2013年の暮れに今年のアルバム私的ベストなどを
皆さん、2013年が暮れようとしております。
えー…今年のブログ更新は初めてです(恥)。
もう今年もあと5時間です(笑)。
Twitterにかまけてばかりの私をお許しください。
来年はボチボチこちらに復帰します。
さて、恒例の私的ベストアルバム。2012年はEsperanza Spauldingの『レディオ・ミュージック・ソサイエティ』が圧倒した私のリストでしたが、今年はいい作品が多く、10枚選ぶのが難しかったです。とくにブラジル・ミナス系のアーティストの新譜がどれも素晴らしい出来でした。
以下、よく聴いたアルバムをご紹介します。
ちなみに、アフィリエイトはやっておりません(2013年12月現在:笑)。
●Lost Memory Theatre act-1 / Jun Miyake(三宅純)
今年の個人的ベストアルバムを1枚だけ挙げるならばこの1枚。聴くと心の中に自分だけのシアターが生まれる宝物のようなアルバムでした。国境を越え、時代も超えてさまざまなイメージが浮かんできます。傑作。
三宅純 Official site(楽曲のサンプルが聴けます)
http://www.junmiyake.com/
●QUIVER / Ron Miles, Bill Frisell, Brian Blade(2012)
2012年12月発。厳密には2013年ではありませんが、トランペット、ギター、ドラムの全ての音が気持ち良すぎてずっと聴いていたくなる中毒性のあるアルバムで、実際によく聴きました。このメンツでおわかりでしょうが、スペースのあるインタープレイが超・快感です。
●DERIVA / Kristoff Silva
年末になって滑り込んできたアルバムです。ブラジル・ミナスのシンガーソングライターですが、歌モノを基本軸にしながら全体の構成やアレンジにはプログレやジャズ、音響派の影響も感じます。ただし、欧米にはいそうでいないタイプかと。いま個人的にヘビロテです。
Deriva
●MISTURADA ORQUESTRA / Misturada Orquestra(2011)
これも2011年発表ですが、日本では今年出ました。ハファエル・マルティニ(P)率いるブラジル・ミナスの新進気鋭のミュージシャンによるグループ。音はクリエイティブのひと言。音楽的な可能性を感じる大好きなアルバムです。
●POSTLUDiUM / Goro Ito(伊藤ゴロー)
前作『GLASHAUS』に続き、今回のアルバムも静謐で美しい! 伊藤氏のギターを中心に、それぞれの曲は個性があるのに、アルバムを順に聴いていくうちにイメージが微妙に移ろい、淡いなかにも複雑な色彩が全体から浮かび上がってくるような不思議な作品です。傑作。
●Wed21 / Juana Molina
正直言って、このアルバムを聴くまでフアナ・モリーナ(&アルゼンチン音響派)はあまりよく知りませんでした。が、しかし! 1曲目の変拍子からノックアウト。かっこいい! これはロックファンにもウケるアルバムだと思います。調子にのってブルーノート東京の来日公演も聴きに行ってしまった…(実際に近くで見た彼女は大変チャーミングな方でした)。
●Macaxeira Fields / Alexandre Andres
これまたブラジル・ミナスの若きシンガーソングライターの2ndアルバム。ここには、前述のMisturada Orquestraと同様、アントニオ・ロウレイロやハファエル・マルティニといったミナスの新世代アーティスト達が集まっており、音楽監督はピアニストのアンドレ・メマーリ。ブラジルの自然や風景を感じるような優しいサウンドが全体を包みます。ビートルズの明らかな影響も随所に顔を覗かせ、ミルトン・ナシメントやロー・ボルジェスなどミナス旧世代との共通項も発見できます。心地よいアルバム。
●Live Today / Derrick Hodge
去年はロバート・グラスパーの『ブラック・レディオ』に興奮した私ですが、今年出た『ブラック・レディオ2』は、個人的には全然面白く聞こえず…(たぶん単純な好みの問題)。今年は、同じロバ・グラ関連でもベーシスト、デリック・ホッジのアルバムにハマりました。でも、たぶん従来のオーディオ&スピーカーシステムで再生してもキレイに聞こえません。ヘッドフォンで聴くのがこの作品のニュアンスを楽しむためにはベター。1月のブルーノートが楽しみです。
●LE KEMONO INTOXIQUE / KEMONOツボ
ボーカリスト青羊(あめ)のソロユニット「KEMONO」のアルバム(菊地成孔プロデュース)。腕利きの若手ジャズメンの演奏にのせて、青羊の歌う「摩訶不思議」かつ「官能的」かつ「文学的」なオリジナルソングが個人的にツボ、いやドツボ! サウンドのみならず歌詞がとにかく秀逸。M2、M4、M5、M8とくに好き。ジャジーなポップソングの新しい可能性を感じました。
●AOR / Ed Motta
英語版もありますが、私はポルトガル語バージョンを買いました。70年代〜80年代のAORワインが熟成して2013年ブラジルでとつぜん封が開き芳醇な香りをぷんぷんさせている、そんなユニークなアルバム。聴いていて頭に浮かぶのはドナルド・フェイゲンの顔(笑)なのに、ジャケットには巨漢のオヤジが(笑)。来日公演も楽しかった、まさにマニアックな「大トロ」才人の快作です。
(以下、次点の扱いですが、ほぼ上の10枚と遜色ないくらい聴きまくりました。こちらもおすすめです)
●Motivo / Rafael Martini
これまたミナス系。上述のハファエル・マルティニのソロ。一度この音を生で聴いてみたい!このアルバムについてはディスクユニオンさんの紹介文が私の言いたいことをほぼ全て言ってくれていますのでご参考までに
http://diskunion.net/latin/ct/news/article/1/33115
●Finas Misturas / Antonio Adolfo
エリス・ヘジーナやカルロス・リラなどとの仕事で知られるブラジルのベテランピアニストの単独名義作。コルトレーンやビル・エヴァンス、キース・ジャレット、チック・コリアといったジャズ・ジャイアント達のナンバーをブラジル的アレンジと演奏で奏でる、まさに「融合」のアルバム。その洗練された音にうっとりすること必至。
●TANGOFIED / Torben Westergaard, Diego Schossi
デンマークのベース奏者とアルゼンチンのピアニストの共作。タンゴ・ジャズと呼んでよいのか、ピアソラ的な情熱と冷徹さがぶつかるような音楽的刺激に満ちたアルバムです。しびれます(古い?)。
●Never My Love: The Anthology / Danny Hathaway
ご存じダニー・ハザウェイの4枚組アンソロジー。ベストアルバム仕立ての1枚目は神構成w。
その他、私が聴いた中ではこんな新譜も素晴らしかったです。何枚かご紹介しますね。
(南米関係)
●So / Antonio Laureiro(2012発)
●Trinta / Patricia Marx
●MAR DO MEU MUNDO / Paula Santoro
●BEATLES / UAKTI
●UM / Dani & Debora Gurgel Quarteto
●Uma travessia 50 anos de carrieira ao vivo / Milton Nascimento
(POP & ROCK関係)
●Album 2 / Louis Cole
●Crimson/Red / Prefab Sprout
●The Next Day / David Bowie
●Wise Up Ghost and other songs 2013 / Elvis Costello and The Roots
●SOLID BOND / naomi & goro
●new age / (((さらうんど)))
●Searching For SUGAR MAN original motion picture soundtrack / RODORIGUEZ
(Jazz関係)
●Without a Net / Wayne Shorter
●Magnetic / Terence Branchard
●Uberjam Deux / John Scofield
●Live in NYC / Gretchen Parlato
また、旧譜では、Renato Braz, Roberto Taufic & Eduardo Taufic, Guinga, Dario Jalfin(これもロックファンにおすすめ)あたり。あとはジスモンチとジョビン関連をよく聴きました。
来年も、刺激的な音楽体験が私にも皆さんにもたくさん訪れますように! 皆さんよいお年をお迎えください。