意味で、今回のタイトルに至ったわけです
「アタシは山口小夜子のファンではない」
アートディレクター中村誠とフォトグラファー横須賀功光によって作り上げられた、“資生堂の”山口小夜子のファンなのであります。
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